舞台「千と千尋の神隠しSpirited Away」の製作発表が、昨日2月29日に東京都内で行われた。
これは、
会見には、千尋役の
松岡代表取締役社長は海外公演の開催に際し「東宝にとって最も重要なプロジェクトの1つ。ありがたいことに他国の製作者からも多数お声がけいただいています。これからの展開を考えたい」と明かす。過去にも日本で舞台を手がけてきたケアードは「多くは海外の作品を日本に持ってくる形でしたが、今回は日本から世界へ作品を紹介できる。才能豊かな皆さんとご一緒できる機会を与えてくれてありがとう」と上演の喜びをにじませる。また今井は「舞台『千と千尋の神隠し』は、困難があっても協力して乗り越えられると思わせてくれる作品。今回も期待しています」と微笑む。さらに初演の際、北海道公演を観劇したというギリー最高経営責任者は「絶対にロンドンに持って行きたいと思った」と当時を回顧し、「ロンドンでは券売が大変好調で話題になっている。上演がとても楽しみ」と期待を寄せた。
「私にとってかけがえのない作品になった」と初演を振り返る橋本は「ジョンの演出が驚くほど毎日違う(笑)。進化の瞬間に立ち会えるのが幸せ。今回も期待を裏切らない作品になる」と出来栄えに自信をのぞかせる。上白石は「街で10歳くらいの子を見かけると目で追ってしまう。千尋を演じていないときでも子供の所作を研究してしまう自分がいます」と笑い、「素晴らしいストーリーを伝えることに徹し、大切に千尋を演じたい」と抱負を述べる。新キャストの川栄は、上白石演じる千尋を観た感想を「『本物の千尋がいる』と鳥肌が立つほど感動した」と言い、「出演に喜びも不安もある。2人からたくさん教わりたい」と橋本、上白石に視線を送る。同じく新キャストの福地は「まだ千尋としてこの作品に参加できることが不思議でたまらない。稽古場という一番良い席で生の千尋を観て、たくさん学びます」と話した。
初出演の不安をそれぞれ打ち明ける川栄と福地に、橋本は「大丈夫だよー!」と声をかける。上白石は橋本の言葉にうなずきながら「私もこれで初演を乗り切りました。橋本環奈の『大丈夫だよ』は効きます(笑)」と続け、記者たちを和ませた。
醍醐は「千尋役の皆さんの大きな背中を間近で見られることを誇りに思う。今回も胸を張って精一杯演じたい」、三浦は「昨年の公演で“卒業宣言”しましたが、さまざまな奇跡が起きて出演します。日本の作品を海外に持っていくのが夢だったので、実現できてうれしい」と心境を語る。また新キャストの増子は「僕は辰年で、今年は年男。それに宮崎駿監督と同じ誕生日なので、ハク役への運命を感じます。竜のように天高く舞い上がれたら」と意気込んだ。
小尻は「こんなに多くのキャストがいる現場は初めて。カオナシの怖さやチャーミングさなど、いろいろな面を見てほしい」と観客に呼びかけ、中川は「皆さんの息遣いやエネルギーから、映画とはまた違ったキャラクターの人間性や愛を感じます」と稽古の充実ぶりをのぞかせる。また初演時はアンサンブルで、昨年の公演からカオナシを演じる山野は「全員で作っている感覚が強い作品。カオナシという1つのピースを誠心誠意演じたい」と言葉に力を込めた。
妃海は「縁あって油屋に再就職します(笑)。カンパニーの皆さんへの尊敬が高まり、家に帰っても興奮で眠れない。この気持ちをロンドンに持って行きたい」、華は「心を込めて日本とロンドンの皆様にお届けしたい」と意気込みを語り、初出演の実咲は「セットやパペットの細部にこだわりを感じました。自分にしか出せない味のリンと千尋の母を演じたい」と顔を輝かせる。また記者が「自身が演じる役どころにキャッチフレーズを付けて」とリクエストすると、妃海、華、実咲がいずれも宝塚歌劇団の娘役出身であることにちなみ、「“清い”リン」(妃海)、「“正しい”リン」(華)、「“美しい”リンです!!」(実咲)と次々に回答し、会場を笑いで包んだ。
