映画「
本作は、周囲になじめず転校を繰り返してきた杏菜を主人公とする“ファントムファンタジー”。静かな森の奥にある全寮制の女子校に転校した杏菜は、その寄宿舎でルームメイトの莉花と出会う。美しく完璧で誰からも好かれる莉花だが、間もなく屋上から身を投げ、自ら命を絶った。残されたのは、莉花の笑顔の裏に潜んでいた苦悩、怒り、痛み、そして幼なじみである栞との記憶や、言葉にできない“ある思い”をつづった日記。それを読み進めていくと、青白く揺れる鬼火のような莉花の“魂”が現れ、杏菜は静かに侵食されていく。杏菜を美絽が演じ、莉花の幼なじみ・栞に池端、莉花に蒼戸が扮した。
「21世紀の女の子」の1編「reborn」などで知られ、本作で長編監督デビューを果たした坂本。彼女は「ファンタジーやホラーなど現実世界に現実ではないものが入って来る世界観が好きです」と述べ、「ロバート・エガース監督版『ノスフェラトゥ』的な、日本映画では観たことがないものができないかと、そんな世界観を探っていきました」と振り返る。
撮影時のエネルギー源に話が及ぶと、美絽は「ごはんをたくさん食べることです」と話し、池端も「ケータリングのごはんがおいしくて。給食みたいにみんなでお盆を持って『今日は何かな!?』と言いながら食べに行くのが楽しかったです」と声を弾ませる。坂本は「3人のエネルギーが途切れることはなかったです」とたたえた。
約半年にわたるレッスンを経てダンスシーンに臨んだ美絽。「ダンスは初めてだったので、自分がどこの筋肉を使っているのか、五感を大切にする作業から始めました。今思えば練習期間のすべてが楽しい時間でした」と懐かしむ。蒼戸は「コンテンポラリーダンスだったので、自分の体の使い方を知るところから始めました。役の踊り方の個性に合わせて、呼吸や目線を意識して踊りました」と、池端は「レッスンの時間は穏やかに流れていました。この3人ならば落ち着いてやれる雰囲気だったので大好きな時間でした」と伝えた。
本作の注目ポイントを聞かれると、美絽は「美しい景色と少女たちの葛藤」、蒼戸は「わからない、答えがない。それがいいところ」、池端は「目で見えているものがすべてではないというのが注目ポイント」とコメント。そして坂本は「心と体を委ねて観てほしい」と、美絽は「悩んでいる方にとって、救いのような映画になったらうれしいです」と答えた。
坂本が脚本・編集も担った「白の花実」はビターズ・エンド配給のもと、12月26日より東京・新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開。
映画「白の花実」予告編
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PETER ELI(fxhk) @elipeter190
@eiga_natalie こちら、投稿にそのまま貼れる日本語コメントです白の花実、公開が本当に楽しみです…!
全寮制の女子校という閉じた世界観と、少女たちの揺れる心の描写が今から胸に刺さりそうで…