耳が聞こえない元プロボクサー・小笠原恵子の自伝「負けないで!」を原案に、16mmフィルムで撮影された本作。生まれつきの難聴と付き合いながらプロボクサーとなった主人公・小河ケイコを岸井、ケイコに根気強く指導を行いながらも、次第に視力を失っていくトレーナー・笹木克己を三浦が演じた。なお、笹木の妻役で
岸井は「三宅監督も参加した三ヶ月のボクシング練習、手話練習もかけがえのない時間でした。ほんとうの意味で一緒に戦ってくれたこと感謝します」とつづり、三浦は「ケイコを抱きしめたくなるような、素直に心地よく余韻に浸れる作品だった」とコメント。三宅は「言葉以上のものがスクリーンを通して伝わることを確信しています。ケイコと多くの観客の皆様とが出会えますように」と語った。
岸井ゆきの コメント
現場に入ればすでに照明はうつくしく、撮影中は16mmのフィルムがカラカラと回る音だけが辺りを満たしていました。
この世界をスタッフの皆さんがいち早く捉えてくださり、支えてくれたから、わたしはただケイコとして存在することができました。
この作品はケイコの日常であると同時に、今を生きること、自分の人生をどう生きるのかという問いなのかもしれません。
三宅監督も参加した三ヶ月のボクシング練習、手話練習もかけがえのない時間でした。ほんとうの意味で一緒に戦ってくれたこと感謝します。
ああ早く観てほしい。それだけです!
三浦友和 コメント
特別な仕掛けも予定調和の起承転結もない。でもあっという間の99分。
音のない日常を生きる主人公のケイコの気持ちを、観た人間それぞれが自由に解釈して欲しいと無責任に丸投げされることがない。
ケイコを抱きしめたくなるような、素直に心地よく余韻に浸れる作品だった。サンドバッグ、ミットを連打する音が強烈に耳に残る。
街の喧噪、人々の声。だがこの音はケイコには聞こえていないのだと気づく度に、目にしている画面の風景が違った色に変化する。
この作品には映画音楽がない。観客が耳を澄ませなければならない。
三宅唱 コメント
とても大切な映画ができました。ご自身の半生記「負けないで!」を書かれた小笠原恵子さんに深く敬意と感謝の意を表します。ありがとうございます。また、岸井ゆきのさんとともにこの映画に取り組めたことを心から誇りに思います。彼女の信じがたいほどの勇敢さがなければこの映画は生まれていません。タイトル通り、彼女はこの映画そのものです。そして、三浦友和さんはじめ全ての役者と全てのスタッフの、言葉では言い表せないほど澄んだまなざしもまた、この映画そのものです。全員の素晴らしい仕事にただただ魅了されました。書きたいことは山ほどあるのですが、なるべくまっさらな気持ちで皆さんに「発見」してほしいので、いったんこのあたりで我慢します。言葉以上のものがスクリーンを通して伝わることを確信しています。ケイコと多くの観客の皆様とが出会えますように。
タケシ(TKC) @carlandeliza
濱口竜介の次は三宅唱だと思う。本当に公開が楽しみ。
岸井ゆきのがプロボクサーに、三宅唱監督作「ケイコ 目を澄ませて」公開(コメントあり) https://t.co/zqQ0MWxxFH