超特急、目の前に広がる光に「忘れられない1日になりました」宝物詰め込んだライブで8号車と“大騒ぎ”

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超特急のアリーナツアー「BULLETTRAIN ARENA TOUR 2021 SPRING『Hoopla!』」が、昨日6月13日に兵庫・ワールド記念ホールでツアーファイナルを迎えた。

超特急

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6月4日に神奈川・ぴあアリーナMMでスタートし、13日まで全6公演が行われた今回のツアーは、超特急にとっては2020年2月に実施したファンクラブツアー以来、約1年4カ月ぶりの有観客公演となった。この記事では、超特急の5人と8号車(超特急ファンの呼称)がひさびさの再会を果たした初日公演の模様をレポートする。

超特急

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「みんな、会いたかったよ!!」。やっと訪れた再会の瞬間に、開口一番ユーキは叫んだ。超特急がライブの1曲目に選んだのは、晴れやかなサウンドで「ニッポンの未来に幸あれ」と前途の幸運を祈るエールソングの「What's up!?」。大きな花火の音と共にポップアップで登場したメンバーは、眼前に広がるペンライトの海にうれしそうな表情を浮かべながら、活気に満ちたパフォーマンスを繰り広げた。そして8号車もまた、ペンライトの動きで歓喜の思いをステージ上の5人に伝える。2020年12月に発表されたばかりの「What's up!?」は有観客公演では初披露ながら、8号車はピッタリと息の合ったペンライトさばきで5人の歌とダンスに彩りを添えてみせた。

超特急

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メンバーカラーのギンガムチェックの生地で仕立てられたオーバーサイズスーツに身を包んだ5人は勢いを加速させるように「Kiss Me Baby」「Drive on week」「超えてアバンチュール」と、ファンが待ち望んだキラーチューンをノンストップで披露。「Kiss Me Baby」では、センターに立つユーキがジャケットプレイやアクロバティックなダンスで圧倒的な存在感を放つ。また、これらの楽曲は通常ならば8号車の大きなコールが飛び交う楽曲でもあるが、本公演では事前に8号車から募集したコールの音声が曲中に使用されるという工夫も。メンバーの名前を順に呼ぶコールが見どころの「Drive on week」では、メンバーが声の代わりにクラップを求め、8号車は手を叩いたりペンライトをグルグルと回して楽曲に参加。また「超えてアバンチュール」の“ヘドバンタイム”では、センターのリョウガが「風送って“換気”しようぜ!」とウィットに富んだ煽りを見せ、客席中にヘッドバンギングの波を巻き起こした。

超特急

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4曲を終えての自己紹介では、1年以上ぶりとなった有観客公演がスタートした心境を、リョウガが「目で見て(盛り上がりが)わかるからよかった。ペンライトは振っていいんだもんな」と表現。そして、声が出せない8号車のもどかしさを察したカイが「叫びそうになったら、爪を手のひらに食い込ませて(我慢して)」とアドバイスし、客席の笑顔を誘った。ここでメンバーは一度ステージを去り、「Dear My Pretty Girl」と題されたイメージVTRから、ライブは新たなセクションへ。ウォームカラーのカジュアルルックに着替えた5人は赤いバラを手に「Pretty Girl」を歌い踊り、ステージ上に登場したムービーカメラを8号車に見立ててスウィートなアピール合戦を繰り広げる。続く「up to you」では、それまでの優しい表情が弾けるような笑顔に変わり、リョウガとユーキが両手で形作った大きなハートマークの中に残る3人が収まるというハッピーなシーンも。1人ボーカルを担うタカシの晴れやかな歌声にも喜びや興奮が滲み、会場には温かな高揚感が充満していた。

