X JAPAN、1年越しで成功させたイギリス・ウェンブリー公演

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X JAPANが3月4日(現地時間)にイギリス・The SSE Arena, Wembley公演を開催した。

X JAPANとは?

1982年にYOSHIKI(Dr, Piano)とToshl(Vo)を中心に結成される。インディーズで絶大な人気を誇り、1989年にアルバム「BLUE BLOOD」でメジャーシーンに進出する。派手なメイクと衣装に代表される独特のスタイルが大きく注目される一方で、ハイクオリティなヘヴィメタルサウンドと確かな演奏力が高評価を獲得。攻撃的なメタルナンバーとドラマチックなバラードの双方に定評があり、ヴィジュアル系バンドの先駆者的存在としても認知されている。人気絶頂の1997年、ToshIの脱退宣言を機に解散。再結成が熱望されるも翌1998年にHIDEが急逝し復活は絶望視される。しかし2007年10月に突然活動再開を宣言し、復活第1弾となった新曲「I.V.」はハリウッド映画「SAW4」のメインテーマソングに採用された。2008年3月には復活の東京ドームライブを3日間にわたり開催。2009年5月にはSUGIZO(G)が新メンバーとして正式加入した。2010年8月には米の大型ロックフェス「ロラパルーザ」に出演し初の全米ツアーを行ったほか、日産スタジアムでの2DAYSライブも開催。2011年にはヨーロッパ、日本、南米、アジアを回るワールドツアーを、2014年10月にはアメリカ・ニューヨークのMadison Square Gardenでのワンマンライブを成功に収めた。2015年には宮城・石巻 BLUE RESISTANCEで東日本大震災の復興支援チャリティライブを行い、2800万円を超える寄付金を集めた。2017年3月にイギリス・The SSE Arena, Wembley公演を開催し、それと同時にドキュメンタリー映画「We Are X」を公開。5月にYOSHIKIが人工椎間板置換手術を受けたため、7月の日本国内ツアーを急遽アコースティック編成で行った。2018年9月に千葉・幕張メッセ国際展示場1~3ホールでワンマンライブ「X JAPAN Live 日本公演 2018~紅に染まった夜~ Makuhari Messe 3Days」を開催。3日目公演では台風の影響により“無観客ライブ”を敢行し、世界に向けてその模様を生中継した。

X JAPAN

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ウェンブリー公演は当初予定されていた2016年3月の開催予定から、PATA(G)の急病によって延期を余儀なくされた彼らにとって悲願とも言えるもの。当日は前日3月3日に日本およびイギリスで公開がスタートしたX JAPANのドキュメンタリー映画「WE ARE X」の上映会と、ライブが演目として用意された。

X JAPANのライブの様子。

X JAPANのライブの様子。[拡大]

前半にバンドの壮絶な歴史を紐解くドキュメンタリー映画が上映されたあと、映画のエンディングから間髪入れずにライブのオープンニングSEが流れ、スクリーンが上がると、ステージにはメンバーの姿が。歓声を浴びつつ、彼らは人気曲「Rusty Nail」でライブをスタートさせ、「Hero」へとつないだ。MCではYOSHIKI(Dr, Piano)が一旦ステージから去ったPATAを呼び戻し、彼の体調が回復したことを報告。マイクを向けられたPATAは「I'm backing in Lodon!」と元気に挨拶して喝采を浴びた。またYOSHIKIは“99%完成している”という新作アルバムに収録予定の「Kiss the Sky」のシンガロングパートをウェンブリーアリーナに集まった観客に歌わせた。

未音源化曲「Beneath The Skin」に続けて、PATAとHEATH(B)のソロコーナーへ。PATAはギターソロの途中に高速メタルチューン「Stab Me In The Back」のリフを挿入するなどして観客を歓喜させる。またHEATHは荒々しく歪んだトーンで和音を多用したメロディアスなソロを披露してから、PATAと共にセッション。そしてToshl(Vo)も加わったのち、3人はHIDE(G)作曲のインダストリアル系ナンバー「DRAIN」を届けた。3人の一旦去ったステージにはバイオリンを持ったSUGIZO(G, Violin)が登場。彼は、デヴィッド・ボウイがアルバム「Earthling」のジャケットで着用しているようなユニオンジャックカラーのロングコートをまとい、「Life on Mars」を奏でるなど、デヴィッド・ボウイへのリスペクトをにじませ、天に向かって投げキッスをした。

