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L'Arc-en-Ciel、最後の国立公演で“新国立”での再会誓う

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L'Arc-en-Cielが3月21、22日の2日間にわたり東京・国立競技場にて「L'Arc-en-Ciel LIVE 2014 at 国立競技場」を開催。この記事では22日に行われた2日目の模様をレポートする。

バンド史上2度目の国立競技場公演となる今回は、2日間で16万人の観客を動員したL'Arc-en-Ciel。初日公演は全国の映画館で、2日目は香港、台湾、イギリス、フランス、アメリカ、メキシコ、ブラジルの映画館で生中継が実施され、各国のファンが見守る中でパフォーマンスが行われた。また初日に続き来場者には「L'ポンチョ」と、リストバンド型ライトFreFlowのL'Arc-en-Ciel版「L'ed」を配布。観客を交えた演出が3時間にわたって繰り広げられた。

日が落ち始めた頃、初日と同じようにメンバーがカプセルに入って登場。yukihiro(Dr)、tetsuya(B)、ken(G)がスタンバイすると、白いベールをまとったhyde(Vo)が優雅な足取りでステージに足を踏み入れる。そして刺激的なデジタルサウンドから1曲目の「CHASE」が始まった。kenはギターをかき鳴らしダイナミックなプレイでオーディエンスを挑発。エンジンをかけるように、ステージを全力で盛り上げていく。またhydeの「さあ始めようぜ!」という宣言から始まった「REVELATION」では観客のコールによって聖火台に火が点く演出が盛り込まれ、バンドと観客の間に一体感が生まれていた。序盤でオーディエンスを特に酔わせたのは、5曲目に披露された「BLESS」。まばゆい光に包まれたhydeがアカペラで歌い出すと、8万人は立ち尽くしたままその歌声にじっと耳を傾ける。吐息混じりの声が競技場に響くと、感嘆の歓声があちこちから上がっていた。

最初のMCでhydeは「ただいま」と改めてファンに挨拶し、「聖火台に火を点けてくれてありがとう。僕のハートにも火が点きました。最後の国立なんで、悔いのないように燃え尽きたいなと思います。みんなも燃え尽きてください」と煽る。「HONEY」「winter fall」と懐かしい曲を披露したあとは、爽快な「NEXUS 4」へ。カラフルな照明と暮れかかった空のグラデーションが解け合い、会場をきらびやかに彩る。そしてスクラッチノイズのようなギターと、yukihiroの軽やかなドラミングから始まる「READY STEADY GO」でオーディエンスのテンションはピークに。この曲ではhydeが「READY?」と呼びかけると、8万人が「STEADY GO!」と叫ぶ光景が見られた。

フロントの3人が退場したあとは、yukihiroのドラムソロコーナーに。彼が叩くさまざまなリズムにあわせてLEDスクリーンに稲妻が映し出され、観客を視覚的にも楽しませた。続いてサブステージでのパフォーマンスに移行し、半球体の白い布の中からメンバーが現れるとどよめきが沸き起こった。ここでのパフォーマンスの口火を切ったのは、妖しげな雰囲気の「metropolis」。L'edが一斉に青く光り海原のように広がる中、hydeはスタンドから伸びる花道で艶かしい声を響かせた。

MCでhydeは「たくさんのてるてる坊主がいるから、今日は晴れたよね」とL'ポンチョを着たオーディエンスを見やり、優しく微笑む。そしてL'edでひとしきり遊んだあと、「オリンピックが決まって、2020年に向けてここが新しくなるんですけど、デザイン観た? めっちゃカッコよくない。あれ、まさに“未来世界”じゃない?」「僕が小さい頃に思い描いてた未来の建物の感じやな。そこを想像しながら歌っていいですか?」と述べ、2020年に思いを馳せるように「未来世界」につなげる。yukihiroの周りをhyde、tetsuya、kenが囲み優しいアンサンブルを響かせ、客席に投影されたイルカのシルエットが楽曲の雄大な世界を引き立てた。しかし続く「花葬」で空気は一変。kenのスパニッシュギターをフィーチャーしたアレンジと、赤く染まったステージの雰囲気によって、楽曲の妖しさが倍増していた。

