つながりは舞台が大和「MADE IN YAMATO」冨永昌敬ら5人の監督集結

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神奈川・大和を舞台にしたアンソロジー映画「MADE IN YAMATO」が、本日10月30日に東京・ヒューマントラストシネマ有楽町で世界初上映。監督の山本英冨永昌敬竹内里紗宮崎大祐清原惟が上映後のオンラインQ&Aに出席した。

「MADE IN YAMATO」舞台挨拶時の様子。上段左から円井わん、冨永昌敬、尾本貴史、兵藤公美、竹内里紗、清原惟、村上由規乃、山本英、山崎陽平。下段中央が宮崎大祐。

「MADE IN YAMATO」舞台挨拶時の様子。上段左から円井わん、冨永昌敬、尾本貴史、兵藤公美、竹内里紗、清原惟、村上由規乃、山本英、山崎陽平。下段中央が宮崎大祐。

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「MADE IN YAMATO」ビジュアル

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第22回東京フィルメックスにて新設された、日本映画の最新作を紹介するメイド・イン・ジャパン部門に出品された本作。映画はポストコロナの大和を舞台にした短編5本で構成されている。企画は市が開催に関わる映画祭YAMATO FILM FESTIVALやこども映画教室がコロナ禍で中止になったことを受け始動。大和出身・在住で同市を舞台に「大和(カリフォルニア)」「TOURISM」などを撮影してきた宮崎が発起人となり、「こども映画教室2019」で講師を務めた「小さな声で囁いて」の山本、「みちていく」の竹内、「わたしたちの家」の清原、そして大和近辺に住んでいるという冨永が集った。

宮崎大祐

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冨永昌敬

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冨永が「『MADE IN YAMATO』というタイトルにしかできないオムニバス」と語るように、5本にテーマや内容で明確なつながりはない。撮影は2021年3月、4月頃に単発的に行われ、映画は9月に完成した。宮崎は「ただ全編が大和市で撮影されている。地元民からすると、ある種、特徴のない日本のどこにでもある街。そこをどう映画的に撮るかが今までの僕のテーマでした」とコメント。冨永も「5人で映画を撮ってみようとなったとき、あまり約束をしなかった。結果的につながってから、自分たちが何を作ったのかを話し合っていかなきゃいけないものになりました」と続ける。

左からMCを務めた神谷直希、山本英、冨永昌敬、竹内里紗、宮崎大祐、清原惟。

左からMCを務めた神谷直希、山本英、冨永昌敬、竹内里紗、宮崎大祐、清原惟。[拡大]

山本は「オーファンズ・ブルース」で知られる村上由規乃を主演に迎え、市役所でビデオレターを撮って回る職員と彼女の休日を描いた「あの日、この日、その日」を監督。映画には実際に市役所で働く職員が出演しており、山本は「ずっと前から市役所を撮りたいという気持ちがありました。誰でも出入りできるパブリックな場所。そこで働く人々を撮りたかった。職員の方にフィクションのパートでも関わってもらえたのがうれしかった」と振り返る。映画は脚本を用意せずに撮影。村上ら俳優陣への信頼を明かしつつ「このメンバーなら脚本がなくても、それぞれの経験から大和市にコミットできるんじゃないかと思いました」と、その意図を明かす。

「MADE IN YAMATO」ビジュアル

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山本同様、清原は事前に脚本を用意せず、若くして妊娠した女性と謎のバイカー集団のひと時を描いた「三月の光」を監督した。清原は「大和という場所に体で反応して作っていける映画にできたらと思って選択しました。自由に撮れる機会ってなかなかない。その限界に挑戦したい気持ちはありました」と振り返る。最初に宮崎から街を案内され印象に残ったのは、新幹線が猛スピードで大和を通り過ぎる光景だったそう。「日本中のどこにでもあるけど、降り立って新幹線を見る経験は意外となかった。新幹線に乗っていると街の風景は一瞬で過ぎ去ってしまう。ものすごい速さで流れていく機械を、ゆったりとした時間の中でじっくり見る時間があったんです」と回想する。大和は市の南部を東海道新幹線が走っており、清原は主人公が佇む夕暮れの中で一瞬で過ぎ去るモチーフとして登場させた。

竹内は兵藤公美を主演に迎え、スポーツセンターの清掃員として働く女性のささやかな旅を紡ぐ「まき絵の冒険」を監督。竹内は大和に隣接する藤沢市在住で、2つの市を流れる川沿いの道を主人公・まき絵が歩くコースとして選んだ。実際に川沿いを歩きながら脚本を考えたそうで「『大和を歩く話』を作ろうと思ったときにやたらめったら歩き回るのは想像がつかなくて。川沿いを歩いたらお話が浮かんでくるんじゃないかと。そして川を下って藤沢市を通って海まで行くという流れを思いつきました」と述懐。さらに「これまで地元にあまり愛着がなかった。隣ですけど大和で撮ってみて、これからは『自分が生まれ育った街で撮る』ということもやってみたいなと思いました」と参加の感想を明かした。

「四つ目の眼」

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竹内の作品が大和という土地と密接に関わる物語である一方、冨永はほぼ喫茶店の店内だけで展開する大和色の薄い物語「四つ目の眼」を発表。離れて暮らす娘から継父を紹介される実の父親の困惑を描いており、円井わんが娘、尾本貴史が継父、福津屋兼蔵が実父を演じた。尾本と福津屋は大学時代の同級生だそうで、冨永は「久しぶりに一緒にやれて。円井わんさんを含め3人とできてすごく面白かった。撮影は1日だけで終わってしまったので、また違う形で出てもらいたい」と充実感を述べる。

「エリちゃんとクミちゃんの長くて平凡な一日」

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町外れの森にタイムカプセルを埋めに行く2人組を描く「エリちゃんとクミちゃんの長くて平凡な一日」を監督した宮崎。最後に「映画は旅のようなもの。その国、そのときによって流れる時間が違う。このオムニバスは5本とも普段自分たちが生活している時間とは違う、映画の時間が流れていると思っています。そういう時間の流れを楽しんでいただけたらうれしいです。1本でも引っかかるものがあれば、ぜひTwitterなどで感想をご発信いただければと思います」と話し、イベントを締めくくった。

なお上映には多数のキャストも応援に駆け付けた。舞台挨拶は人数の制限があるため「あの日、この日、その日」の村上と山崎陽平、「四つ目の眼」の円井と尾本、「まき絵の冒険」の兵藤はフォトセッションのみ登壇。「MADE IN YAMATO」は2022年秋頃を目標に劇場公開の準備が進められている。

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(c)踊りたい監督たちの会

読者の反応

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Kumi Hyodo @kuminhyo

第22回東京FILMEX
「MADE IN YAMATO」
無事上映できました!
他の作品の方々にも会えて楽しかったです!京造時代のゆきのさんと再会したのも感激
https://t.co/BqGTpr4LAD

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