映画「21世紀の女の子」の一編「reborn」などで知られる坂本悠花里の初長編作品「
本作は周囲になじめず転校を繰り返してきた杏菜を主人公とする“ファントムファンタジー”。静かな森の奥にある全寮制の女子校に転校した杏菜は、その寄宿舎でルームメイトの莉花と出会う。美しく、完璧で、誰からも好かれる莉花だが、間もなく、屋上から身を投げ、自ら命を絶った。残されたのは、莉花の笑顔の裏に潜んでいた苦悩、怒り、痛み、そして、幼なじみである栞との記憶や、言葉にできない“ある思い”をつづった日記。それを読み進めていくと、青白く揺れる鬼火のような莉花の“魂”が現れ、杏菜は静かに侵食されていく。一方、栞は杏菜を「変わった子」だと遠ざけていたが、莉花の魂に導かれるように、次第に歩み寄ることに。そして「完璧な少女は、なぜ飛び降りたのか?」という問いが、生き残った少女たちの心に深く染みわたり、それぞれの“わたし”が、揺らぎ始める。
主人公・杏菜を演じたのはモデルとしても活動する美絽。栞に雑誌「ゼクシィ」の15代目CMガールを務める池端、カリスマ的存在の莉花にドラマ「DOPE 麻薬取締部特捜課」の蒼戸が扮した。また少女たちを取り巻く大人役で門脇、河井、伊藤、吉原らが出演している。
坂本は「『白の花実』を作りながら、私は私自身を持て余していた時期があったと思い出していました。作り終えた今、自分というものはずっと持て余したままで良いものなのかもしれないと思い始めています」とコメント。美絽は「壮大な自然や美しい歴史的建造物も、物語と共に楽しんでいただけたら嬉しいです」と、池端は「生と死に目を向ける彼女たちの繊細な姿が丁寧に描かれている作品です。劇中の衣装がすてきなのでそこにも注目してほしいです」と語り、蒼戸は「作品の中から、揺れ動く、様々な感情をたくさん感じていただけたら嬉しいです」とつづった。4人のコメント全文は後掲している。
なお本企画はndjc2022「長編映画の企画・脚本開発サポート」にて開発されたもの。その後、香港国際映画祭併設の企画マーケット「The Hong Kong - Asia Film Financing Forum (HAF)」でウディネ フォーカスアジア賞を受賞し、ウディネ・ファーイースト映画祭やカンヌ国際映画祭に招待され、注目を集めた。
坂本が脚本・編集も担った「白の花実」は東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開。ビターズ・エンドが配給を担当する。
坂本悠花里 コメント
昨年の今頃、キャストとワークショップやダンスの練習をしていました。撮影はあっという間でしたが、日々新しい発見と確かな充実感がありました。「白の花実」を作りながら、私は私自身を持て余していた時期があったと思い出していました。作り終えた今、自分というものはずっと持て余したままで良いものなのかもしれないと思い始めています。この映画とともに歩いてくれたキャスト・スタッフに、心から感謝を伝えたいです。そして、これから観ていただけることを心待ちにしています。
美絽(杏菜役)コメント
杏菜を通して、表向きの自分と本当の自分との間にあるギャップに改めて気付かされました。揺れ動く少女たちの葛藤や苦悩には、きっと誰しも共感できる部分があるのではないでしょうか。
壮大な自然や美しい歴史的建造物も、物語と共に楽しんでいただけたら嬉しいです。
池端杏慈(栞役)コメント
穂乃川栞という役に出会えたこと、心から感謝しています。オーディションで決まったときは本当に嬉しかったです! 親友の死に喪失感を抱く栞の感情を、自分なりに丁寧に噛み砕いて向き合うことができました。
生と死に目を向ける彼女たちの繊細な姿が丁寧に描かれている作品です。劇中の衣装がすてきなのでそこにも注目してほしいです。たくさんの人にこの作品が届きますように。
蒼戸虹子(莉花役)コメント
「白の花実」は私にとって初めての映画です。
わからないことだらけの中で、莉花と同じように揺れたり、悩んだりしながら、
坂本監督とたくさん話をして、莉花と自分を少しずつ重ねていきました。
ダンスレッスン、ワークショップ、そして撮影を通して、美絽さん、池端さん、スタッフキャストの皆さんと過ごした時間は、今でも私の中で特別な記憶として残っています。
作品の中から、揺れ動く、様々な感情をたくさん感じていただけたら嬉しいです。
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おおとも ひさし @tekuriha
完璧な少女はなぜ屋上から飛び降りたのか?坂本悠花里の初長編「白の花実」12月公開 - https://t.co/AJ022QEo48