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RADWIMPS「10周年と1日目」に同郷いきものがかりと邂逅

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RADWIMPS(撮影:植本一子)

RADWIMPS(撮影:植本一子)

RADWIMPSが11月24日に神奈川・横浜アリーナで対バンツアー「10th ANNIVERSARY LIVE TOUR RADWIMPSの胎盤」の9日目公演を開催した。

このツアーはRADWIMPSがメジャーデビュー10周年を迎えることを記念して、リスペクトするアーティストを招いて行っているもの。24日の公演にはRADWIMPSと同じ神奈川県出身のユニット・いきものがかりが登場した。

開演時刻の19:00ぴったりに場内の照明が落とされると、モニターに「いきものがかり」の文字が浮かび上がる。ゆっくりとした足取りでステージに現れた3人は「ありがとう」でライブをスタートさせ、吉岡聖恵(Vo)はほほ笑みを浮かべながら優しい歌声を響かせる。「RADWIMPSの皆さん、呼んでいただいてありがとうございます」と感謝を伝えた彼女は「行ってみよー!」と叫ぶと、2曲目に「気まぐれロマンティック」を元気に届けた。

MCではRADWIMPSといきものがかりがデビュー当時の同じ時期に地元のラジオ局であるFm yokohamaでそれぞれに番組を持っていたエピソードが語られる。水野良樹(G)は「僕らの番組は30分で、RADの番組は2時間。『(RADは)年下だっていうのに、なんだよ』なんて思ってたけど、車を運転しているときにラジオから『へっくしゅん』が流れて来て、山下(穂尊 / G, Harmonica)に『負けたな』って言いました(笑)」と振り返り「僕らは音楽の方向性がまったく違うじゃないですか。だけど真逆の場所にいるからこそ、勝手に意識していたというか。自分たちも彼らに胸を張っていられるように、がんばってきました。だからこのイベントに呼んでもらえて、すごくうれしかったです」と感謝した。「一応僕らにも、アップテンポな曲があるんですよ」という彼の言葉からスタートしたパートでは「ブルーバード」「じょいふる」といったキラーチューンがオーディエンスの体を揺らす。吉岡はステージの端から端まで駆け抜けたり仰向けに寝転がったりと、エネルギッシュなパフォーマンスを披露して歓声を誘った。

オーディエンスの大きな盛り上がりを生み出した吉岡は「ライブが始まるまではちょっとヒヤヒヤしてたけど、皆さんが想像以上に優しく受け入れてくれて本当にうれしいです。私たちも来年10周年の節目を迎えるんですが、1歩踏み出す勇気をもらいました」と観客に思いを伝えた。バックバンドのメンバーが去ったステージ上で、水野は「最後に僕らのそのままの姿を見せたいと思います。僕らのデビュー曲を聴いてください。RADWIMPS、10周年おめでとう」と言い、「SAKURA」をプレイする。柔らかな音で空間を満たした3人は客席へ向け深々と礼をして、ステージをあとにした。

オーディエンスの手拍子に迎えられ姿を見せたRADWIMPSは、1曲目からフルスロットルのパフォーマンスを展開。森瑞希と刄田綴色によるツインドラムと武田祐介(B, Cho)のベースから放たれる跳ねるようなビートにリンクするように、ステージ上方の大きなモニターには抽象的なグラフィックの映像がテンポよく映し出され、舞台上を華やかに彩る。会場の熱気は曲数を重ねるごとに高まっていき、野田洋次郎(Vo, G)は会場を見渡して「いいね、お前ら」と笑みを浮かべた。

前日がデビュー10周年の記念日だったことに触れた野田は「昨日は10周年記念日で、それは気持ちのいいものだったけど、もう過去のことだからね。10周年と1日目の今日がすごく清々しいです」と口にした。その後もバンドはバラエティ豊かなナンバーを連投してオーディエンスを楽しませ、野田はバンドのスキルフルな演奏に感情豊かな歌声を乗せる。ピアノやギターを自在に操り、自由にステージを動き回る彼の姿に、観客は熱い眼差しを注いだ。桑原彰(G, Cho)が「時間をかけて、気持ちを込めて作った曲です」と曲紹介した新曲「‘I’Novel」では、野田が朗らかな歌声で温かなムードを会場にもたらす。オーディエンスは両手を挙げてクラップの音を響かせ、彼はこの光景に「キレイだね、ありがとう」と感謝を伝えた。

アンコールではいきものがかりについて語ったRADWIMPS。野田は「いきものがかりは僕らとはちょっと違う場所で、だけど僕らの知らない責任や苦しみを抱えながら、しっかり音楽を届けたいっていう思いを持ってやっている。そんなことを思いながらいつもテレビの中の彼らを観ていたので、今回対バンが実現してうれしいです。これからもRADWIMPSは同志として音楽を鳴らしていくと思うので、よろしくお願いします」と3人に呼びかけていた。

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