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乃木坂46初劇場公演は試練の連続、生田&生駒が本音語る

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乃木坂46の初劇場公演「16人のプリンシパル」が9月1~9日、東京・渋谷PARCO劇場で行われた。

この劇場公演は、第1幕で出演メンバーの楽曲披露や自己PR、ダンス審査を行ったのち、休憩時間に観客の投票により第2幕に出演できる16人メンバーおよびセンターポジションを決定するという趣向。今年8月には大阪と名古屋で初の単独コンサートを行った乃木坂46だが、公式ライバルであるAKB48のように専用劇場を持たない彼女たちにとってこれが初の本格的な劇場公演とあって、開催発表後から大きな注目が寄せられていた。

8月31日に行われた記者会見では生駒里奈が感極まって会場から走り去るというハプニングもあったが、翌9月1日の公演初日には予定どおり出席。乃木坂46のメンバーは第2幕に行われるミュージカル「アリス in 乃木坂」の主役・アリス役を、歌やダンス、個性的な自己PRで競い合った。この日の投票で見事アリス役を勝ち取ったのは生田絵梨花。以下、高山一実、白石麻衣、松村沙友理、西野七瀬、橋本奈々未、生駒里奈など選抜メンバーが名前を並べる中、齋藤飛鳥や衛藤美彩といったアンダーメンバーが16位内にランクインし会場を沸かせた。一方、上位16人以外のメンバーは第2幕に入る前にステージを後にする。また選ばれた16人は投票結果により配役が変わることから、事前に16役分の振りやセリフを覚えておかなければならない。こうして彼女たちにとって精神的にも肉体的にも過酷な9日間の幕は開けた。

4日の公演ではそれまで1位を独走してきた生田が2位になり、高山が初のアリス役に選出。翌5日の公演では再び生田が1位に返り咲き、6日の公演で今度は白石が初めて1位に選ばれアリス役を演じた。そして7日の公演では高山がアリス役を再び務めるなど、その日のダンスや自己PRの出来によって各メンバーの順位は激しく上下した。そんな中、初日から7位、10位、8位、8位、6位、6位とじわじわと順位を上げていた生駒が6日の公演中「千秋楽までにアリス役に上り詰めたい」と涙ながらに宣言。翌7日の公演では4位、9日の第1公演では3位に上昇し大反響を呼んだ。さらに足の怪我が発覚した伊藤寧々が4日から休演するアクシデントも発生。1日として同じ内容、キャストが存在しない、日々変化を繰り返す公演が連日にわたって続いた。

そして迎えた9日17:00からの千秋楽。この回の自己PRでは各メンバーの本音がこれまで以上に表れ、まだ一度も16位内に入ってないメンバーは真剣に「私に最後のチャンスをください」と観客に訴えかけた。また市來玲奈は「自分に自信がなくて、今朝家で泣き叫んだ」、永島聖羅は「もう一度ショーに出たい。もっと輝きたい」と吐露。生駒は「自分は運と運命でここまで来た。これからは自分の道を、自分の努力で切り開いていく。もう甘えるだけでなく、自分に厳しくなりたい」と語るなど、それぞれ自分自身の言葉で思いを観客に伝えていった。

観客による投票を終えると、いよいよ結果発表に突入。ステージ上にはこの日の出演メンバー29人が横一列に並び、上位16人に選ばれた者だけが一歩前に進む。千秋楽でのアリス役を獲得したのは生田。2位には橋本、3位には高山が選ばれ、千秋楽までに1位を取りたいと宣言した生駒は7位という結果に終わった。このあとのマイクチェックで生駒は「この公演中いろいろ騒ぎを起こして、心の中でいろいろ思ってることもあるけど、一番のドードー鳥役だったと言われるようなパフォーマンスをしたい」と、投票したファンに向けて挨拶した。また千秋楽ではそれまで16位内に入ったことのなかった星野みなみ、宮澤成良が初ランクイン。2人とも驚きを隠せない様子で、特に宮澤は涙ながらにファンに感謝の言葉を送った。こうして選ばれた16名は最後の「アリス in 乃木坂」を熱演。アリス役の生田は堂々とした演技で観客を魅了した。最後の楽曲「左胸の勇気」が終わると、これまでの公演では起こらなかった観客のスタンディングオベーションで舞台は閉幕。ステージ上の16人に対し幕が閉じる最後の最後まで惜しみない拍手が送られた。

アンコールに入る前に、残念ながら舞台には出られなかった17位の大和里菜がファンに挨拶。彼女は「9日間一度も16人に入れなくて、ある意味伝説を残してしまったなと……でも悔しいです。この悔しさをバネにこれから全力でがんばっていくので、皆さん見守っていてください」と目に涙を浮かべて語った。そして幕が再び開くと、ステージ上には制服に着替えた乃木坂46のメンバー29人の姿が。彼女たちは笑顔で「ぐるぐるカーテン」「おいでシャンプー」「会いたかったかもしれない」をパフォーマンスした。3曲を披露したところで、キャプテンの桜井玲香が「なんか、まだ盛り上がりが足りなくない?」とメンバーに話しかけると、さらにもう1曲「走れ!Bicycle」を歌唱。客席もこの日一番の盛り上がりを見せ、最高潮の中ミニライブは終了した。

