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舞台「エッグ・スタンド」会見で萩尾望都が執筆の経緯を語る、「ポーの一族」も

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舞台「エッグ・スタンド」の製作発表記者会見の様子。前列左から3番目が萩尾望都。

舞台「エッグ・スタンド」の製作発表記者会見の様子。前列左から3番目が萩尾望都。

萩尾望都原作による舞台「エッグ・スタンド」の製作発表記者会見が、本日2月7日に都内にて行われた。

「エッグ・スタンド」は第二次世界大戦中、ナチスドイツ占領下のパリで出会ったキャバレーの踊り子・ルイーズと少年ラウル、そしてレジスタンス活動家のマルシャンを巡る物語。1984年に発表された短編だ。舞台は脚本と演出を倉田淳が務め、劇団スタジオライフにより上演される。

製作発表の前には萩尾と倉田による対談を実施。萩尾は「エッグ・スタンド」を執筆した経緯について、「父と母が戦争を経験している世代なので戦争に興味があった。少しずつ本を読んでいたけど日本を舞台にした作品はあまりにも生々しくて直視できなかった」と切り出す。「20歳過ぎのときに『二十四時間の情事』という映画を観て、非常にショックを受けまして。戦争の悲しみは個々人のうえに落ちてくるものだと感じ、いつかそういう作品を描きたいなと思っていたんです」と振り返った。

またタイトルの「エッグ・スタンド」について、萩尾は「地球や世界自体も非常に不安定なものだから、エッグ・スタンドの上に乗っけて守らなきゃならないんだという、そういう危機感があったんだと思います」と明かす。萩尾に「エッグ・スタンド」の舞台化の許可をもらってから、実現まで長い期間踏みとどまってしまったという倉田は、萩尾の話を聞き「今だからこそ上演させていただく意味がすごく出てきたなと思っています」と安堵の表情を浮かべた。

現在月刊flowers(小学館)にて、「ポーの一族 春の夢」を執筆中の萩尾。同作について話が広がると、萩尾は小説家の夢枕獏が自身と会うたびに「『ポーの一族』の続きが読みたい」と語っていたことを明かす。「ずっと聞いていると、獏さんが言うなら描こうかなという気持ちに洗脳されていくんです。でも絶対にキャラクターも違っているし不安だなと思っていたんだけど、そのうち(自分が)還暦を過ぎまして。『不安だ』と言ってるうちにきっと70になり、80になるんだろうと。そうしたら絶対に描けないなと思って(笑)。『もうしょうがない、描くなら今だ!』と思ったんです」と執筆に至った経緯を明かした。「最初は32枚(にまとめる)と言っていたんですけど、それが40枚になって……。今も続きを描いてますが、単行本1冊でなんとかまとめたいと思います」と展望を口にした。

その後の製作発表では倉田に加え、同作に出演する劇団スタジオライフのキャスト陣も登場。倉田は「(「エッグ・スタンド」は)100ページの短編ですが、ものすごく深い話。いざ人間が登場人物を演じると、新たな発見がたくさんある。第二次世界大戦のパリという舞台でありながら、すごく普遍性があるなと思いました」とコメントし、「人間はどうやって生きていかなければいかないか、何をしていかなければいけないか、ということが深く描かれている。真摯に一言一言大事に取り組ませていただこうと思っております」と思いを述べた。またラウル、ルイーズ、マルシャンを演じるキャスト陣からもそれぞれ原作への愛と意気込みが語られた。

舞台「エッグ・スタンド」は、3月1日から20日まで東京・シアターサンモール、3月24日から25日まで大阪・ABCホールにて上演。舞台ではラウル、ルイーズ、マルシャンの3役を「Noirチーム」「Rougeチーム」のWキャストで展開する。チケットは各種プレイガイドにて発売中。なお3月26日には、本作に関連した「OSAKA SPECIAL EVENT」が行われる。

舞台「エッグ・スタンド」

東京公演

日程:2017年3月1日(水)~20日(月・祝)
会場:シアターサンモール

大阪公演

日程:2017年3月24日(金)・25日(土)
会場:ABCホール

スタッフ

原作:萩尾望都(「エッグ・スタンド」小学館文庫「訪問者」収録)
脚本・演出:倉田淳

キャスト

ラウル:松本慎也 / 山本芳樹
ルイーズ:曽世海司 / 久保優二
マルシャン:岩崎大 / 笠原浩夫
船戸慎士、奥田努、仲原裕之、宇佐見輝、澤井俊輝、若林健吾、田中俊裕、千葉健玖、江口翔平、牛島祥太、吉成奨人、藤原啓児

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