まさかの大遅刻!“本人不在”の「417の日 」
「417の日」は夏川が2017年より“417の日”である4月17日に地元の千葉で行っている恒例のイベント。夏川は毎年イベントの企画および脚本を手がけ、これまでYouTube番組風の企画やカラオケ大会、“1人ミュージックレインフェスティバル”、手の込んだ謎解きなど、さまざまな企画を行ってきた。今年のサブタイトルは「夏川椎菜の萌え萌え大作戦 悶絶可愛いカバーライブしちゃうもん♡」。夏川はイベントに向けて「今年は萌え萌えしてキュンキュンしてドキがムネムネ、かーわいい感じでお届けしちゃうぞっ♡」と予告していた。
しかし、当日まで何が起こるかわからないのが「417の日」だ。開演前にライブの注意事項を伝えるアナウンスが流れるも、途中で「来てないって!? 本人が?」とアナウンスがストップ。“アナウンス担当のスタッフ”は動揺しながらも「本日出演を予定しておりました夏川椎菜ですが、最近めちゃくちゃ改装している渋谷駅におきまして、一生改札にたどり着かないというトラブルが発生したため、会場への到着が大幅に遅れております。そのため本日の公演は、演出を一部変更いたまして進めさせていただきます」と言葉を続けた。果たして今年の「417の日」はどうなるのか……イベント序盤から波乱の予感が漂ったところで、なんと夏川の代わりに、パンダの装いをした夏川そっくりの“夏川椎菜総合プロデューサー”417Pがステージに登場。「夏川椎菜の萌え萌え大作戦」に代わって、急遽「417Pの臨時リサイタル」が行われることとなった。
417Pは「萌え萌え大作戦」のオープニングを飾る予定だったmona(CV:夏川椎菜)の「私、アイドル宣言」を歌い始めるも、すぐに「歌えるかー! なんでM1がこれなんだよ。『417の日』だぞ! まるっきりmonaライブのパクリじゃねえか!」とストップ。昨年12月に行われた“夏川椎菜 as mona”のライブ「LAWSON presents HoneyWorks 10th Anniversary 夏川椎菜 as mona ワンマンライブ#超絶あざといファンサしちゃうぞ♡」との類似を指摘し、「monaを背負えば簡単に17歳になるからって。自覚しろ、お前は29歳だ! 立派なアラサーなんだよ!」と言い放った。417Pは「夏川は大遅刻中だ。今全速力で会場に向かってるらしいが、公演中に間に合うかどうか……ってなわけで、俺が代わりに歌うことになった! よろしくー!」と挨拶し、「俺、今日のセットリストあんまり詳しく知らないんだけども……おお!」とステージの右側に“セットリスト”と書かれたフリップを発見。「そしたら、このセットリスト通りに歌っていくとするか」と、さっそくHoneyWorksの楽曲「可愛くてごめん」をはつらつと歌唱した。
417Pのカラオケの十八番
その後も417Pは、夏川が考案したセットリスト通りにFRUITS ZIPPERの「わたしの一番かわいいところ」を元気いっぱいに届けるも、「俺の体には負担がでかすぎるなあ。せっかく治ったのに痔が再発しそうだぜ。これ以上かわいい曲は歌えそうにないな」と持病の痔への影響を懸念。「俺はもう歌えねえが、次は何を歌う予定だったんだろうな」とフリップをめくってセットリストを確認すると、「花に赤い糸」「パンプキン・ミート・パイ」「No Distance」と夏川が大好きな麻倉ももの楽曲ばかりが並んでいた。417Pは「麻倉ももオタクのカラオケじゃねえか!」と呆れ果てるも、「この間の(
ここで417Pは「夏川の考えたセトリの代わりに、俺のカラオケの十八番を聞いてくれねえか?」と言い出し、石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」をコブシをきかせながら熱唱。さらに吉幾三の「俺ら東京さ行ぐだ」を気持ちよさそうに歌い上げた。自身の十八番を披露できて417Pが満足げな表情を浮かべていると、バックスクリーンにメルヘンチックな部屋を舞台にした夏川の映像が突然流れる。「なんだこのあざとい映像は!? もしかして衣装チェンジで流す映像か! わかったよ……衣装チェンジしてくればいいんだな!」と言い、417Pは一度ステージをあとに。スクリーンには夏川がショートケーキのイチゴを食べたり、鼻にクリームをつけてしまったりという、まさに「萌え萌え大作戦」にふさわしい映像が流れ続けた。映像が終わると、ピンクのエプロンとウサギの被り物を身にまとった417Pが登場。力のない様子で「417Pだぴょん……」とつぶやいたあと、「なんじゃこりゃあー! さすがに萌え萌えすぎるだろ!」と絶叫した。
泥水をすすって歌っていきます!