カイ

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ツアータイトルに冠された「Hoopla!」とは、「大騒ぎ」という意味を持つ言葉。いつもならば大きなコールの声で超特急のパフォーマンスの一翼を担う8号車だが、ライブ前半のハイライトとなったメドレーコーナーでは“コールだけじゃない”8号車の真価が存分に発揮された。“いきものダンス”で盛り上がる「My Buddy」、曲名の通り、手を叩く振りが象徴的な「Clap Our Hands!」、メンバー5人もイメージカラーの光る警棒を手に踊る「POLICEMEN」と、ここで連投されたのは超特急と一緒に踊って盛り上がれる楽曲の数々。すると、8号車はメンバーと同じようにそれぞれの曲を踊りこなし、ステージの上も客席も1つになってパフォーマンスを作り上げる光景が大きな会場内に広がった。メドレーの最後に用意されたのは、パラパラの動きを取り入れたEDMの「PUMP ME UP」。真顔でパラパラを踊りこなすメンバーの両手と同じ動きで客席のペンライトもリズミカルに揺れ、8号車の熱気を受け取ったタカシは「Hoopla最初の乱れ咲き!」と歌詞を言い換えてさらなる盛り上がりを誘っていた。

タカシ

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5人がピンク色のアロハシャツとサングラスに着替えた「Summer Love」では、タカシが「さあさあ、超特急の夏がやって来ました!」と宣言。続く「Make it hot!」では、タクヤが「まだまだテンション上げていくよ!」と客席を煽り、メンバーはダイナミックなフロア技やフラメンコの仕草を交えた情熱的なダンスで夏を先取りした。この曲を終えてのMCコーナーでは、肩まで伸びたロングヘアをバッサリとカットしてツアーに臨んだタカシに視線が集中。タクヤが「ここ最近で一番の衝撃だった」と言うと、タカシは「(切ったのは)2年ぶりくらいですね。どんな僕も好きでいてくれてありがとう」と8号車に語りかけた。また、髪色をパープルに変えイメージチェンジしたユーキについては、イメージカラーが紫色のリョウガが「おいおい……俺推しかよー!」とうれしそうにひと言。リョウガの執拗な絡みに「違うから(笑)」と言いつつ、ユーキは楽しそうに笑みを浮かべていた。

リョウガ

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そんなMCののち、ライブ後半はリクエスト企画の結果発表コーナーからスタートした。これは、事前に8号車から募ったテーマ別リクエストの第1位に輝いた曲が披露されるというもので、コーナーはリョウガのMCのもと、音楽番組風に進行していく。「超特急と会えない時期に聴いた曲」というテーマでは「a kind of love」が1位に選ばれ、メンバーは8号車カラーのピンク色の照明に照らされながらパフォーマンスを披露。曲を終えると、センターのリョウガは「納得だな! 間違いねえわ」と胸を張る。リョウガが「投票するのが楽しかったんじゃない?」と8号車に語りかけた「セクシー曲」というテーマでは「We Can Do It!」が1位に。挑発的な視線のユーキ、伏し目がちに客席を見るカイ……と、それぞれの仕草で8号車を魅了する5人は、ハイライトのラインダンスでひときわ濃密な絡みを見せる。ユーキは隣り合うタクヤの顔を自分のジャケットで隠して不敵な笑みを浮かべ、客席の“声にならない悲鳴”を誘っていた。

「LIBIDO」をパフォーマンスするリョウガとカイ。

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そして「もう一度観たい、聴きたいユニット曲、ソロ曲」というテーマでは、過去のライブで大きな話題を集めたユニット曲やソロ曲が続々復活し、8号車の盛り上がりは最高潮に。メンバーの先陣を切り、せり上がりで登場したカイとリョウガは2019年のツアー「EUPHORIA」で披露された、ペアバージョンの「LIBIDO」をパフォーマンスしてみせる。「EUPHORIA」のツアー衣装を着た2人がお互いの口元に指を当てると客席はにわかに色めき立ち、長いセリフパートを滑らかにしゃべるカイ、キョロキョロと辺りを見回しながらカイの周囲を徘徊するリョウガの抜群のコンビ感に見入っていた。

