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白石一文による同名小説をもとに、久しぶりに再会した男女の極限の愛を描き出す本作。登場人物は瀧内演じる直子と、柄本扮する昔の恋人・賢治の2人のみであり、その理由を問われた荒井は「意図じゃなくて予算がなかったんです」とあっけらかんと答える。「原作もほぼ2人の物語ですし。ほかの人物がワンシーンだけ出るんだったら、2人だけでいいやって。節約だよ!」と続ける荒井に、柄本と瀧内は声を上げて笑った。
もともと荒井作品が好きだったという柄本は「脚本を読んだとき、荒井さんの言葉だなあ、(出演できるのが)うれしいなあと思ってたんですよ。それから原作を読んでみたら、セリフが全部小説のまんま! 不自然さを感じさせないのはテクニックなんですか? 抽出の仕方が荒井さんなんですかね?」と問いただす。荒井が「(原作の)どこを捨ててどこを拾うかで個性が出るんじゃないの?」と答えると、柄本は「そうかあ」と深くうなずいた。
瀧内は「絡みのシーンがたくさんありましたが、脚本には『ここでキス』『このセリフの間で手を回す』とか事細かに書いてあって、これが演出ですと言われているような脚本でした」と振り返る。濡れ場については「アクションみたいでした」と表現。綿密なカメラワークや動きのもと撮影されており、瀧内は「柄本さんが体をずらしてくださったことがあって。あとから私を映してくれたんだと気付いて。すごく助けていただきました」と信頼をのぞかせた。
柄本からは、荒井の演出に関する裏話も。「テーブルの上に直子を乗せて腰を振ってるシーンの撮影では、荒井さんが目の前にいて。賢治が果てるタイミングの指示を出されてたんです。『キュー出すから』って」と話す柄本。片手をサッと上げて荒井が指示を出すまねをしながら「この人、俺が5歳の頃から知ってるんだよな……って思いました(笑)」と切なげな顔を見せて笑いを起こす。さらに瀧内から「監督は絡みのシーンと食事のシーンが厳しかった。もっとバクバク食べろ!って」と明かされると、荒井も「メシと裸のときだけ仕事したな」と自身で納得していた。
昔の恋人同士が期間限定で再び関係を持つ、“復活愛”の物語でもある本作。荒井は「普通はありえない。これは敗者復活戦に勝つ話だからね。女の人は気持ちいいんじゃないの」と述べ、瀧内は「男性の場合も直子の立場になったら気持ちいいでしょうね」と同調する。柄本は「観る世代や性別によって感想がさまざまだと思うので、たくさんの方に観ていただきたいです」と期待を込めて舞台挨拶を締めた。
「火口のふたり」は8月23日より東京・新宿武蔵野館ほか全国でロードショー。
※「火口のふたり」はR18+指定作品
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