サブステージでの演奏を終えた4人は、観客に見送られメインステージに移動。メンバーの移動中には、客席にクジラが泳ぐ姿が投影されたほか、スピーカーから水の音やくじらの鳴き声が流れ、それらが次の曲への布石となっていく。そしてkenの爪弾くクリアなギターから「MY HEART DRAWS A DREAM」が始まり、後半戦に入った。このブロックでは「X X X」や「DRINK IT DOWN」のほか、「shade of season」も演奏された。hydeが情感のこもった歌声を披露する一方でyukihiroはタイトなリズムを刻むなど、それぞれのプレイでシリアスな楽曲の世界を引き立ていく。またこの日も新曲「EVERLASTING」が披露され、hydeは「新曲はkenちゃんが作る映画のような、ラルクにしかできない曲がいいなって思ってたんですが、それが20数年バンドをやってるとね……イメージ通りの曲をkenさんが作ってきてくれました」と曲を紹介。同曲ではtetsuyaもギターを持ち、kenとのツインギターで壮大なラブバラードを彩った。

「Blame」で観客を懐かしい気分にさせたあとは、2日連続でkenの下ネタ全開のトークへ。寒さ対策で股間の周辺にカイロを貼っていると言ったかと思えば、あらゆる机の高さは女性の股間と同じ高さにあると熱弁するken。あまりの白熱ぶりにhydeは「エンジンがかかってきた(笑)」と煽り、yukihiroは思わず笑いをこらえきれない様子だが、客席の反応はいまいち。するとkenはヤケクソ気味に「国立」と叫び、観客に「競技場」と返させるコール&レスポンスを敢行する。そしてなかば強制的に「Caress of Venus」に突入していった。

「Driver's High」「Link」を経て、hydeは名残惜しそうに最後のMCを実施。「炎を見ながら歌える場所ってなかなかないから感慨深いです」と聖火台を見つめ、「すごく気持ちよかった。みんなすごいキラキラしてて、1つひとつがステージを作ってるから」としみじみと語る。その言葉に続いてステージ正面のスタンドエリアにL'edの光で作られたL'Arc-en-Cielの文字が浮かび上がり、hydeは「これ人がいないとできないですから」とファンの協力に感謝した。「生まれ変わる前の国立で演奏できてすごく光栄でした。完成したカッコいいところでまたできたらうれしいです。それまでL'Arc-en-Cielは相変わらずかもしれませんが(笑)。でもこういう素敵な光景を観ると、とてもいいバンドだなと再認識してます。それまで皆さんついてきてください」とメンバーを代表してファンに告げた。2日間の締めくくりとして届けられたのは、メンバーからファンへの贈り物のような「あなた」。ステージではミラーボールが美しい光を放ち、客席ではL'edが虹色に変化するなど、競技場内がさまざまな光で包まれる。hydeは途中でイヤモニを外しオーディエンスの合唱に聴き入り、yukihiro、tetsuya、kenも美しい合唱に呼応するように丁寧に楽器を鳴らす。クライマックスでは3万個のバルーンが空に放たれ、hydeの「ラララ」の歌声とともに高く昇っていく。去り際にhydeは「また会おうね」と再会を約束し、tetsuyaは観客との別れを惜しむようにバナナを客席に投げ込んでいた。

なお終演後には、スクリーンで今年12月にドキュメンタリー映画「DOCUMENTARY FILMS~WORLD TOUR 2012~」が公開されることをはじめ、本公演で披露された新曲「EVERLASTING」のリリース、「L'Arc-en-Ciel LIVE 2014 at 国立競技場」の映像化が一挙に告知され、オーディエンスのテンションは再び最高潮に。こうしてL'Arc-en-Cielの2度目の国立競技場公演は、“次”に向かっていることを提示して終幕した。

L'Arc-en-Ciel「L'Arc-en-Ciel LIVE 2014 at 国立競技場」
2014年3月22日 国立競技場 セットリスト

01. CHASE
02. SEVENTH HEAVEN
03. REVELATION
04. GOOD LUCK MY WAY
05. BLESS
06. HONEY
07. winter fall
08. NEXUS 4
09. READY STEADY GO
10. metropolis
11. 未来世界
12. 花葬
13. MY HEART DRAWS A DREAM
14. the Fourth Avenue Cafe
15. X X X
16. shade of season
17. DRINK IT DOWN
18. EVERLASTING(新曲)
19. Blame
20. Caress of Venus
21. Driver's High
22. Link
23. あなた

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