映画「
柚月裕子の小説をもとにした本作は、とある山中で身元不明の白骨死体とともに、7組しか現存しない高価な将棋の駒が発見されたことから展開していくヒューマンミステリー。駒の持ち主は天才棋士・上条桂介だと判明し、捜査の過程で、彼の過去を知る重要人物として“賭け将棋”で裏社会に生きた男・東明重慶(とうみょうしげよし)の存在が浮かび上がる。坂口が桂介、渡辺が重慶に扮した。
500本の向日葵が飾られたレッドカーペットイベントに登場したゲストたち。坂口は「華やかな雰囲気でこの映画のスタートを切れたのは光栄なこと。この映画は、内容的にはしんどいシーンもありますが、登場人物たちの生き様が皆さんの心に残ってくれたらうれしいです」と挨拶する。渡辺は「久々に血生臭い男たちの映画に出演しました。ぜひお楽しみいただけたら」とはにかんだ。
舞台挨拶では、MCから坂口に「これまでのイメージを覆すような渾身の演技でしたが、桂介を演じてみていかがでしたか?」と質問が。坂口は「重く壮絶な生い立ちと、彼に降りかかる悲しい出来事……。桂介は何か能動的にアクションを起こすというよりは、巻き込まれていくような人間だった。その過酷な空間の中で“生きる”ことを意識して演じていました」と述懐する。
渡辺は、今回が初共演となった坂口を「すごくオープンマインドで、自分と似ている部分が多い。現場が好きで作品も好き、スタッフのことも好きだから撮影を楽しめる。そういう感覚を持った稀有な俳優だと思います」と称賛。坂口は「謙さんとお会いして改めて思ったのは、軽やかな方だなと。どこか“Ken Watanabe”だ!っていう印象があったんです。でも実際にご一緒してみて、ひょうひょうとされている瞬間もありながら、どっしりと重慶として存在してくれた。すごくありがたかったです」と明かした。
佐々木は桂介の過去を解き明かす刑事・石破剛志、高杉は石破とともに行動する若き巡査・佐野直也役で出演。佐々木は、熊澤から「泥臭く足で稼ぐ昭和の刑事で」と演出があったようで、「向日葵の咲く季節で撮影して……あっついんです。刑事部屋は閉め切っていて、スモークも焚いて……」と苦労した様子をのぞかせる。高杉は「1週間近く撮影があったのですが、毎夜お食事に連れて行っていただきました。それがめちゃくちゃうれしかったんです!」と笑みを浮かべた。
土屋が演じたのは原作には登場しない人物で、桂介の元婚約者である奈津子。土屋は「原作にない役柄を演じるのは難しかったです。奈津子としてどう呼吸をするのか、セリフは少なく表情で語ることが多かったので、監督と相談しながら撮影させていただきました」と振り返る。また土屋が、現場での坂口について「監督たちが話し合っている段取りを、そばで聞いている俳優さんは初めて見ました。監督になりたいのかな?と思った」と語ると、坂口は「段取り、打ち合わせを聞いているのが好きなんです(笑)」と答えた。
桂介の幼少期に暴力を振るい、現在も酷い仕打ちをする父・上条庸一に扮した音尾は「桂介が大好きすぎて、彼がいないと生きていけないような人物」と役柄を紹介し、「桂介と庸一がぶつかり合って大変なシーンなのに、坂口くんは『音尾さん大丈夫ですか? けがしてませんか?』と気遣ってくれる。もう大好きになっちゃった」とほほえむ。桂介の少年時代に将棋を教え、その才能を見抜いた恩師・唐沢光一朗を演じた小日向は「最近の日本映画は活気付いていて、そういった作品に出られることはとても光栄です。ぜひ楽しんでください」とアピールした。
「盤上の向日葵」は、10月31日より全国でロードショー。
映画「盤上の向日葵」予告編
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「盤上の向日葵」渡辺謙、初共演となった坂口健太郎を「稀有な俳優」と称賛
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