映画「
本作は、10代の少女たちの繊細な感情を描き出す“ファントムファンタジー”。周囲になじめず転校を繰り返す杏菜は、新たな寄宿学校で美しく完璧な少女・莉花に出会う。しかし莉花は突然、屋上から飛び降りて命を絶ってしまった。残されたのは1冊の日記。ページをめくるたび、莉花の苦悩や怒り、痛み、言葉にできなかった“ある秘密”が浮かび上がる。杏菜を
「21世紀の女の子」の1篇「reborn」を手がけことで知られ、本作で長編デビューを飾った坂本。彼女は主人公たちが通うキリスト教の寄宿学校に関して「黒板や教壇があり、机やパイプ椅子が並んでいるような現実的な光景にしたくないという思いが強かった」と語る。また美術や衣装の打ち合わせを振り返り、「もともとヨーロッパの映画が好きという基盤があるのですが、例として『ヴァージン・スーサイズ』『エコール』『ピクニック at ハンギング・ロック』などのタイトルを出しました。そうすると、細かく説明せずともみんな、わかってくれるんです」と言及した。
特に杏菜と莉花が共同生活する部屋は、それぞれの性格や趣味嗜好を反映し、細部までこだわって作り上げたそう。物語のキーとなる莉花の“日記”も、演出部の羽蚋拓未が全ページびっしりと書き込んだ力作だという。坂本は「杏菜と莉花が表と裏になるようなイメージでシンメトリーにしたいと考えていました」「杏菜は変なものをたくさん集めていそうとか、莉花はかわいらしいものが好きで、家族や友人の写真を大事にしてそうだよねといった感じで、美術の中條芙美さんとたくさん話し合いました」と明かした。
坂本が脚本・編集も担った「白の花実」は、12月26日より東京・新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開。河井青葉、岩瀬亮、山村崇子、永野宗典、田中佐季、伊藤歩、吉原光夫、門脇麦もキャストに名を連ねた。
映画「白の花実」予告編
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おおとも ひさし @tekuriha
レトロな寄宿舎、命を絶った少女の日記…坂本悠花里が語る「白の花実」を構築する美術 - 映画ナタリー
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