本作は、
濱マイクは、神奈川県横浜市にある映画館の2階に探偵事務所を構える、いつも金欠の私立探偵。幼い頃に姿を消した母・リリーのうわさをつかんだマイクは、妹・濱茜に内緒でリリーに会いに行き……。
作中では、歌やダンス、アクションが織り交ぜられた物語が、テンポ良く進む。舞台下手側で、佐藤扮するマイクと長田扮する杉本たちが死闘を繰り広げる傍ら、上手側では、ジャジーな音楽に乗せて凰稀扮するリリーが妖艶に踊るなど、いつどこを切り取っても絵になる構図が観客の目を楽しませる。また、ジェットスキーに乗ったマイクが敵に追われるシーンでは、佐藤らキャストたちがジェットスキーのハンドルを模した小道具を持ちながら、ダンスのようにステップやターンをすることで、波がうねる中で繰り広げられる水上チェイスのスリリングさを伝えた。
佐藤が2021年から演じているマイクは、表向きはぶっきらぼうだが、情に厚いキャラクター。相棒・星野に対する「金貸してくれないか?」というセリフを会話の中で流れるように発する佐藤は、マイクの調子の良さをごく自然に伝える。しかし、マイクの大事な妹・茜の友人の周囲に、警察もヤクザも手出しができない“白い男”の手が及んだことを知る場面では、佐藤は血相を変えて走り出し、危険を顧みずに仲間を助ける、真っすぐで熱いマイクの性格を表現した。
開幕直前取材には、メインキャスト10名と西田が登壇した。佐藤は「キャストのみんな、スタッフの皆様、原作の海象監督、演出の西田さん……全部ひっくるめると、稽古期間に皆さんと計6回もんじゃ焼きを食べに行きました。“もんじゃ焼きと共に歩んできた1カ月間の集大成”を、カリッとこんがり焼いて皆さんにお見せしたい所存です」とおちゃめに意気込む。司会者から30歳を迎えて1作目の舞台に立つ心境を問われると「あまり気負わず、いつもと変わらず最高のパフォーマンスで皆さんをお迎えしたい」とスタンスを明かす。
矢部は「前作よりパワーアップした作品になっています」とアピール。小泉は「今回も観客の皆さんと同じ目線で、登場人物のみんなを見守れたらいいな」、七木は「再び濱マイクの世界に戻ってくることができてとても幸せ」とそれぞれ心境を述べる。長田は「シリーズ初参加となるので、新たな空気を作れるようにがんばりたい」、八木は「メリーは私が今まで演じた役の中で一番大人な女性なので、新たな挑戦」と意気込む。井澤は「(自身が演じる)山口に関しては、映画にないシーンが追加されているので丁寧にお届けできたら」、なだぎは「原作映画で中山刑事を演じた麿赤兒さんのように渋く、ちょっと嫌味ったらしく、ねちっこいキャラクターになれたら」と注目してほしいポイントを語った。
凰稀は「西田さんの舞台は盛りだくさんなので、ケガに気を付けて千秋楽まで届けていきたい」とあいさつし、大浦は「皆さんの想像を超えたものが作られていると思います。ぜひご期待ください」と呼びかけた。西田は「うそ偽りなく、素晴らしいキャストのみんなにそろっていただきました。林海象監督が作った映画には、今の時代にも通じる、人が人を思う美しい気持ちが込められている。みんなでリスペクトして作り上げました」と言葉に力を込めた。
最後に、佐藤は「お芝居はもちろん、歌、ダンス、殺陣、アクションあり、笑いあり、涙あり、自分が舞台で観たいと思うポイントがたくさん詰まった作品です。早く見せたくて仕方ないほど、素晴らしいものに仕上がっています」と話す。濱マイクというキャラクターに関して、相棒役としての目線で見どころを問われた矢部は「流司くんがカッコ良すぎる! それだけです」と力強くアピールした。
上演時間は約2時間15分。東京公演は2月11日まで行われ、その後、本作は15・16日に大阪府 COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール、22・23日に愛知県 ウインクあいちで上演される。なお、8月6日には本作のBlu-rayが発売される。
私立探偵 濱マイク-遥かな時代の階段を-
2025年2月6日(木)〜2025年2月11日(火・祝)
東京都 サンシャイン劇場
2025年2月15日(土)・16日(日)
大阪府 COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
2025年2月22日(土)~2025年2月23日(日・祝)
愛知県 ウインクあいち
スタッフ
出演
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