ヘルツォークの新作「歩いて見た世界 ブルース・チャトウィンの足跡」を上映中の同劇場。このたびの特集では長編第1作「
またラインナップにはサハラ砂漠に住む遊牧民ウォダベの風習や文化を映した「ウォダベ 太陽の牧夫たち」、30年あまり家に閉じ込められていた盲ろう者のフィニ・シュトラウビンガーを追った「
なお期間中にはトークイベントも開催。7月15日には詩人で明治大学教授の管啓次郎、7月16日には映画監督の
岩波ホール ヴェルナー・ヘルツォーク・レトロスペクティブ ―極地への旅
2022年で7月13日(水)~18日(月・祝)東京都 岩波ホール
当日料金:一般・学生・シニア(60歳以上)1500円 / エキプ会員 1400円 / 小中高生 1200円
※当日10時にチケットの販売開始
※1プログラム2作品上映
※「生の証明」のみ1作品上映
<上映作品>
「彫刻家シュタイナーの大いなる陶酔」新訳版(DCP上映)
「ウォダベ 太陽の牧夫たち」(DCP上映 / 日本初上映)
「ガッシャーブルーム 輝ける山」新訳版(DCP上映)
「生の証明」(16mmフィルム上映)
「闇と沈黙の国」(16mmフィルム上映)
「スフリエール」(16mmフィルム上映)
渋谷哲也 コメント
異郷の探索者ヴェルナー・ヘルツォークの作品にはドキュメンタリー的な要素が欠かせない。それは劇映画でも変わりなく、人類が見たこともないような秘境を旅し、未曽有の大災害に飛び込み、時には人間の心の暗黒面に迫ってゆく。ヘルツォークのモットーである「陶酔的な真実」とは、その光景に向き合った者に圧倒的な感動と畏怖として開示されるものだろう。だが戦後ドイツ世代としてヘルツォークは、映像による大衆操作の危険も自覚している。彼は風景のロマンティシズムに耽溺することなく、観察者の冷静さを失わない。それは文明社会が培ってきた制度や価値観に徹底的な懐疑を向けるアウトサイダーの態度に他ならない。世界を渡り歩きその出会いを記録しながら、ヘルツォークが自分と同じ漂泊者(ノマド)の魂をブルース・チャトウィンに見出したのだろう。彼らはカフカの掟の門前での求道者のように世界の圧倒的な謎の前で立ち尽くす。だがヘルツォークは絶望せずに進み続ける。そのユニークな功績を改めて日本未公開のドキュメンタリーを中心に辿ってみたい。それはチャトウィンの旅の伴侶としても最適の参照資料となるだろう。
ヴェルナー・ヘルツォークの映画作品
リンク
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ヴェルナー・ヘルツォーク特集が岩波ホールで開催、「生の証明」などをフィルム上映 - 映画ナタリー
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