日本映画専門チャンネルのオリジナルショートドラマ「こころ」の特別先行上映イベントが本日11月23日に東京都内で行われ、ダブル主演を務める
「意識したのは共鳴すること」
12月8日にオンエアされる「こころ」は、文豪・夏目漱石の名作「こゝろ」から着想を得て制作されたショートドラマ。大学最後の夏、小説家志望の「私」は、「彼女」を唯一の親友であった「彼」に引き合わせる。そのうちに3人は心が打ち解け合う仲間になったが、その一方で金銭的な問題から彼と同棲をしていた私は、次第に彼の心の奥にある本当の彼を知ることになり、3人の心情は徐々に変化していく。草川は「私」を、樋口は「彼」を演じ、「彼女」役は夏子が務める。
大きな拍手に迎えられ、作品上映後の会場に姿を見せた草川は「こんなに素敵な作品に関わらせていただくことができて光栄です」と挨拶。樋口は「僕にとってもそうですし、皆さんにとっても素晴らしい作品になったのではないかと思います」と、中川監督は「もう僕は2人のことが大好きになってしまって。こういう場で3人で話せることがとてもうれしいです」と続く。
まず「役を演じるうえで意識していたこと」を問われると、草川は「撮影期間がすごく短かったんですけど、1本の映画を撮っているような濃厚さがありました」と切り出し「意識したのは共鳴すること。樋口くんとの関係も中川監督との関係もそれを考えていましたし、観てくださる皆さんにとっても、私生活でどこかに共鳴できるようなものになればいいと思いながらやっていたので……すんごい共鳴してたよね!」と樋口に投げかける。突然話を振られた樋口は驚きつつも「すごかったですね!」と応じ「こうしてラフに話してますけど現場では本当にそうで。ワンクールのドラマを撮ったような濃厚さがあって、本当に質がすごかったなと。だから、終わったときの達成感がすごかったです。いかに気持ちで演じるか。“こころ”でお芝居することの大切さを感じました」と思いを語る。
「きれいな心で感受性が透き通ってる」草川拓弥の“青い炎”
役に臨む2人の熱量については、中川監督も「ケンカのシーンとか、7、8回は撮ったじゃない。精神的に疲れるはずなのに、2人のエネルギーが衰えずに反射し合って、どんどんできるようになっていったのを、俺はすごく頼もしく感じていました」と絶賛。そして「草川さんはきれいな心で感受性が透き通っているから、受けの芝居がうまい。それに対して樋口さんはエネルギッシュ。だからいっぱい樋口さんに演出をつけるんです。それを草川さんがどう受け取るか。毎回変わる樋口さんの演技を、草川さんは毎回新鮮に……型でやらずに心で感じているから(受けの演技が)変化していく。その“反射し合い”がすごかった」と、撮影現場での熱いセッションの一端を明かした。
主人公両者の佇まいの違いについて、中川監督は草川を「青い炎」、樋口を「赤い炎」と形容している。このことに話題が及ぶと、中川監督は「草川さんは控え場で本当に静かに佇んでるんだよね。僕はそれがすごく好きだった。キャストどうし和気あいあいと話すのもいいんだけど、やっぱりこういう作品だし、集中していてほしいから」と、草川を“青い炎”と表現したゆえんを語る。これに草川が 「コメントでも拝見しました。すごく光栄でしたし、僕自身『やってやるぞ』とか気合いを表に表明しないタイプなので、そういうところも自分と近しいのかなと思っていました」と反応すると、中川監督は「この作品には2025年の7月の草川さんと樋口さんの心が映ってると思うし、僕の心も映ってる。ドラマ自体はフィクションなんだけど、そこにドキュメンタリーをどうやって宿すか?というのが僕たちの仕事だから。そのときにそれぞれの中にあったものをそういう風に形容した、表現したって感じです」と続けた。
役を生きること
MCが「作中で好きなシーンは?」と問いかけると、中川監督は「ベッドのシーンです」と即答。すると草川は「あれ、すごい狭い部屋なんですよ。あんなにきれいな絵になると思わなかった(笑)。きれいでしたね」とこの答えを受け「このシーンでは、本番中に監督がしゃべってくださっていた演出も印象深くて。気持ちが入る感覚がありました。ビジョンが見えている方じゃないとできない言動だと思いましたし、僕はその演出にすごく助けられました」と撮影時の様子を明かす。
また、中川監督が「夏子さんと海辺で話すシーンは独特だったんじゃない?」と草川に問いかけると、草川は「撮影初日からあのエネルギーを出してたんですね」と笑い「いろんなアングル、立ち位置から撮影しました。全然セリフにない、ト書きにないこともやってるし。何回もテイクを重ねたからこそ生まれたものが映っているなと思います」と続ける。さらに、樋口は「バーでのシーン」が印象的だったと回答。「拓弥くんと夏子さんが、撮影するシーンの前から役を生きていて。3人での芝居はこのシーンが初めてだったんですけど、2人はバーに入る前から芝居を作ってきていて、そのときの気持ちをバーッと見せてくれたんです。ドラマをやっていると忘れがちな部分もあるけど、(キャラクターは)台本のシーンとして切り取られる瞬間の前から“生きてる”わけじゃないですか。僕も『もっともっと生きなきゃ』と思わされたので、このシーンのこともすごく覚えています」と撮影を振り返った。
「31歳も、素敵な映像の世界に」
なお明日11月24日は草川の、30日は樋口の誕生日であることから、イベント終盤には2人をサプライズで祝う時間が設けられた。運び込まれた大きなケーキに目を丸くしながら花束を受け取った草川と樋口。会場中から2人に送られた「お誕生日おめでとう!」の祝福に、草川は「ちょっとまだ“こころ”が追いついてない……」と笑い、そして「31歳も、素敵な映像の世界に浸っていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いします」とコメント。樋口も「まさか拓弥くんとこんなに誕生日が近いとは」と草川に語りかけつつ「皆さんがいる場でこうやって祝っていただいたのがうれしいです」と喜びを表明していた。
オリジナルショートドラマ「こころ」の番組情報
放送日時
日本映画専門チャンネル 2025年12月8日(月)20:00~
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@natalie_mu @sd_bt 感受性に感動しました