2022年SKIPシティ国際Dシネマ映画祭の国内長編部門・優秀作品賞を獲得した映画「
本作ではレンタル夫との二重生活を送る中で新たな感情に気づく女性が描かれる物語。一緒に行くはずだったワークショップを夫にキャンセルされた詩織は、同僚から紹介された代行業者の淳之介に依頼。そして淳之介に満足した詩織は夫に内緒でアパートを借り、彼と疑似夫婦生活を始める。
監督は、日本で宣伝の仕事をしながら自主映画を製作する中国人の
本作で長編デビュー作を果たす余園園は「『埋まらない穴』を持っている映画の中の人物も私も、他者と触れ合い、そして互いに満たし合う。『ダブル・ライフ』を通じて、みなさんとのふれあいが生まれることを心から願っています」とコメントした。
「ダブル・ライフ」は東京・アップリンク吉祥寺ほか全国で順次公開される。
映画「ダブル・ライフ」予告編
余園園 コメント
「ダブル・ライフ」は立教大学大学院の修了制作であると同時に、私自身にとって「悲願の長編デビュー作」でもあります。物語の基盤、テーマにおいて、本作はヴェルナー・ヘルツォーク監督作品「ファミリーロマンス社」の影響を強く受けています。同作に、不気味さ、虚しさ、現実との乖離を感じ、不思議な共感を覚えたのです。
「レンタル人間」「二重生活」「ふれあい」というテーマの掘り下げは、自分自身をもっとさらけ出したいという、私自身の潜在的欲求に基づいています。北京でも東京でも、心にぽっかり穴が空いたまま日々がいたずらに過ぎてしまい、人と人との間にいつも隔たりを感じています。愛されたい、心の穴を埋めてほしい、と願っているのは主人公の詩織だけではなく、私自身であり、あなた自身でもあるかもしれません。
この度、2年越しに劇場公開が叶い、感無量です。この作品は私の映画作りの原点であり、今もエネルギーをもらっています。
「埋まらない穴」を持っている映画の中の人物も私も、他者と触れ合い、そして互いに満たし合う。「ダブル・ライフ」を通じて、みなさんとのふれあいが生まれることを心から願っています。ぜひ劇場で観ていただきたいと思います。よろしくお願いします。
菊地敦子 コメント
誰もが幾重もの層を持って生きている。
自分に語りかける自分、人に会うときの私、あなたの微笑みの裏側。
そしてその層を抱えながら、ままならぬ人生を歩まなければならないとき、支えとなってくれるもののことを、この役が教えてくれた。
エドヴィナス・プクスタ(タリンブラックナイト映画祭 フェスティバルプログラマー)コメント
繊細かつ率直で大胆なデビュー作で、中国のヨ・エンエン監督は、誰かの人生の重要な出来事のために代理の人間をレンタルするという、日本では珍しい奇妙な習慣を繊細に探求している。巨匠ヴェルナー・ヘルツォークは2019年の映画「ファミリーロマンス社」で日本人特有の習慣や厄介なサービスを暴露したが、北京電影学院の卒業生であるヨはもっと勇敢で、偽物の人間関係の危険な課題に深く飛び込んでいる。聡明で自信に満ちたこの作家は、一見ロマンチックなミニマリスト・ドラマに、残酷で胸を締め付けるようなひねりを加えて私たちを驚かせる。
菊地敦子の映画作品
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Prachi Rawat @Panchih0
@eiga_natalie 🔥🔥