アニメ好きとして知られる著名人に、自分にとって「大切なアニメ」「特別に思い入れのあるアニメ」について語ってもらう連載「私の人生を変えたアニメ」。第5回には私立恵比寿中学の
取材・
「死んじまいなァ」で沖田総悟に恋に落ちる
人生を変えてくれたアニメは、挙げはじめたら切りがないぐらいいっぱいあるんですが、“オタクとしての自分”、と考えると「銀魂」ですね。私は声優の田村ゆかりさんが大好きなので、王国民(田村ゆかりのファンの愛称)としての自分と、オタクとしての自分の間でかなり悩みました。でも初回の(野口)衣織ちゃんのインタビューを読ませていただいて、これはオタクとしての自分をかき乱した作品の話をすればいいんだ!と思って(笑)。そう考えたら迷わず「銀魂」でした。
「銀魂」と出会ったのは中学生のとき。地元の中学校がオタクかヤンキーかしかいないような学校だったんですが、当時すでに芸能活動を始めていたのもあり、道を踏み外すわけにはいかないと思ってオタクが多い美術部に入ったんです(笑)。その美術部の友達に「銀魂」を薦めてもらって、ちょうど再放送がやっていたのを観たのがきっかけでした。兄がいるのでジャンプ作品に触れてなかったわけではないんですけど、厳しめの家庭で育ったので、内容的に避けていたのかもしれませんね(笑)。
推しは沖田総悟さん。真選組の根幹を揺るがす大事件が起きる「動乱篇」というお話があって、そこで沖田さんが反乱した隊士たちを粛正する場面があるんですが、「死んじまいなァ」って言いながら返り血を舐める名シーンがありまして。その瞬間に恋に落ちました。沖田さんってドSだし普段はどちらかというと不真面目な人なんですけど、こんなにカッコいいところもあるんだって、ギャップにやられましたね。
最初に好きになった二次元のキャラクターが沖田さんだったので、その後も似たようなギャップのあるキャラクターを好きになりがちですね。「デュラララ!!」の折原臨也とか……基本的に中二病っぽいキャラクターが好きなんですよね。ファンの人からもよくわかりやすいねって言われます(笑)。旦那にしたいキャラは沖田さんなんですけど、自分の嫁にしたいキャラは折原臨也。ほかにも好きなキャラはいますが、やっぱりここが二大巨頭(笑)。
オタクであることをオープンにできた、「けいおん!」の存在
影響を受けた作品は「銀魂」以外もたくさんあるんですが、「けいおん!」の存在は大きかったです。「けいおん!」のブームがなかったら、自分がオタクであることをオープンにしようとは思わなかったかもしれません。それまでは、アニメは趣味として1人で楽しむものだと思っていて、絶対に周りにバレてはいけないものだったんです。でも「けいおん!」が一般の人にも人気になってくれたおかげで、「アニメが好き」って言いやすくなった。初めてブログでアニメの話をしたのも「けいおん!」だったと思います。女の子のキャラクターだったら大丈夫かなと思って、「澪ちゃんが好きです」って書いたら、ファンの方も喜んでくれて……。アニメを好きって言ってもいいんだ!っていう驚きとともに、すごくうれしかったのを覚えてます。
アイドルとしてかわいい自分でありたいとがんばれているのは、「カードキャプターさくら」を幼少期に見ていたおかげですし、「ヘタリア」にハマってなかったら世界史にも興味なかったし。自分がオタク気質だと知れたきっかけが「銀魂」だったというだけで、ほかにもいろんな作品から、たくさんのことを学んできたので、今の私があるのはたくさんのアニメのおかげです。
「ウィンブレ」蘇枋隼飛のアクスタは飾りたい
ここ最近ハマっているのは「WIND BREAKER」ですね。私、基本的にグッズは飾らずに未開封のまま保管するタイプなんですが、そんな私が珍しく「アクスタ飾りたい!」って思ったのが蘇枋(隼飛)くんです。蘇芳くんは暴風林の中で唯一大人っぽい感じのキャラクターで、中国拳法を使いこなす姿がカッコいいんです。沖田さんや臨也みたいな中二病っぽいキャラではないんですけど、ビジュアルが好きで……(笑)。
実は学校を卒業してからは、グッズを買うのをできるだけ控えていたんです。グッズを身の回りに置くことが、仕事の邪念につながるような気がして。どうしてもほしくて買っても、すぐに実家に送っていました。でも蘇枋くんのおかげで、久しぶりにグッズを買う楽しさを思い出しちゃいましたね。今まであんまり手を出してなかったコラボ系のグッズも欲しくなっちゃって(笑)。でも昔と比べたら厳選できるようになりましたよ。学生時代は本当にグッズ厨だったので、床が抜けるほど買ってました(笑)。
昔は自分だけのオアシスだったアニメが“共通言語”に
今と昔でアニメに対する考え方はけっこう変わりました。昔は自分だけのオアシスでした。自分だけが好きでいられる場所だったし、アニメを見てるときだけは自分を肯定してもらっているような気持ちになれた。自分はアニメのおかげで生きられるなって思ってました。でも最近は共通言語だなと思います。うちの年下のメンバーとも「鬼滅の刃」の話はジェネレーションギャップなく話せますし、ただ1人で楽しむだけのものじゃなく、世代を超えていろんな人と好きな作品について話せるようになったなと思います。
それに今までずっとアニメを大事にしてきたことが、今はいろんな形でお仕事につながっている。こういったインタビューもそうですし、主題歌をやらせていただいたり、声優をやらせていただいたり。だから今は、アニメは人と交流するためのツールだなと思ってます。自分の大好きなものを通して、いろんな人と交流ができるのってこんなに素敵なことなんだって。世代を超えて楽しめるのがアニメの素晴らしいところですね。
でも私はもともとものすごい人見知りだったので、すごい成長したなって思います(笑)。最近、大好きな「KING OF PRISM」の新作が劇場公開されて、入場特典がランダムなので集めてるんですけど、交換とかできなくて、ただひたすら孤高に集めてるんですよ(笑)。本当はみんなでハマってみんなで交換したりしてみたいんですが、いまだに映画館には人の少ない時間を狙って行くし、オタ活してる瞬間を他人に見られたくないって思っちゃうんですよね。推しを見ているときの顔を見られたくないというか……。たまに番組とかで、アニメを見ている姿を配信してもらうこともあるんですけど、そういうときも本当の自分はさらけ出せてないです。ちょっと演技しちゃいます(笑)。
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裏本田・柴志朗(鈴木達也) @ssurahonda
「『けいおん!』が一般の人にも人気になってくれたおかげで、『アニメが好き』って言いやすくなった。初めてブログでアニメの話をしたのも『けいおん!』だったと思います。」
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