「Cosmic岬」を歌うタクヤ。

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続いて1人登場したタクヤは、2015年のツアー「BULLET TRAIN ONEMAN SHOW SPRING HALL TOUR2015 “20億分のLINK 僕らのRING”」で歌った哀愁にじむ歌謡曲「Cosmic岬」を歌唱。ステージ上のビジョンには当時の映像も映し出される中、6年前に“タイムスリップ”したタクヤは情感をたっぷりと込めた表情と動きで舞台の上をさまよい歩いた。そして、コーナーの最後を飾ったのは、同じく2015年のツアーに登場したエレクトロポップユニット・コロンによる「Candy Night」。“ユーコ”ことユーキと“タカミ”ことタカシは大きなキャンディ片手に、スカートを翻しながら歌声を響かせる。これでもかとばかりに客席に愛嬌を振りまく2人のキュートなパフォーマンスを、8号車も目を輝かせながら見つめていた。

「キャンディ・ナイト」を踊るタカシとユーキ。

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曲を終えて我に返ったユーキは「これ、伝説じゃない?(笑)」とひと言つぶやき、タクヤはこのコーナーのために歌を録り直したことを明かす。8号車と作り上げた企画について、カイは「なかなかないことなので、8号車の気持ちが知れて、いい企画だったね」と笑顔。ライブの総合演出を務めているユーキは「会えない時間があったからこそ思い付いた企画なので。そういう意味では(自粛期間も)価値のあるものになったと思います」と前向きに語っていた。

「Hoopla!」初日公演の様子。

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企画コーナーを終え、逆光に5人のシルエットが浮かび上がるとライブも佳境。ここでメンバーは「Table Manners」を初披露した。「Table Manners」は、2020年6月に開催予定だったツアー「ARENA TOUR 2020 SPRING WELCOME TO THE BULLET TRAIN DINER」のテーマ曲として制作されたナンバー。昨年のツアーはコロナ禍の影響で中止となってしまい、テーマ曲も封印状態となっていた。1年前に同じ会場で踊るはずだったこの曲を、5人は躍動感いっぱいにパフォーマンス。テーブルマナーに悪戦苦闘する主人公の心情をドラマティックに歌うタカシのボーカルと華やかなスウィングジャズのサウンドに乗せ、フォークやナイフを持つ動きなどを取り入れたストーリー性のあるコレオで曲の世界観を鮮やかに描き出す。続いて届けられたゴージャスなR&B「Fantasista」、“夜明けの光”に託す希望を温かなサウンドで歌う「Asayake」も、これまでは配信ライブのみで披露されていた楽曲。「Fantasista」でミラーボールの光の粒に照らされた5人の瀟洒な振る舞いや要所要所で「8」の字を作り観客に訴えかける「Asayake」で見せる包容力のある微笑みは、さまざまな経験を経て今年結成10周年を迎える彼らだからこそ醸し出せる等身大の姿で、タクヤは「Asayake」のフレーズを小さく口ずさみながら、自然体で曲に身を委ねていた。

ユーキ

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8号車とひさびさに同じ空間を共有する今回のツアー公演について、ユーキはMCで「もうね、とにかくシンプルに楽しんでほしいなと思って。溜まってたストレスをぶつけるくらいの勢いで。たぶん、曲数も過去最多くらいの勢いだし」と語り、人気曲や幻の過去曲、リクエスト曲に至るまでを詰め込んだセットリストを、カイは「宝箱みたい」と表現した。ラストスパート、ユーキの力強いラップからなだれ込んだ「Booster」で勢いを再加速させた5人は「Burn!」「バッタマン」と、ライブ定番のアッパーチューンを連投して客席の熱を一気に引き上げていく。「バッタマン」ではダンサーの4人が次々に絶叫したり、タクヤとタカシが“鼻チュー”をしてみせたりと振り切れたテンションで大暴れ。カイの「『Hoopla!』サイコー!」という声で曲が終わると、タクヤは息を切らしながら「ぶっ倒れそう……(笑)」、リョウガは「いい意味で、ひさびさのライブを実感してます(笑)」とつぶやいていた。

