樋口真嗣、片渕須直、のん、新海誠らが毎日映画コンクール受賞の喜びに浸る

本日2月15日、第71回毎日映画コンクールの表彰式が神奈川・ミューザ川崎シンフォニーホールにて行われ、日本映画大賞に輝いた「シン・ゴジラ」の監督・樋口真嗣をはじめ、片渕須直、西川美和、新海誠らが喜びを語った。

樋口の登壇前にはゴジラがステージに現れ、激しく咆哮したあとに足音を響かせながら中央に歩み出た。そして舞台上にスタッフと並んだ樋口は「この演出に私は正直戸惑いを隠せません……」と開口一番に述べて笑いを誘い、「ゴジラというキャラクターを作った先輩たちの思いを受け継ぐ形で、今の日本を舞台にどういったゴジラを作るかを本気で考えてました。その結果だと思うので本当に感謝しています」と続ける。

監督作「君の名は。」がアニメーション映画賞、TSUTAYA×Filmarks 映画ファン賞の日本映画部門に選ばれた新海は「業界の大先輩である片渕監督と並んでこの舞台に立つことができて幸せです。12年前に『雲のむこう、約束の場所』でいただいたアニメーション映画賞は、自分の進む道を照らしてくれた賞だと思います。（TSUTAYA×Filmarks 映画ファン賞は）お客さんに観ていただきたくて映画を作ったので、本当にうれしいです」と受賞の喜びに浸る。さらに音楽を担当したRADWIMPSについて「（野田）洋次郎さんは誠実で映画に愛がある。1年半映画のために音楽を作ってくださいました。RADWIMPSの優しさに救われました」と言及した。

日本映画優秀賞、大藤信郎賞、音楽賞の3冠を獲得した「この世界の片隅に」の監督・片渕は、主人公すずに声を当てたのんとともにステージに上がる。2016年は審査員として毎日映画コンクールに携わったという片渕は「この作品では、第2次世界大戦中の日本の普通の家庭にいる主婦のちっぽけな姿を描いています。題材からすると及びつかないような結果ですが、たくさんの方々にご覧いただき、認めていただけてありがたく思っています」とコメント。のんは「素晴らしい作品だと公開前から確信していましたが、こんなにたくさんの方に観ていただけたことが夢のようでびっくりしています。それを片渕監督にお話したら『監督は無限に夢を見るので』とおっしゃっていて。カッコよくて頼もしくて素直な監督だなと思いました」とはにかんだ。また、本作の音楽を手がけたコトリンゴは「片渕監督、この映画の音楽の大きな核になった『悲しくてやりきれない』を私たちに残してくださった加藤和彦さんとサトウハチローさん、私にデビューのきっかけを与えてくださった坂本龍一さん。4人の偉大な方たちにまずは感謝を伝えたいなと思います」と音楽賞の受賞を喜ぶ。表彰式の終盤ではコトリンゴによって主題歌「悲しくてやりきれない」の弾き語りが披露された。

監督賞を「永い言い訳」で受賞した西川美和は「今まで作った映画の中で、もっとも迷うことが多かった作品です。自分が迷ったりムダを重ねたことによって周りの人がたくさん力を貸してくださり、作品にいろんな個性が加わったのではないかと思います。いろんな力に助けられて、初めにイメージしていなかった世界が作られるのが映画の素晴らしいところだなと思います」と挨拶し、ドキュメンタリー映画賞に選出された「桜の樹の下」の監督・編集を担当した田中圭は「俳優の田中圭ではなくてすみません（笑）。私はここ川崎で0歳から育って、川崎市の学校で映画を学び、川崎で映画を作りました。『桜の樹の下』は、川崎が自分の故郷だと意識した大切な作品です」と喜びを噛み締めた。

表彰式には、そのほか「聖の青春」で脚本賞を受賞した向井康介、特別賞の白組代表取締役社長・島村達雄らが出席した。受賞結果一覧は下記の通り。

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