第159回直木賞を受賞した島本理生の同名小説を映画化する本作。北川演じる公認心理師の真壁由紀が、父親を刺殺した女子大生・聖山環菜との面談を通して彼女の心理へ迫っていくうちに、自身の“ある記憶”も呼び起こされていくさまが描かれる。
新たに出演が発表された中村は由紀の義理の弟・庵野迦葉役で出演。事件の真相に迫るクールでドライな敏腕弁護士として、由紀とともに環菜との面談に臨む。中村は「このビターな世界の中で、迦葉はどんな過去を背負い、またどんな未来を歩いていくのか、日常生活まで入り込むほどずっとず~っと考えていました。ここまで頭から離れなかった人物は初めてかもしれません」と述べている。
そして環菜役には、芳根がキャスティングされた。供述を二転三転させ由紀たちを翻弄する環菜を演じた芳根は「向き合えば向き合うほど、引きずり込まれそうで震える恐怖を、初めて味わいました」と振り返る。また由紀の夫であり迦葉の兄で、2人のよき理解者となるカメラマン・真壁我聞に扮したのは窪塚。「まぼろしの邪馬台国」以来の堤組参加となった窪塚は「堤監督との12年ぶりの仕事で求められたのは“何もしない”こと」と、その難しさに言及した。
追加キャストの発表に際し、堤は「今回のキャストはまさにベストな人選であった。お陰で密度の濃い化学反応がいくつも」と大満足のコメントをつづっている。
浅野妙子が脚本を手がけた「ファーストラヴ」は、2021年に全国ロードショー。
中村倫也 コメント
このビターな世界の中で、迦葉はどんな過去を背負い、またどんな未来を歩いていくのか、日常生活まで入り込むほどずっとず~っと考えていました。ここまで頭から離れなかった人物は初めてかもしれません。僕がこの世界に入る前から一ファンとして多大なる影響を受けてきた堤さん、窪塚さん。もはや百戦錬磨の芳根さん。そしてなにより、同世代の星、北川さん。試写の案内が届くのが楽しみな今日この頃です。ご期待ください。
芳根京子 コメント
環菜と向き合えば向き合うほど、引きずり込まれそうで震える恐怖を、初めて味わいました。撮影が終わった今も、思い出すと涙が溢れます。現場の温かい空気と、スタッフ・キャストの皆様に心から救われました。真壁先生が北川さんで本当に良かったです。初めての堤組で経験させてもらった事は、一生忘れません。
窪塚洋介 コメント
何もしないことの難しさ。堤監督との12年ぶりの仕事で求められたのは“何もしない”こと。何の狙いも持たずにただただ良き夫、良き兄としてカメラの前で在ることは想像以上に難しかった。つい作為的になりがちなところを北川景子さん始め、演者とスタッフが真摯に自分の仕事に向き合う様に支えられて挑戦することが出来たように思います。
堤幸彦 コメント
今回のキャストはまさにベストな人選であった。お陰で密度の濃い化学反応がいくつも。
中村氏は眉目秀麗な弁護士を演じるが、彼の役が持つ「影」はストーリーの低いところで少しずつ温かい流れとなって全体をくるんでいく。難しい役どころだったがストイックに演じ切ってくれた。
芳根京子さん。役に憑依するとは彼女の事だ。撮影のシステムも熟知していて狙った場所で狙った以上の演技をする。まさに天才。涙の魔術師。
そして盟友 窪塚洋介。いろいろと過去から演じてもらったが、今回はまさに「はまり役」ではないか。信念と優しさ、まるで扇の要のようにいい声で動揺する魂を鎮めていく。
他にもたくさんのこの映画にとっての適材適所な役者が渦巻いている。本当にたくさん。なんとも贅沢な作品作りであった。感謝!
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北川景子×堤幸彦「ファーストラヴ」に中村倫也、芳根京子、窪塚洋介が出演 https://t.co/4acmma3g66
原作:島本理生(文春文庫)