「友罪」瀬々敬久が夏帆に演じてほしいヒロイン像語る「昼は教師で夜は娼婦」

本日6月7日、「友罪」の公開記念ティーチインが東京・TOHOシネマズ 新宿にて行われ、キャストの夏帆、監督の瀬々敬久が登壇した。

本作は、町工場で働き始めた元・週刊誌記者の益田と他人との交流をかたくなに避ける同僚・鈴木の関係を軸にした人間ドラマ。生田斗真が益田、瑛太が鈴木を演じている。夏帆はあるきっかけで鈴木に助けられ、次第に彼に好意を抱いていく藤沢美代子に扮した。

本作で初めて瀬々とタッグを組んだ夏帆は「以前ご一緒したスタッフの方に『瀬々組が一番印象に残ってる。いつかご一緒できたらいいね』と言われていたので、楽しみにしていた」と述懐し、「瀬々さんは誰よりもまっすぐに作品と向き合っていて、熱量がものすごい。その力に影響されてみんなが瀬々さんのために映画を作るという現場が、素敵だなと思いました」と撮影を振り返った。

撮影中の夏帆について「僕は口下手なんで話はあまりせず傍から見ていただけなんですけど、悩みながらやってるなと思いました。完成した映画をご覧になってるときは、晴れやかな顔をされていた」と語る瀬々。夏帆が「『限界を超えてくれ』と言われて、ずっと悩んでました。クランクアップのときには結局何もつかめずに終わってしまったような気がしましたが、悩んだままの状態がこの役に合っていたのかなとも思いました」と回想すると、瀬々は「そんな偉そうに言ってないですよ！（笑） パワハラになっちゃう……」と弁明して会場を和ませた。

続いて会場の観客とのQ&Aのコーナーに。「夏帆さんをヒロイン役に迎えて映画を撮るならどんな役をやってもらいたいですか」と質問された瀬々は、「そうですねえ、そうですねえ……」と散々逡巡したのち、「『ミスター グッドバーを探して』みたいに、昼は女教師で夜は娼婦というヒロインが出てくる映画を作ってみたいですね」と回答。続けて「これセクハラって言われる!? 切ってください、今の」と焦り、笑いを誘った。

最後に夏帆は「正解のない作品だと思います。賛否もあると思いますが、何か心に引っかかるものがあれば」とコメント。瀬々は「答えを探しながら作っていった映画。益田くんが『公園で飲もうか』と鈴木を誘うシーンがありますが、ああいう宝物のような時間を与えてあげることができるのは友達だったり家族だったりするのかなと、自分で作った映画を観て思いました。千差万別でいいので受け止めてもらえたらと思います」と真摯にメッセージを伝え、会場をあとにした。

「友罪」は全国の劇場で上映中。