涙ぐむ鈴木壮麻を川平慈英・長野博・松岡充がハグ…「Forever Plaid」ファイナル開幕

「オフ・ブロードウェイ・ミュージカル『Forever Plaid（フォーエヴァー プラッド）』」が、明日5月14日に東京・よみうり大手町ホールで開幕。これに先駆け、本日13日にゲネプロと取材会が行われた。

「Forever Plaid」は、スチュワート・ロス脚本によるオフブロードウェイのコメディミュージカルで、日本では2013年に初演、2016年に再演された。今回は、2020年に上演予定だった“ファイナル”の延期公演として、過去公演に続き、演出を板垣恭一が務め、川平慈英、長野博、松岡充、鈴木壮麻が出演する。

劇中では、高校の同級生4人が結成したコーラスグループ・Forever Plaidの物語が展開。夢に向かって奮闘してきた彼らは、初めてのビッグショーの会場に向かう途中で交通事故に遭い、全員が命を落としてしまう。彼らは、実現できなかった自分たちのライブステージを成功させるべく、一晩だけ地上に舞い戻り……。

取材会には、川平、長野、松岡、鈴木が出席。本公演に向けた思いを、川平は「同じメンバーでの再演は、疑いの余地もなく確信していました。明日初日を迎え、確信が現実になるのがうれしい」、長野は「舞台公演を実施すること自体が難しい2年間でしたが、上演を通して『やっぱりエンタメって必要だな』と思っていただきたい」と語る。

松岡は「一度失いかけたものを取り戻すんだ、という強い気持ちで稽古を重ねてきました。この先も何が起こるかはわかりませんが、それでも諦めず、1公演1公演大事に取り組んでいきたい」とコメント。鈴木は「まず再演にたどり着けたことに、とても感謝しています。この2年間、演じる側も観てくださるお客様も、いろいろな経験をしてきたかと思います。両者ともに笑顔を持ち帰れるような舞台にしたい」と思いを述べた。

司会が、今回がファイナル公演であることについて触れると、川平は「ファイナル2があるかもしれない……というのは冗談で（笑）、泣いても笑ってもファイナルです。有終の美を飾りたいですね」と話す。さらに「中止公演の稽古も合わせると、これまで4回上演を完成させてきているので、ハーモニーのレベルは確実に上がっています。リピーターの方も初めての方も、心地よく聞いていただけるのでは」と自信を見せた。

またメンバーについて、川平が「本当に兄弟のような存在。2020年の公演が中止になってからしばらく会っていなかったのですが、稽古初日、一瞬にしてそのブランクは消えましたね」と語ると、感極まった鈴木の瞳に涙が浮かぶ。それに気付いた川平は「おいおい、泣いてるぞ（笑）」と声を上げながら、長野、松岡と共に鈴木に駆け寄り、4人で熱い抱擁を交わす。鈴木は「『今日で終わるんじゃないか』と思いながらも稽古を重ねてきました。そうやって4人でハーモニーを作ってきた瞬間瞬間が愛おしくて……。今日が千秋楽なんじゃないかってぐらい気持ちが昂ぶっています」と涙ながらに語った。

観客に向けたメッセージを求められると、鈴木は「これまでの9年間の熱い思いと感謝をぶつけて、笑顔をお届けしたい」、松岡は「上演が終わったあと、もう一生ステージに立てないとしても悔いが残らないよう、1回1回やっていきたい」、長野は「この4人での『Forever Plaid』は、これが最後です。ぜひ会場に会いに来ていただきたいですし、僕らも悔いのないよう楽しみたい」と述べる。

最後に川平は「『Forever Plaid』は、本当に楽しくて面白くて、カッコよくて、やんちゃで、憎めなくて、おもちゃ箱をひっくり返したような素晴らしい作品です。その素晴らしさを、お客様1人ひとりと最高のレベルで共有できるはずなので、皆さんを劇場でお待ちしています！」と言葉に力を込め、取材会を締めくくった。

上演時間は約1時間50分。東京公演は5月31日まで。その後、神奈川・宮城・山形・大阪・広島・福岡・石川・愛知で上演され、6月30日に東京・よみうりホールで東京凱旋公演が行われる。