7月4日(日)に日本映画専門チャンネル「日曜邦画劇場」にて、山中貞雄が監督を手がけた1937年公開の時代劇「人情紙風船」が放送される。この番組にスペシャルゲストとして
「日曜邦画劇場」は日本映画の名作の本編放送に、フジテレビの軽部真一アナウンサーによる解説を加えた番組。今回4Kデジタル修復版にて放送される「人情紙風船」は江戸時代の長屋に暮らす庶民たちの姿を描いた作品で、わずか28歳で戦病死した山中の遺作として知られている。
1000回記念の今回の番組では本編終了後、山下と軽部による音声対談が放送される。山下にとって「人情紙風船」は“人生の1本”とのこと。本日5月25日に行われた収録に参加した山下は、今回の出演オファーを受けた理由を「1000回で『人情紙風船』を取り上げるということなので、これはもう来なきゃいけないなと」と明かし、この作品との出会いのエピソード、戦前の日本映画に対する愛情を語る。戦後の日本映画は「教訓をもって終わるものが多くて、引っかかりを持っていた」という山下だが、「人情紙風船」を鑑賞し「なんのエクスキューズもなく、これこそが観たかった映画だ」と感じたという。今回放送される4Kデジタル修復版の2020年の劇場上映時には自身も足を運んだと話し「いい時代になりました(笑)」と喜んでみせた。
山中が亡くなった28歳という年齢について話が及ぶと、山下はその1つ下の27歳のときにシングル「RIDE ON TIME」をリリースしたと語り「(山中の)足元にも及びませんが(笑)。日本で教育を受けていると芸事の形が見えてくるのは30歳手前だと思うんです。父親は僕に『30歳までに一生の仕事だと思えることを見つけろ』と言っていて、今でもこの商売を続けていられるのはあの当時の親のおかげです」と若き日の自身を振り返る。そして若くして亡くなった山中に「無念だったと思いますよ、これからというところで」と思いを馳せた。
また自身の楽曲で映画からインスパイアされたものを尋ねられると、山下は「伊藤大輔監督の『御誂次郎吉格子』という作品があるんですが、その最後に『あんたにあたしのこと忘れさせないよ』と字幕が出るんです。そこから『おやすみロージー』が生まれました」と裏話を明かし、軽部を驚かせる。さらに映画と音楽の関係性についても「映画は文学よりも音楽に近いので、本を読むよりも映画に影響されることが多いです」と熱く語った。このほかにも多岐にわたって繰り広げられた山下のトークの全貌は番組にてチェックしよう。
日本映画専門チャンネル「日曜邦画劇場『人情紙風船(4Kデジタル修復版)』」
2021年7月4日(日)21:00~
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山下達郎が映画番組で語る戦前作品の魅力、映画と音楽の関係性 https://t.co/V3hGOUz66h