初演から釜爺役を務める田口は「これほど国際的な公演になるとは夢にも思わなかった。感謝しています。楽しみます!」と期待を口にし、初参加の宮崎吐夢は「帝国劇場も、ロンドン公演も、Wキャストも、東宝さんの舞台も初めて。“初々しい、もぎたての釜爺”をお届けします」と気合い十分に述べた。
羽野は、銭婆の「魔法で作ったんじゃ何にもならないからね」というセリフを挙げて「夢のような舞台ですが、やっているみんなは手探り、手作り。ぜひその軌跡を劇場で観て」とコメント。過去にケアードのワークショップに夏木と共に参加したという春風は「マリさんと同じ役をやれる奇跡に感動しています。全力のエネルギーで演じたい」と意欲をのぞかせる。映画「千と千尋の神隠し」で湯婆婆 / 銭婆の声優を務めた夏木は「ジョンが『皆さん、映画のモノマネはしないで』と言ってくれたおかげで、苦労しながらも舞台版の湯婆婆 / 銭婆を作ることができた」と過去公演を振り返り、「“従業員”が増えました。しっかり働きます!」と笑顔を見せた。
なお本日の会見で夏木により代読された、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーからのコメントは以下の通り。
鈴木敏夫コメント
初演から早や2年、「千尋」が帰ってきました。
今年、2024 年は「甲辰」(きのえたつ)の年に当たります。
甲辰には、「新しいことに挑戦して成功する」という意味があるそうです。
今回、千尋を演じる川栄李奈さん、福地桃子さんをはじめ新たなキャストを迎え、
演劇の本場ロンドンでも公演が予定されているとのこと。
単なる再演ではなく、まさに新しいことにチャレンジし続ける「千尋」。
私も楽しみにしています。
皆さまも是非お楽しみください。
舞台「千と千尋の神隠しSpirited Away」
2024年3月11日(月)〜30日(土) ※公演終了
東京都 帝国劇場
2024年4月7日(日)〜20日(土) ※公演終了
愛知県 御園座
2024年4月27日(土)〜5月19日(日) ※公演終了
福岡県 博多座
2024年4月30日(火)〜8月24日(土) ※公演終了
イギリス ロンドン・コロシアム
2024年5月27日(月)〜6月6日(木) ※公演終了
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール
2024年6月15日(土)〜20日(木) ※公演終了
北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru
スタッフ
原作:
翻案・演出:
共同翻案:今井麻緒子
出演
千尋:
ハク:
カオナシ:森山開次 /
リン / 千尋の母:
釜爺:
湯婆婆 / 銭婆:
兄役 / 千尋の父:大澄賢也 / 堀部圭亮
父役:吉村直 / 伊藤俊彦
青蛙:おばたのお兄さん / 元木聖也
頭:五十嵐結也 / 奥山ばらば
坊:武者真由 / 坂口杏奈
湯屋組:新井海人 / 桜雪陽子 / 大重わたる / 折井理子 / 今野晶乃 / 澤村亮 / 末冨真由 / 高橋莉瑚 / 竹廣隼人 / 知念紗耶 / 手代木花野 / 中上綾女 / 西宮ゆうき / 花島令 / 藤岡義樹 / 萬谷法英 / 水野栄治 / Miffy / 森田茉希 / 保野優奈 / YAMATO
油屋組:安部萌 / 彩橋みゆ / 犬飼直紀 / 井上実保奈 / 遠藤令 / 大山五十和 / 小川莉伯 / 小熊綸 / 梶田留以 / 川島大典 / 角田萌夏 / 西田健二 / 西村雄光 / 原広実 / 広瀬斗史輝 / 福島玖宇也 / 藤咲みどり / 堀田聖奈 / 村岡哲至 / 桃菜 / 森淑乃 / 吉野菜々子
※宮崎駿の「崎」は立つ崎(たつさき)、小尻健太の「尻」はしかばねに丸、朴ろ美の「ろ」は王へんに路が正式表記。
※初出時、キャプションの人名に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
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