メジャーデビュー後初のワンマンライブを地元福岡で行ったのち、この東京公演に臨んだ藤原。多くの観客が待ち焦がれる中、暗転と同時に彼女はバンドメンバーとともに姿を見せた。白いワンピースにカラフルなカーディガンを羽織った藤原は、ステージ中央に置かれたハイチェアに座り「ワン、ツー、スリー、フォー」と穏やかな声でカウントを取ると、アコースティックギターを爪弾きながら「Ellie」でライブをスタートさせた。
深くスモーキーな声で歌い上げる美しい旋律に会場は一瞬で魅せられていく。「こんばんは、藤原さくらです」と手短に挨拶した彼女は、「We are You are」で陽気なムードを醸し出し、「Cigarette butts」で憂いを帯びた悩ましげな歌声を響かせた。曲によっては19歳とは思えない大人びた一面を見せる彼女だが、MCになると等身大の表情に。「すごい! こんなにいるんだ!」「ありがたいよー」と満員のフロアを見渡し笑顔を浮かべる。
この日のライブは、「a la carte」とインディーズ時代に発表したフルアルバム「full bloom」からの楽曲を軸としながら、新曲を5曲披露する充実した内容に。自身を支えてくれる人たちへの感謝を歌った牧歌的な「1995」や、AOR的なアプローチを取り入れた「MaybeMaybe」などがパフォーマンスされ、藤原の豊かな音楽性がオーディエンスにアピールされた。さらにアデルのヒット曲「Rolling in the deep」もカバーされ、オーディエンスを酔わせていた。
「足元の悪い中、遊びに来てくださりありがとうございました!」という言葉に続いてプレイされた「Walking on the clouds」では、観客の楽しげなハンドクラップが藤原の歌声を後押しする。そして彼女は、周囲の人への感謝を歌った「ありがとうが言える」を丁寧に歌い上げて一旦ステージをあとにした。
その後のアンコールでは、彼女の遊び心がさく裂。「せっかくアンコールをもらったので聴いてほしい曲があるんですけど……」と遠慮気味に語った彼女は、「筋肉が好きで、マッチョが好きなんですけど。この前マッチョカフェに行ったんですけど、マッチョに触ることができなかったんです。そのことを歌にしました」と、「ああ、筋肉がほしい」と切実に歌う新曲を眉間にしわを寄せながら熱唱し、観客を笑わせた。「このままじゃ終われないので」と語った彼女は“口直し”とばかりに、軽やかなドラムに乗せて朗らかなポップチューンを観客にプレゼント。そして「ホントに楽しい! デビューして2カ月くらいしか経ってないけど、ホントに大好きなのでこれからもよろしくお願いします!」と元気いっぱいに挨拶したのち、ラストナンバーの「Goodbye」へ。明るく別れを告げる楽曲をもってライブが締めくくられると、この日一番の拍手が満員のオーディエンスから藤原に向けて送られた。
なお藤原は7月21日(火)にカバーを披露するスタジオライブ番組を配信。詳細は追って発表されるので、ファンは楽しみにしておこう。
藤原さくら「bon appetit」
2015年6月26日 渋谷duo MUSIC EXCHANGE セットリスト
01. Ellie
02. We are You are
03. Cigarette butts
04. 1995
05. My Heartthrob
06. Rolling in the deep
07. 嘘つき
08. MaybeMaybe
09. 新曲
10. Just one girl
11. ラタムニカ
12. 愛の街
13. 綺麗な夜
14. Lucky boy
15. Walking on the clouds
16. ありがとうが言える
<アンコール>
17. 新曲
18. 新曲
19. Goodbye
リンク
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