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「ギャラクシー街道」撮影現場レポート、レトロで温かい三谷幸喜流SFコメディ

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「ギャラクシー街道」撮影中の三谷幸喜(右)、綾瀬はるか(左)。(c)2015フジテレビ / 東宝

「ギャラクシー街道」撮影中の三谷幸喜(右)、綾瀬はるか(左)。(c)2015フジテレビ / 東宝

10月24日に公開を控えた三谷幸喜の監督最新作、「ギャラクシー街道」。映画ナタリーではその撮影現場の様子をレポートする。

本作は、宇宙に浮かぶハンバーガーショップを舞台に繰り広げられるスペースロマンティックコメディ。登場人物は全員宇宙人で、ハンバーガーショップ“サンドサンドバーガー”の店主・ノアを香取慎吾、ノアの妻ノエを綾瀬はるかが演じている。

東宝スタジオの第9ステージに制作されたハンバーガーショップのセットは、これまで「THE 有頂天ホテル」「ザ・マジックアワー」などの三谷作品で美術を手がけてきた種田陽平がコンセプトデザインを担当。宇宙に浮かぶ店という設定ながら、その内装や小道具はアナログでレトロな質感を持つもので統一されている。

こうした美術設定について、三谷は「『SFをやりたい』と言ったときに一番反対されたのが種田さんで、『すごくリスキーで難しい世界ですよ』と言われたんです。SFということは“サイエンスフィクション”ですから、サイエンスの部分のさじ加減をどうするか。時間がかかるし超えることは難しいけど『ゼロ・グラビティ』のようなリアルな表現に向かうか、もっとフィクショナルにやっていくかどちらかだということになって、最終的にはサイエンスの部分は忘れようということになりました」と説明。「その結果たどり着いたのが、1960年代の人たちが考えた未来像です。未来なんだけど懐かしい、というような。アニメでいうと『宇宙家族ジェットソン』、実写作品でいうと『宇宙家族ロビンソン』のような世界観ですね。そこでようやく方向性が見えました」と続ける。

自身が好きなSF映画について聞くと、「『2001年宇宙の旅』と『猿の惑星』なら100%『猿の惑星』。『未知との遭遇』と『スター・ウォーズ』なら当然『スター・ウォーズ』派ですね」と答え、「新作の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』も楽しみ。よきライバルと思ってます」と笑った。

この日は、ハンバーガーショップにノアの元恋人・レイが夫のババサヒブとともにやってくるシーンなどが撮影された。香取、綾瀬、レイ役の優香、ババサヒブ役の梶原善がコミカルな会話を繰り広げていく。ババサヒブが長い舌でノエの鼻を舐めるシーンはポストプロダクションでCGを足すために、現場では梶原が綾瀬の目の前で顔を上下させる。戸惑う表情を浮かべる演技を綾瀬が何度か繰り返し、監督からOKが。撮影は終始和やかなムードでスムーズに行われた。

三谷は、「ザ・マジックアワー」にも出演した綾瀬について「以前は、自分のセリフがないシーンでは次のセリフや動きをただ待っていたんですけど、今回はセリフを話しているときも黙っているときも役を演じてくれている。エンケン(遠藤憲一)さんとのやり取りではすごく大人っぽい綾瀬さんを見ることができます。ノエの抱いている複雑な感情が、セリフなしでも伝わってきました」と称賛。また香取を、「嘘のない芝居をされる方なのでとてもやりやすいし、いろんなことをやらせたくなる人です。現実的でないキャラクターも成立させてしまう人ですが、ごくごく普通の等身大の男を演じてもいいんじゃないかと思ってノア役を任せました。今回はいつもと違う香取さんが見られるんじゃないかな」と語る。

撮影の合間、1人セットの隅に佇み思案する姿が印象的だった三谷。そのことを伝えると、「好きで1人でいるわけではないんです。僕もできれば俳優さんたちと談笑したりスタッフとご飯を食べに行ったりしたいんですけど、とてもそんな余裕はない。スタッフはずっと映画をやってらっしゃる方たちで、僕は2年に1度ぐらい撮影現場にお邪魔させていただく人間。そんな状況で監督としてやっていくには、ほかの人たちが現場にいない時間を使って自分なりに勉強していくしかないんですよね」と答えてくれた。

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