本日10月26日、第28回東京国際映画祭コンペティション部門出品作「
1920年代から1930年代にかけてフランス・パリで活躍した日本人画家、藤田嗣治の半生を描いた本作。第58回カンヌ国際映画祭で特別上映された「埋もれ木」以来、10年ぶりに作品を手がけた小栗は「実在した人物を題材にしていますが伝記映画を意識していません。1920年代のパリと1940年代の日本を並べて、文化や歴史の違いを浮かび上がらせる。そんな作りになっています」と説明する。
小栗組に参加できた喜びをあらわにするオダギリはこの日、正直すぎる発言を連発して報道陣を沸かせた。演じたフジタについては「正直あんまり知らなかったですし、いまだにあんまり興味があるわけではないんですけど」ときっぱり。両隣の小栗と中谷から同時にツッコミを受けつつ、「小栗監督の作品に関わりたいという一心で、この作品に参加したのが正直なところです」と素直な気持ちを口にする。
フランス・日本と拠点を変えていく役どころについて、オダギリは「監督に丸投げでしたね」とも。「自分の我を出すよりも、監督の手のひらで転がっていくほうが僕にとっても作品にとってもプラスになると思ったので」と続けるオダギリに対し、小栗は「俳優さんにとって、すべてを預けるというのは勇気のいること。パリと日本という2つの舞台において何も変えず、1人の命がそこをまたいでいけばいい。その考えをオダギリくんと合致させました」と続ける。またオダギリが見せた感覚的な演技について「身体全体で芝居をつかみ、フジタのたたずまいを表現していた。そういう難しいことをやってのける役者です」と称えた。
またフジタの5番目の妻・君代役の中谷は「自分は何も持っていないけれど、希代の天才である夫の美意識にそぐう人間でありたいと努力し、でもその自由さに踏み込めない壁を感じている。そんな女性像を、台本の行間からすくい取るようにして演じました」としとやかに語る。「アメリ」などで知られるプロデューサーのオサールは、フランス人として「フジタは大変有名で、愛されている画家。でも彼が日本に帰ってからのことはあまり知られていないので、この映画で改めて彼が素晴らしく充実した画家であることを再認識できました」と絶賛した。
「FOUJITA」は11月14日に東京・角川シネマ有楽町ほかにて全国ロードショー。
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11/14(土)公開【FOUJITA-フジタ-】
東京国際映画祭での記者会見の様子です。
フランス・日本と拠点を変えていくフジタの役作りなどについて、オダギリジョーさん、小栗康平監督が語っています。
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