Shoも登場！MY FIRST STORY武道館公演でHiro「人生のすべてが報われた気がする」

MY FIRST STORYが11月18日に東京・日本武道館にてワンマンライブ「We're Just Waiting 4 You Tour 2016 Final at BUDOKAN」を開催した。

このライブは彼らが6月から実施していた47都道府県ツアー「We're Just Waiting 4 You Tour 2016」の最終公演として行われたもの。バンドにとって初めての日本武道館での単独公演で、会場には約1万2000人のファンが駆けつけた。ステージは会場の中央に用意され、4人は回転式のステージで360度を囲うファンの前で熱演を繰り広げた。

ライブはHiro（Vo）を思わせる、孤独を抱えた少年を主人公にした映像を織り交ぜて進行する。最初のプロットの上映が終わると、ステージに4人の姿が。空砲、スモークと共にHiroが「俺たちがNo.1だ！」と叫び、バンドは「Nothing In The Story」でライブの口火を切った。

バンドは「ALONE」「最終回STORY」と早速キラーチューンを連投して、場内をヒートアップさせたあと、最初のMCへ。Hiroは「今日は僕の人生のすべてを伝えようと思います」とこの日の意気込みを語る。そして、兄の所属するバンドに憧れてバンドを始めたこと、彼らと競演することを目標にバンドを続けるも苦悩や困難の連続だったことなどを赤裸々に吐露。顔を歪めながら苦労を語っていたが、「何度も諦めそうになって、何度も死のうと思ったけど、メンバー、チーム、みんなに支えられてきた」と言い、ぐるりと客席を見渡すと「これだけたくさんの人に支えられていると感じられたのは、今日が生まれて初めてです」と笑顔でファンへの感謝を述べた。

さらに今年3月にバンドに加入したKid'z（Dr）は「一生忘れられない1年になりました」とこの1年を回顧。Nob（B）はバンド始動からの5年間を振り返り「本当にいろんなことがありました。いいことだけじゃなくて、悪いこともたくさんありました。でもこれからも止まることは一切ありません」と力強く宣言し、Teru（G）はバンドが日本武道館公演を目指して活動してきたことを明かし「やっとこの日の丸の下で演奏できる。どれだけ待ったことか」と興奮した様子を見せた。

思いをさらけ出した4人は清々しい表情でライブを再開。勢いを加速させ、パワフルに楽曲を届けていく。「Last Call」「Black Rail」といったラウドな楽曲が続いた前半では、いくつもの火柱が立ち上るなど、ダイナミックな演出が場内を彩る。「君の唄」から始まったバラードゾーンではHiroが手を伸ばして切なげに歌唱。さらに「『花』-0714-」では入場時に観客に配布されたシンクロライトが点灯し、場内にはさらに感動的なムードが広がった。

少年が仲間の死を悲しむという映像が投影されたのちに、4人が演奏を始めたのは「Someday」。Hiroは「『MY FIRST STORY』という名前は彼が付けてくれました」と、自身の友人を思い浮かべて話し、切ない歌声を響かせる。曲の最後にはHiroの声にあわせて大合唱が広がった。

本編の最後、「Second Limit」「不可逆リプレイス」を畳みかけて場内を熱狂の渦に巻き込んだあと、Hiroは「今日この1日で俺の人生のすべてが報われた気がする」と感慨深そうに口にする。「苦しくてつらい22年間だった。でも俺にはまだやり残してることがある。今から5年後、2021年に東京ドームでワンマンをやる。約束する！」と今後の展望を語ったのち、「5年前、必ず越えると誓った。実の兄……ONE OK ROCKだ！」と声を上げてステージをあとにした。

アンコールでは昨年末からライブ活動を休止しているSho（G）がステージに。Hiroが「やっぱり5人じゃねえと締まらねえよな！」と声を上げ、客席から悲鳴のような歓声の上がる中、バンドは5人編成で「ALONE」をドロップする。演奏を終え、Shoがマイクの前に立つと「武道館は僕らが目指してきたステージで。この喜びをみんなと共有したいという思いと、MY FIRST STORYをお祝いしたいという気持ちを置きに来ました」と挨拶した。5人はそのまま、HiroがShoのために書き下ろしたという新曲「We're Just Waiting 4 You」をプレイ。ステージ上のビジョンには歌詞の日本語訳が映し出され、ファンは彼らの演奏と共に、思いのこもった歌詞を堪能する。曲の途中にはShoの周りにHiro、Teru、Nobが集まる場面もあった。

最後にHiroが「僕はずっと1人でした」と口を開く。続けて「家族とはなんでしょうか？ 愛とはなんでしょうか？ 僕にはよくわかりません」と涙を流し、「この歌を歌うのは最初で最後にします」と断ると、バンドはHiroが家族について歌った「Home」をライブ初披露。Hiroは声を震わせながら、情感たっぷりに歌唱し、歌い終わると泣き崩れた。銀テープが噴射され、明るく照らされた場内が感動的な空気で満ちる中、メンバーがHiroのもとに集まり、5人は長いお辞儀をして、約5カ月にわたるライブツアー「MY FIRST STORY「We're Just Waiting 4 You Tour 2016」を締めくくった。

なお終演後、MY FIRST STORYのドキュメンタリー映画「MY FIRST STORY DOCUMENTARY FILM ー全心ー」が、2017年2月17日から2週間限定で劇場公開されることが発表された。