X JAPANのライブの様子。

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メンバー全員が再びステージに現れ、映画「WE ARE X」のエンドタイトル曲「La Venus」を披露。YOSHIKIとToshlによるトークコーナーでは、YOSHIKIが「Do you wanna say something?」とToshlに問いかけ、Toshlがそれを「Say Anything?」と聞き返したことから、2人で人気バラード曲「Say Anything」をワンコーラスセッションするというサプライズもあった。その後ライブは「Born To Be Free」を経て、HIDEの映像を使ったイントロパートに続けてToshlの「紅だー!」というシャウトから始まる「紅」でフィニッシュ。熱狂の余韻を残したままメンバーはステージを去った。

YOSHIKI(Dr, Piano)

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アンコールでは、YOSHIKIがベートーベン「月光」などをモチーフにしたピアノソロを披露し、続けてチャイコフスキー「弦楽セレナード」をBGMにドラムソロを開始。ツーバスを連打しながらシンセサイザーで「Forever Love」を演奏するなどしつつ、全力の高速ドラムプレイでラストスパートをかけ、イスから倒れ込むような形でソロを締めくくった。そして息を切らせながらピアノへと移動するYOSHIKIを横目に、Toshlがゆっくりとステージに登場し、HIDEへの思いが込められたバラード「Without You」をたおやかに歌唱。続く「I.V.」では、寡黙に重厚なバッキングを聞かせるPATAとHEATHとは対照的に、SUGIZOが体を大きくのけぞらせたり、くるくると回ったりしながらギターを弾いていた。その後、彼らの代名詞とも言える高速ナンバー「X」では、Toshlが「We wanna "X" you!」と叫んで観客を扇動。曲中に赤、青、白の紙吹雪が大量に噴射されるなど、鮮やかな演出が彼らのパフォーマンスを盛り上げる中、ファンが一斉に“Xジャンプ”をしたり、メンバーと「We are X」のコール&レスポンスをしたりするなど、一体感のあるステージが繰り広げられた。

YOSHIKI(Dr, Piano)

YOSHIKI(Dr, Piano)[拡大]

2回目のアンコールにはまずYOSHIKIが1人で登場。彼はロックに目覚めた頃に大きな影響を受けたというQueen「Bohemian Rhapsody」をピアノで演奏し、大合唱を巻き起こしたほか、デヴィッド・ボウイ「Space Oddity」もプレイして笑顔を見せた。その後、MCでYOSHIKIはToshlと初めてバンドを組んだ際のエピソードをはじめ、HIDE、TAIJI(B)を含むメンバーと共に過ごしてきた日々を回想していく。涙を浮かべながら、結成から長い年月を経てもX JAPANが“現在進行形”であるとし、「あなたたちが応援し続けてくれたから、ここにいます。本当にどうもありがとう」とコメント。「TAIJIとHIDEに捧げます」という言葉のあとに「ENDLESS RAIN」を届けた。感傷的なムードの中、SUGIZOのバイオリンソロと、YOSHIKIによるピアノソロで始まったラストナンバー「ART OF LIFE」では、ステージに立つ5人の演奏に加え、HIDEのギタートラックも使用された。ストイックかつドラマチックな楽曲でファンを魅了した彼らは、最後にYOSHIKIがイスから崩れ落ち、Toshlが体から絞り出すようなロングシャウトを聞かせてクライマックスを迎えるという劇的な形でライブを締めくくった。

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X JAPAN SSE Arena WEMBLY 2017
2017年3月4日 The SSE Arena, Wembley セットリスト

01. Rusty Nail
02. HERO
03. JADE
04. Kiss the Sky
05. Beneath The Skin
06. PATA & HEATH session
07. DRAIN
08. SUGIZO Violin solo
09. La Venus
10. Born To Be Free
11. 紅
<アンコール1>
12. Piano solo~Drum solo
13. Without You
14. I.V.
15. X
<アンコール2>
16. Bohemian Rhapsody~Space Oddity
17. ENDLESS RAIN
18. Violin solo~Piano solo
19. ART OF LIFE
<カーテンコール(SE)>
20. TEARS
21. Forever Love
22. Say Anything

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