被り物もエプロンも脱ぎ、一張羅のパンダ姿になった417Pは「もう少し歌うとするかー! 流行りの曲を歌ってやるよ。俺様のラップに置いていかれるなよ!」と言い放ち、Creepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」をカバー。熱のこもった高速ラップで会場を大きく沸かせた。さらにフリップに書かれた本来の「萌え萌え大作戦」のセットリストの中から「この曲なら俺にも歌えるかもしれねえな」と夏川のオリジナル曲「だりむくり」を披露した417Pのもとに、夏川本人から「もうすぐ着きます」というLINEが届く。「もう遅いっつーの! 時間的にもあと1曲ってところかな?」と417Pは述べ、夏川のYouTube公式チャンネルで“夏川椎菜 with 417P”としてカバーした、みきとPの「ロキ」をパフォーマンス。夏川と417Pのコラボ映像をバックに、417Pはパワフルな歌声を場内に響かせた。
ラスト1曲が終わったところで、夏川から会場の楽屋口に着いたという連絡が入り、417Pが夏川を迎えに行く。「このたびは本当に申し訳ありませんでした! このままじゃ絶対に間に合わないと思ってタクシーに乗ったんですけど、道が混んでてなかなか前に進まなくて、しょうがなく途中で下ろしてもらって。そこから全速力で走ってきました!」と必死に遅刻を謝罪する夏川の声と、「言い訳はいいんだよ! お前が大遅刻したという事実は変わんねえからな」と返す417Pのやりとりが聞こえてくる。417Pが「俺がおめえに言いてえのはそこだけじゃねえんだ。アラサーがやるには無理のあるセットリストにブリブリの衣装! 俺はお前がちょっと心配になっちまったよ。お前本当はああいうのがやりたかったのか?」とプロデューサーとして案じると、夏川は「確かに私のソロの活動ってあんまりかわいげがなくて、泥臭いというか。ももちゃんとかmonaみたいなかわいい路線を自分がやってたらどうなってたのかなって思わないことはないですけど、最近になってちょっとその気持ちに区切りがつきました。何を歌おうが、どんな衣装を着ようが、夏川は夏川としてステージに立って、目の前のヒヨコ群(夏川ファンの呼称)に曲を届けることが一番大切で、一番やりたいことなんだって、そう思うようになりました!」ときっぱりと語った。
「安心したぜ。ソロデビュー8周年を超えて、まだまだ泥臭くやっていこうぜっていうときに“萌え萌え”だったからよ。俺はまたイチからお前のアーティストイメージを作り直さなければならねえのかと思ってよ」という417Pの言葉に、夏川は「そんな心配はいりません! 夏川、これからも泥水をすすって歌っていきます!」と宣言。夏川はステージに登場すると「皆さん、本当に申し訳ありませんでした……!」と土下座し、「でも、皆さん楽しんだみたいですね。よかったー!」と声を弾ませた。「これでバイバイというのは私も忍びないので」と言い、夏川は前日の4月16日にリリースしたばかりの最新EP「Ep04」からリードトラック「テノヒラ」を披露。光が広がっていくようなエモーショナルなバンドサウンドに乗せて晴れやかな歌声を響かせ、今年の「417の日」を締めくくった。
なお夏川は2022年に行ったライブツアー「夏川椎菜 2nd Live Tour 2022 MAKEOVER」の“リベンジライブ”を7月に東京・Zepp Haneda(TOKYO)、愛知・Zepp Nagoya、大阪・Zepp Osaka Baysideで行うことを発表した。「夏川椎菜 2nd Live Tour 2022 MAKEOVER」はコロナ禍で声出しに制限がある中で行われたツアー。夏川は今回“100%”の形でリベンジライブを披露する。
セットリスト
夏川椎菜「LAWSON presents 令和7年度 417の日 夏川椎菜の萌え萌え大作戦 悶絶可愛いカバーライブしちゃうもん♡」2025年4月17日 森のホール21 昼の部
01. 私、アイドル宣言(mona[CV: 夏川椎菜])
02. 可愛くてごめん ちゅーたん[CV:早見沙織])
03. わたしの一番かわいいところ(FRUITS ZIPPER)
04. 津軽海峡・冬景色(石川さゆり)
05. 俺ら東京さ行ぐだ(吉幾三)
06. Bling-Bang-Bang-Born(Creepy Nuts)
07. だりむくり
08. ロキ(みきとP)
09. テノヒラ
LAWSON presents 夏川椎菜 Revenge Live “reMAKEOVER”
2025年7月12日(土)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)
2025年7月13日(日)愛知県 Zepp Nagoya
2025年7月21日(月・祝)大阪府 Zepp Osaka Bayside
たかいど(群)(もも組)(青き民) @takaidon_hmaa
【ライブレポート】夏川椎菜、今年の「417の日」は“萌え萌え大作戦”のはずが……?417Pが臨時リサイタルで熱唱 https://t.co/a2OqpElSKy
あのめちゃくちゃなイベントの模様を、キチンと文章にして伝えてくれる音楽ナタリーさんは偉い