柄本佑「心の傷を癒すということ」は“非常に私的な思い”で作った主演作

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心の傷を癒すということ《劇場版》」の初日オンライン舞台挨拶が本日1月29日に行われ、主演を務めた柄本佑、総合演出を担当した安達もじりが出席した。

左から安達もじり、柄本佑。

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「心の傷を癒すということ《劇場版》」ポスタービジュアル

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本作は精神科医・安克昌の著書を原案に、NHK総合で放映された同名ドラマ全4話を再編集した劇場版。2000年に39歳の若さでこの世を去った安は、阪神・淡路大震災の発生時、カウンセリングや診療活動を行い被災者に寄り添い続けた人物として知られる。本作は関係者への取材をもとに、人物や団体名を改称したうえで、主人公・安和隆の半生を描くフィクションとして再構成された。

左から安達もじり、柄本佑。

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NHK大阪拠点放送局の制作部に所属し、連続テレビ小説「カーネーション」「まんぷく」などの演出を担当してきた安達。柄本は「朝ドラで妻(の安藤サクラ)と娘が1年間、わりとがっつりお世話になっていて。どちらかと言うと親戚?に近い特殊な距離感。周りの人から『もじり監督の現場は本当に楽しいよ』と聞いていて、うらやましい思いもあったんです」と明かし「でも、いざ距離感が近い方の現場に入ると緊張します。いよいよ見られちゃう!みたいな」と振り返る。

「心の傷を癒すということ《劇場版》」

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安和隆の妻・終子役には尾野真千子が起用された。助監督時代から尾野と何度も仕事をしている安達はキャスティングの裏話を披露。「この作品は安先生のご家族の方に、ものすごくご協力をいただきました。最初にお食事したとき、半ばお酒のノリで奥様に『誰に演じてもらえたらうれしいですか?』と聞いたんです。真っ先に名前が挙がったのが尾野さん。その瞬間にしっくり来る、というのをなんとなく感じました」と続ける。尾野と長年親交のある柄本は「終子はおっとりしてるけど芯のある女性。初日の撮影で声を聞いて、すぐ真千子ワールドに引き込まれました」と共演の感想を語った。

左から安達もじり、柄本佑。

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劇中では和隆と終子の間に娘が生まれるが、このモデルとなった女性が撮影に参加していたことも明らかに。安達は「ちょうど18歳ぐらいになっていらして。食事会のときに『もしよかったら現場に来てみますか?』と誘ったらすごく真剣に考えてくださって、なんと撮影現場に演出部のスタッフとして参加してくれたんです」と回想。「もちろん、お父さんのことはもう覚えてない。そういう中で、自分の父親のことを知る時間になってくれたらなという思いもありました。彼女はこの作品のチームにとって心の支えであり、そこでみんなが気持ちをひとつにできたんです」と話した。

「心の傷を癒すということ《劇場版》」

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彼女の存在が現場にとって「すごく大きかった」という柄本は「安先生を演じながら、あの子に伝えたい、あの子にプレゼントしたいという気持ちを常に持っていて」と述懐。「たぶんキャストもスタッフもみんなそういう思いを持ってたんじゃないかな。非常に私的な思いで作られてたなと思います」と振り返った。

「心の傷を癒すということ《劇場版》」は東京・新宿武蔵野館ほか全国で順次ロードショー。

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(c)映画「心の傷を癒すということ」製作委員会

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