浦井健治が芥川賞受賞作を声で表現「リスナーと1対1の臨場感を」

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「スクラップ・アンド・ビルド」を浦井健治が朗読した音源が、本日7月20日からAudibleにて配信開始。この収録現場で取材が行われた。

浦井健治

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Audibleは、Amazonによる定額制の音声配信サービス。オーディオブックのほか、オリジナル脚本のドラマやコミックなどのコンテンツを月額1500円で自由に楽しむことができる。このたび浦井はその一環として、第153回芥川賞を受賞した羽田圭介の小説「スクラップ・アンド・ビルド」の朗読に挑戦。本作では介護問題に焦点をあて、主人公の青年・健斗と要介護の祖父との関係性が描かれる。

取材に応じた浦井は、小説の印象について「家族間の問題だけでなく、今実際に日本で起こっていること、問題視されていることが組み込まれている小説なので、読んでいてとても刺激的。こういう視点もあるのか!と読みながら学んでいます」と興味深い様子で述べた。

2015年に上演された「ラヴ・レターズ」などで朗読劇の経験はあるが、1冊の本を通して1人で朗読するのは今回が初という浦井。緊張の面持ちを覗かせながらも「『朗読』ということで、リスナーと1対1で対峙して読み聞かせをしているように心がけました」とポイントを明かす。さらに「読むときに頭の中で登場人物の声が聴こえてくることってありますよね。原作ものを舞台化するときと同じように、リスナーの方が想像していたキャラクターの声と差異がないかどうかに気をつけて、がっかりさせてしまわないように注意しました」と収録を振り返った。

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また朗読と舞台との違いを問われ、浦井は「形は違えど、プレイヤーとして作品のメッセージを届けるというのはどちらも同じこと。熱量も変わらなければ、挑み方も一緒です。作者の方や、この作品を愛されている読者の方に失礼のないように取り組んでいます」と真摯に語り、「通常の朗読劇は稽古をして本番に挑むものですが、自分の身体に(セリフが)馴染みすぎるとエゴが出てしまうと感じたので(セリフが自分に馴染みすぎないように)ギリギリのところで演技をしていました。逆にセリフがしっくりこともあって、悔しい思いもしましたが……」と苦労を明かすひと幕も。

また8月3日に初のソロアルバム「Wonderland」がリリースされることや、ドラマなど各方面での活躍については、「今までお世話になった人や支えてくれた人たちといろいろなフィールドで(作品を)作っていけるというのが一番うれしいことですね。『次は浦井にこういうことをやらせてみよう』と常に思ってもらえる役者でありたいです」と意欲をあらわに。「ありがたいことに今は休みがあまりないですが……今こそやるべきときだよ自分!という気持ちでいますね(笑)。リフレッシュは……お風呂に入ったりコーヒーを飲んだりすることかな」とおどけた表情を見せる。

そして最後に浦井は「(朗読を聴いた人が)自分で小説を読んでいるような臨場感を楽しんでもらえたらうれしいです」と、笑顔でリスナーにメッセージを送った。

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今週もやっぱり禁断症状 @kindan_J

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