リム・カーワイ監督作を大阪と東京で上映、無国籍3部作やバルカン半島映す作品など

リム・カーワイ監督作の特集上映が12月18日より大阪のシネ・ヌーヴォX、12月29日と30日に東京・ユーロライブで開催される。

リム・カーワイは大阪を拠点に香港、中国、バルカン半島などでも映画を制作してきた中華系マレーシア人。今回は彼の“無国籍3部作”である「アフター・オール・ディーズ・イヤーズ」「マジック＆ロス」「新世界の夜明け」に加え、大阪・ミナミを舞台にした「Fly Me To Minami ～恋するミナミ～」、東ヨーロッパで現地の人々と作り上げた「どこでもない、ここしかない」が上映される。またアジア人バックパッカーの目を通してバルカン半島の生活を活写した「いつか、どこかで Somewhen,Somewhere」もスクリーンにかけられる。

ユーロライブではトークイベントを実施。12月29日はリム・カーワイと東京国際映画祭のプログラミングディレクター・市山尚三、12月30日はリム・カーワイと真利子哲也が登壇する。なお特集企画にあたってリム・カーワイ、小田香から出されたコメントは下記の通り。

リム・カーワイ監督特集上映

2021年12月18日（土）～29日（水）大阪府 シネ・ヌーヴォX
2021年12月29日（水）、30日（木）東京都 ユーロライブ
＜上映作品＞
「アフター・オール・ディーズ・イヤーズ」
「マジック＆ロス」
「新世界の夜明け」
「Fly Me To Minami ～恋するミナミ～」
「どこでもない、ここしかない」
「いつか、どこかで Somewhen,Somewhere」

リム・カーワイ コメント

2019年6月4日にデビュー作「アフター・オール・ディーズ・イヤーズ」が北京でクランクアップしてから、あっという間にもう12年以上経ちました。先日、9作目となるロードムービー「あなたの微笑み」を、日本各地で撮り終えたばかりです。この10年間、ずっと大阪をベースにして世界各地で映画を作り、毎年年末には過去の作品をまとめてシネ・ヌーヴォが特集上映してくれるのが恒例になっていました。今回、最新作「COME & GO カム・アンド・ゴー」の劇場公開に合わせて、初めて東京でも開催できて嬉しく思います。「COME & GO カム・アンド・ゴー」をきっかけにして、私の過去作品にも興味を持ってくれたら幸いです。

小田香（映画作家）コメント

大阪で活動していると度々リムさんと会います。
映画館や映画祭でリムさんにすれ違う度に、おそろしい熱量で今観た映画について語り、次に作る映画と次の旅のことも愉しそうに喋って帰っていく、突風みたいな人だなという印象でしたが、実際その身のこなしの軽やかさと、同時にある種の頑固さのようなものがユニークなかたちで共存している稀有な方だと感じます。「アフター・オール・ディーズ・イヤーズ」に魅せられてから、リムさんの作品はできるだけ追っていますが、どれも異なった映像言語で撮られ、リムさんという人間の謎をより深めてくれました。新作「カム・アンド・ゴー」ではどんな世界に連れて行ってくれるのか、リムさんの混沌がさらに広がるのか、拝見するのが楽しみです。