この日は、東京都内のホテルにて獅子王戦挑戦手合の大盤解説シーンが撮影された。ホテルの広間入り口付近には、加瀬扮する宗谷冬司と佐々木演じる島田開の写真があしらわれたポスターやチラシ、島田の名と「臥龍鳳雛」、宗谷の名の横に「寂光」と書かれた色紙などが並ぶ。
壇上の大きな将棋盤の前には、制服に身を包んだ桐山零役の神木、和服姿の現役最年長棋士・柳原朔太郎役の
解説に使用する対局シーンがモニターに映し出される中、神木と斉木は指導担当のプロ棋士とともに「この駒がここに動いたら、次の手は……」と盤上の駒を動かしながら流れを確認。カメラが回ると、神木は斉木の解説に合わせて真剣な面持ちで駒を置いていく。また観客たちが島田の負けを感じ始め、桐山が「ちょっと待ってください! まだ終わってません!」と叫んだあとに会場を出て行くシーンでは、神木は狭い通路を何度も全力疾走。大友から演技指導が飛ぶと、神木の「はい!」という元気な声が響いた。
神木をキャスティングした経緯について、プロデューサーの谷島正之は「原作ファンがもっとも望んでいた俳優」と語る。神木はもともと将棋好きの祖父の影響で幼少期から将棋に親しんでいたが、本作の出演にあたりプロ棋士に指導を受けながら指し方の練習を積んだという。ほかの俳優たちも同様に特訓を重ねたといい、谷島は「その難しさにみんな最初は驚き焦るんですよ。特に加瀬亮さんの入れ込みようはすごくて、先生たちに『将棋がうまくならなくていいんです。いかに美しく、プロとしての指し方ができるかを教えてほしい』と。殺陣の稽古とまったく同じで、やればやるほどうまくなるし馴染んでいくんです」と明かす。
また「この原作を映画化したいと思ったのは、原作コミックの4巻が発売された2010年の春」と話す谷島は「そのときにすぐ浮かんだのが大友監督で、その思いは6年を経てより一層強くなっていきました」と続ける。そして「大友監督には『残酷な話にしてください』と言いました。人間には苦しみと幸せが永遠にへばりついて離れない。生きることは力がいるんだというのが原作の感動したポイントでした。観る者を八つ裂きにするような残酷な映画にしたいし、その先で幸せとは何かを喜びをもって実感させられるような物語にしたいんです」と語った。
「3月のライオン」は前後編2部作で公開。前編は2017年3月18日、後編は4月22日より全国にてロードショー。
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- 「3月のライオン」羽海野チカ | 白泉社
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