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本作は、弁護士の城戸章良が他人として生きた“ある男”へ複雑な思いを募らせていくミステリー。妻夫木が城戸を演じたほか、城戸に死んだ夫の身元調査を依頼する谷口里枝に安藤、里枝の夫で大祐と名乗っていた“ある男”に窪田、大祐の兄・恭一に眞島、“ある男”の真相の手がかりを知る詐欺師・小見浦憲男に柄本が扮した。
撮影が行われたのは約2年前。妻夫木は「柄本さんとのシーンが特に印象に残っている。監督もテクニカルなことに挑戦されていて、観客の皆さんを引き込んでいくシーンになっていると思います。柄本さんに喰われるってこういうことなのかなと思うくらい、すごく楽しかった!」と振り返る。柄本はそのシーンについて「覚えてない……(笑)。ぶっきー(妻夫木)と会ったのは覚えてる」と吐露。妻夫木は「柄本さんとの共演は毎回シビれるものがある。『ウォーターボーイズ』で初共演して以来、何度もご一緒させていただいているのですが、毎回違う顔を見せてくださる。なんとか柄本さんに食らいついていけるようがんばっていきたい」と感慨深い様子だった。
安藤は妻夫木との共演を「顔を見てると吸い込まれるんですよね。安心感があります」と回想する。窪田は「サクラさんは愛に包まれていて、大黒柱として家族のシーンのベースを作ってくださった。それにすごく助けられた印象です。子供たちも自由にお芝居していて、本当にリアルな家族風景が見えました」とコメント。また窪田は林業にも初挑戦しており、「木ってそんなに簡単に倒れないんですよね。樹齢80年の木を切らなければいけないとき、命を自分の中に取り入れるような儀式的な感覚になりました。すごく貴重な体験になりました」と述懐した。
完成した作品を観た平野は「作家冥利に尽きる。本当に感動しました。2度観させていただいたのですが、1度目は小説がどのように映像化されるのかを気にしながら。2度目は映画的なロジックに着目して観ていました。それぞれの場面が結び付くさまに、監督の技量に敬服しました」と感想を述べる。キャストについては「本当に素晴らしい表情をされていた。演じられた役者の皆さんと、その表情を引き出した監督のコラボレーションに胸を打たれました」と絶賛した。
また本作は第79回ヴェネツィア国際映画祭、第27回釜山国際映画祭にて上映された。MCから現地の反応を尋ねられた妻夫木は「ヴェネツィアでは最後に笑っている方が何人かいて、国境を越えるとこんなにも捉え方が違うんだと感じました。釜山では2回も大きな拍手をくださった。すごくうれしかったですね」と回答する。
「ある男」にちなみ、キャスト陣へ「別人になれるなら誰がいい?」との質問が及ぶ。窪田は「妻夫木さん」と答え、「共通の趣味でボクシングを一緒にやらせてもらっているんですが、この間プロの方と軽いスパーリングをしたと聞いて。トライする気持ち、進み続けるその精神力をリスペクトしています」と明かす。妻夫木は「好きなことをやってるだけなんです(笑)。ボクシングもこの映画がきっかけで始めたんです」と頬をゆるませた。
「ある男」は11月18日より全国でロードショー。
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Japan premiere of new movie "Aru otoko" at United Cinema Toyosu on 27 Oct 2022 - Tsumabuki Satoshi, Ando Sakura, Kubota Masataka, Mashima Hidekazu & Emoto Akira; showing from 18 Nov 2022
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