超特急

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ラストナンバーを前に、8号車にメッセージを送った5人。会場に来られない8号車のぶんまで、「いろんな気持ちを背負って」ライブに臨んだというカイは「思うことはいろいろあったけど……今日、めちゃくちゃ楽しかったです!」と言葉に充実感を滲ませる。タクヤは「(有観客ライブができない)1年半、自分たちの時間は止まったままだった」と切り出し「でも、今日こうしてひさしぶりに会えて……決してネガティブじゃない、無駄な時間じゃなかったって再確認できました」と前を向き、ユーキは「やっぱり俺らの居場所は……会場でライブをしている今、ここなんだって痛感しました」と言葉に力を込めた。

超特急

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「1年半の中で感じたのは、やっぱり俺らは8号車がいないとアカンなっていうこと。今、すごく幸せな時間を過ごせていると痛感しています」とタカシが笑顔を見せると、最後に挨拶に立ったリーダーのリョウガは「(ひさびさの有観客ライブで)『どうしよう、人見知りしちゃうかもオワタ』と思ってたけど、ステージに立った瞬間、マスク越しでもみんなの幸せな表情がわかって……恐れてた自分を殴ってやりたいなと思いました!」と、ユーモアを交えた彼らしい言葉で再会の喜びを言葉にした。5人が本編の最後に送ったのは「Yell」。曲紹介を担ったユーキは「最近、自分の周りでも結婚する人がいたり、新しい命が生まれたりしていて。周囲をよく見てみると、小さな光を感じることができるんです。いつかこのペンライトの景色のように、光あふれる日が来ることを願って」と、5色の“小さな光”が一面に広がり、ステージを鮮やかに照らす眼前の光景を見渡す。進む先の幸せを願うウェディングソングであるこの曲に「皆さんに幸せなエールが届きますように」という思いを乗せた5人は、たおやかな身振りと穏やかな表情で客席にメッセージを届け、曲を終えたタクヤは「忘れられない1日になりました」と思いを語っていた。

アンコールでは「gr8est journey」と「走れ!!!!超特急」が披露され、ツアーTシャツに着替えた5人は弾ける笑顔を客席に向けながら、最後までステージを楽しんだ。リョウガが「最後は皆さんご一緒に!」と呼びかけると、メンバーと8号車は「以上、僕たちは超特急でした!」と超特急ポーズを決めてライブを締めくくる。そして5人は、“電車ごっこ”で最後まで客席に手を振りながらステージをあとにした。

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超特急「BULLETTRAIN ARENA TOUR 2021 SPRING『Hoopla!』」2021年6月4日 ぴあアリーナMM セットリスト

01. What's up!?
02. Kiss Me Baby
03. Drive on week
04. 超えてアバンチュール
05. Pretty Girl
06. up to you
07. My Buddy~Clap Our Hands!~POLICEMEN~No.1~PUMP ME UP
08. Summer Love
09. Make it hot!
10. a kind of love
11. We Can Do It!
12. LIBIDO / カイ、リョウガ
13. Cosmic岬 / タクヤ
14. キャンディ・ナイト / ユーキ、タカシ(コロン)
15. Table Manners
16. Fantasista
17. Asayake
18. Booster
19. Burn!
20. バッタマン
21. Yell
<アンコール>
22. gr8est journey
23. 走れ!!!!超特急

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撮影:米山三郎、深野輝美、林聖

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やな @Ebidan08

>長いセリフパートを滑らかにしゃべるカイ、キョロキョロと辺りを見回しながらカイの周囲を徘徊するリョウガの抜群のコンビ感
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