全ての演目を終えたステージ上のメンバーは、満足げな表情を見せる。生駒が「終わっちゃったー」と言うと、桜井は「9日間いろいろあったねえ。今回の公演は31人でがんばったんだけど、寧々は怪我してるのに練習でもバク転するんですよ。それで楽屋に戻ると痛いって言って足を冷やしていて」と公演を振り返った。すると、4日まで公演に出演した樋口日奈と休演中の伊藤寧々がステージに登場。観客へのメッセージを求められると、伊藤は「ご心配をおかけして申し訳なかったです。悔しさいっぱいで最初は泣いちゃったんですけど、今日は無事に……って無事じゃないか」と涙交じりにコメント。樋口は「最後にみんなと一緒に挨拶できてうれしかった。みんなの思いがぎっしり詰まった公演になったと思います」と挨拶した。

そして桜井が「いやあ……つらかったよなあ……公演期間中、何度もメンバーやスタッフさんとぶつかり合って。でもこうやって一緒に泣いてくれるファンの方もいて、お父さんみたいに見守ってくれる(笑)」と改めて公演中を回想。続けて「1年前の私たちは普通の女の子だった。でも今、私たちの周りには私たちをきっかけにアイドルに興味を持ってくれた人や、AKBさんやSKEさん、NMBさんのファンの人とか(笑)、いろんな人がいて、そういう人たちに支えられています。これからも一緒に乃木坂46を作っていってくれたらうれしいです。9日間支えてくれてありがとうございました!」と挨拶して、9日間にわたる初の劇場公演を締めくくった。

なおナタリーでは最終公演終了後の生田と生駒を直撃し、初の劇場公演を終えた率直な感想を語ってもらった。

生田絵梨花 コメント

──投票数によって配役が決まるというシステムを最初に聞いたときの印象は?

まず16役全部を覚えなきゃいけないので、「これ本当に初日までに仕上がるのかな?」っていうことが不安で。常にいろんなことに追われてる感じでしたね。

──そんな中、9月1日の初日でいきなり生田さんがアリス役に選ばれました。

まさか自分が選ばれるとは思ってなかったので本当にびっくりして。最初は「私なんかで大丈夫かな?」って自信がなかったです。

──そこから何回かアリス役を演じていくうちに、自信は芽生えたんですか?

自信……とは違うけど、だんだんアリスに愛着が湧いてきて、自分なりにこういう動きをしてみようとか工夫をするようになっていって。この舞台を、観る人に楽しんでもらいたいなって気持ちが強くなってきて、そこからは役になりきって思いっきりやるようにしました。

──自己PRも自分で考えた?

そうなんです、本当に大変でしたよ!(笑) 毎晩リビングで家族に見せながら練習して、「ここはもうちょっとこうしたほうがいいよ?」って言われたりして。

──初公演が終わったばかりですが、もし今後こういう形の公演があるとしたらどうですか?

これを毎日のように続けるとなると正直キツいですよね。でもこの公演は自分たちの成長にもつながったと思うし、これからのバネにもなったと思う。この結果が全てというわけではないし、次につなげていくためには良かったかなと思います。

生駒里奈 コメント

──初の劇場公演、なんとか終わりましたね。

練習と合わせて2週間くらいだけど、長かったようで短かったなあ。

──それにしても16人分の役をよく1週間で覚えましたね。

……疲れた(笑)。本当に疲れた。何回も追い込まれたし、いろんなことを考えた9日間でした。

──でも公演中どこかのタイミングで吹っ切れましたよね。

うん、吹っ切れました。でも(9月6日の公演中、マイクチェックの際に)最終日までにアリス役をやりたい宣言をしたんですけど、あれを言ったあとにすごく後悔したんですよ。「なんで自分、あんなこと言っちゃったんだろう?」って。

──それはどうして?

最初はみんなアリス役を目指してがんばってたけど、これはアリス役になるためにがんばる公演じゃなくて、この先にもたくさんあるだろう壁のひとつなんじゃないかって気付いて。だからそこまでアリス役にこだわらなくてもいいんじゃないかと思ったんです。それにうちはずっとセンターの立場しかわからなかったけど、今回いろんな役をやってそれぞれのポジションでの役割もわかって。いろいろ世の中の評判とかも知ってるわけで(笑)、だから大体(自分の順位の)予想もしていて、1位じゃないからイヤだとかそういうのはなくて、ただ日に日に票が増えていったことが単純にうれしくて、「少しずつ認めてもらえたのかな」って思いました。

乃木坂46「16人のプリンシパル」2012年9月9日(日)千秋楽 セットリスト

<第1幕>
01. 乃木坂の詩
--ダンス審査および自己PR--
02. 心の薬
--ダンス審査および自己PR--
03. 蕾たち
04. 乃木坂の詩

<第2幕「アリス in 乃木坂」>
01. 白い雲にのって
02. せっかちなかたつむり
03. 走れ!Bicycle
04. Beginner
05. 左胸の勇気

<アンコール>
01. ぐるぐるカーテン
02. おいでシャンプー
03. 会いたかったかもしれない
04. 走れ!Bicycle

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