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本作はフランスの国民的女優が自伝を出したことをきっかけに、彼女と娘の間に隠されたある“真実”が明らかになる物語。日本語吹替版ではカトリーヌ・ドヌーヴ演じる母であり女優のファビエンヌに宮本、ジュリエット・ビノシュ扮する娘であり脚本家のリュミールに宮崎が声を当てる。是枝の「万引き家族」に出演していた子役の佐々木は、リュミールの娘シャルロット役で参加した。
吹替の演出も是枝が担当すると思い込んでいた宮本は「(収録現場で)是枝監督が急に『僕じゃないんですよ』と。なんて無責任な方というか……!」と冗談交じりに述懐。是枝は「ごめんなさい。吹替は専門の方がいらっしゃるので……」と苦笑いを浮かべながら謝罪する。4時間ほど悩んで参加を決めた際の宮本の「自分の中の侍が受けて立つ」という言葉を紹介しながら、是枝は「そういった背筋の伸びた凛としたところが今回の役にぴったりだと思ったんです」と吹替版への起用理由を明かした。
役作りでひたすら映画を観たという宮崎は「ビノシュさんがどんな表情でセリフをしゃべっているかを焼き付けました」と振り返り、現場については「台本通りにきちんと話すと口に合うようにできてるんです。収録はとっても楽しくて勝手にビノシュさんと同じ気持ちを共有できている感覚でした」とコメント。吹替初挑戦の佐々木は、息遣いや笑うところが難しかったと語った。
「真実」は最初に是枝が日本語で書いた脚本をフランス語に翻訳した台本を用いて撮影されている。「普段は字幕で観るタイプ」という是枝だが「今回字幕で観ると、最初に日本語で書いたときより情報量が減っている。しょうがない部分と思っていたんですが、吹替では字幕で削らざるを得なかったセリフのニュアンスを少し取り戻せた。よりオリジナルの脚本に近い」と吹替版の魅力に触れた。
是枝はドヌーヴとの仕事を「最初は嵐がやって来て過ぎ去った、という感じ。本当に緊張するんですが、最後は誰もがファンになっていました」と回想。ドヌーヴはほとんどセリフを覚えずに現場に入るそうで「相手との関係をその場で見ながらセリフをリズムで入れていく。だから最初は僕の書いたものとは全然違うセリフをしゃべってました」と明かし、「でも1日1回は必ずいいテイクを出される。ある瞬間、突然100点(の演技)が出るんです。ほかのキャストが100点じゃなくても『私は今のが100点』と。その100点を目の当たりにできるのはとても貴重な体験でした」と続けた。
「真実」は全国で公開中。
※宮崎あおいの崎は立つ崎(たつさき)が正式表記
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