本作は、
出演者には、木母千尋、
鳴海康平コメント
ロシアの巨匠・チェーホフは「桜の園」を120年近く前に書き上げ、この作品がモスクワ芸術在で初演された年に、44歳で亡くなりました。「桜の園」が彼の最後の戯曲であり、病床においても推敲を続けたと伝えられています。初演以降、現在に至るまで、世界中で上演され続けている名作です。
私たちが今年「桜の園」を製作上演する理由は、これまで彼の四大戯曲のほかの3作はすでに製作していて、最後の作品に取り組みたいと感じていたこともひとつですが、「桜の園」で描かれている主たるモチーフが、さまざまな世代にとっての「過去・現在・未来」であるという点に、私は強く惹かれました。
この作品では10代から80代までの人物が登場します(演じる俳優の実年齢は異なりますが)。それぞれが過去に対する態度、現在の苦悩と幸福、未来への期待を示しており、それらはまったく異なります。当然といえば当然ですが、私たちはときにそれを忘れがちです。価値観の多様性には、世代的な意味も含まれています。
特に私のような世代(40代)は、自身の幸福追求と知見の蓄積と諦観が入り交じるという意味で、過ぎ去った若い輝きや幼さ、行く末である老いと終焉、同世代の中でのギャップなど、「桜の園」の人物たちの振る舞いに、さまざまな思いが去来します。その思いを舞台の上に表したいと考えました。
今回も、世界的に活動する希有な県立劇場「静岡県舞台芸術センター(SPAC)」の協力を得るとともに、金沢21世紀美術館、宮崎県立芸術劇場、そして三重県文化会館という、これまで培ってきた公立劇場とのネットワークを活かし、第七劇場にしかできないツアーを実施します。大変な時世、情況ではありますが、多くの方にご来場いただければと切に願っています。
第七劇場「桜の園」
2021年10月9日(土)・10日(日)
三重県 三重県文化会館
2021年10月16日(土)・17日(日)
石川県 金沢21世紀美術館 シアター21
2021年12月18日(土)・19日(日)
宮崎県 メディキット県民文化センター 演劇ホール
原作:
構成・演出・美術・訳:
出演:木母千尋、
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ステージナタリー @stage_natalie
鳴海康平率いる第七劇場、三重・石川・宮崎の国内3都市ツアーで「桜の園」に挑む(コメントあり)
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