同事故で犠牲になった1人が、進学校に通いながらボクシングの練習に夢中になっていた少年・富久信介さん。同じ通学電車に乗っていたある少女は、名前も知らない彼に淡い恋心を募らせていた。そんな日常を送っていたある朝に事故が発生。偶然いつもと違う時間の電車に乗り合わせたことで巻き込まれた信介さんは、当時17歳という若さで短い生涯の幕を閉じる。ニュースで流れた悲報を見た彼女は、初めて彼の名前を知るも、「間違いであってほしい」という思いで、その後も電車で彼を探す日々を過ごした。そして20年後、信介さんが通っていた大橋ボクシングジムの会長・大橋秀行のもとに見知らぬ女性からメッセージが。それは当時、彼に思いを寄せていたあの少女からだった。
綾瀬が演じたのは主人公の寺田ナズナ。夫と娘と郊外に暮らし、定食屋を切り盛りする彼女は、あることをきっかけに青春時代を思い出し、手紙を書き始める。當真は毎日同じ電車に乗りつつも、思いを寄せる信介に声を掛けられない24年前のナズナに扮した。石井の監督作に出演するのは本作が初めて。
「町田くんの世界」の細田は信介役に起用され、ボクシングジムでトレーナーと数カ月にわたる体づくりを経て撮影に挑んだ。石井作品に初参加となる菅田は、信介が通うボクシングジムの先輩で、実在する元WBC世界スーパーフライ級王者の川嶋勝重を演じる。「あゝ、荒野」から約7年ぶりのボクサー役となった。そして妻夫木は、妻のナズナへの愛情を持ちながらも無骨にしか振る舞えない夫・良一役で出演。佐藤は信介の父・富久隆治役に選ばれた。YouTubeでは予告編が公開されている。
綾瀬は「脚本を読んだ時に涙が止まらなくて、心が揺さぶられました。生きたい、もっと見てたい、家族を愛して、家族に愛されて、生きてきた証のような思いの中で、初恋の人に24年越しのラブレターを書いたのかもしれません」と語った。そのほかのキャストに加え、プロデューサー・北島直明のコメントを後掲している。
「人はなぜラブレターを書くのか」は全国で公開。
映画「人はなぜラブレターを書くのか」予告編
綾瀬はるか コメント
脚本を読んだ時に涙が止まらなくて、心が揺さぶられました。
生きたい、もっと見てたい、家族を愛して、家族に愛されて、生きてきた証のような思いの中で、
初恋の人に24年越しのラブレターを書いたのかもしれません。
ナズナのラブレターに秘められた物語を是非観て頂きたいです。
當真あみ コメント
脚本を読んで、初めてこの出来事が実際にあった事なのだと知りました。
友人と過ごしたり、何かに熱中したり、恋をしたりと当たり前に思っていた日常を、しっかりと見つめて大切にしたいと感じました。
綾瀬さんが演じるナズナと、どう繋げられたらいいかを監督と話しながら、ナズナが経験し積み重ねた感情を作っていけるように演じました。
この作品を沢山の方に見ていただきたいです。映画を見た時、きっと自分の日常が愛おしく大切に思えるはずです。
細田佳央太 コメント
石井監督ともう一度ご一緒することを目標にしていたので、自ずと気合いが入りました。ボクシング練習には約4ヶ月という準備期間をいただいて、ボクシング未経験の僕に松浦さん(ボクシング指導者)をはじめとした多くの方々が指導してくださり向き合っていただきました。素敵過ぎるスタッフ・キャストの皆様に囲まれた撮影の日々は、映画と芝居にもう一段と深くのめり込むきっかけとなり、撮影の内外問わず役と同様に温かい距離を保ち続けてくださった菅田さんには感謝してもしきれません。
この作品が持つ記憶と、そこに生きた人々の熱が、現代に生きる皆様と未来に届くことを願ってやみません。
菅田将暉 コメント
第17代WBC世界スーパーフライ級チャンピオン川嶋勝重選手。を演じる? 即お断りしようと思いました。が、台本を読むと、早すぎる命と対話する真摯な青年の姿がありました。夢について語り合い、想いを背負って闘う。今日のために生きる。今の自分に必要な作品だったのか、使命感のようなものが湧いてきて、初の石井組に挑みました。ハードな撮影でしたが、一生に一度の経験をさせてもらいました。思いやりと少しシャイなところがこの映画の好きなところです。是非、観に来てください。
妻夫木聡 コメント
様々なテーマで挑戦し続ける石井監督の作品に呼んでもらえることはとても光栄なことです。そして、自分にとっても新しい一面を見せられるようにと身が引き締まる思いでしたが、少しずつほどけていく家族の形を、一日一日確かめながら撮影する日々は、どうしようなく不器用で、素直になれないけど、それがとても愛おしい時間でした。
過去を生きる人、今を生きる人、みんなの想いが溢れている。悲しみさえも糧にして、前を向き、それぞれが夢に向かって踏み出していく様に涙が止まりませんでした。
一つのラブレターによって、止まっていた時間が動きだしていく。悲しいことも、嬉しいことも、みんな手を繋いで生きていければ良いよねって思わせてくれる、そんな素敵な映画です。是非劇場でご覧ください。
佐藤浩市 コメント
突然の別れと、覚悟を持って向き合う別れ。
どちらにしても後悔なく大切な人を見送ることの出来る方はごく僅か…。
しかしその想いが、より深く故人との歴史を刻んでくれると信じたい。
北島直明(プロデューサー)コメント
石井監督に教えてもらった、スポーツ報知に掲載された「富久信介さんへのラブレター」の記事を読んだとき、
胸が熱くなり、すぐに大橋会長に会いに行きました。そして、信介さんのお父さんを、手紙を書かれた女性の方をご紹介して頂きました。川嶋選手、徳山選手、東京メトロの職員の方々にもお会いしました。
信介さんのお父さんとの会話がこの映画の根幹にあります。信介さんは、少しヤンチャな、正義感の強い、
“どこにでもいる”高校生でした。彼が特別だから映画にしたわけではないんです。
信介さんの事を嬉しそうに教えてくれるお父さんの顔がこの映画を作る動機になったんです。
この映画では「人の存在の大切さ」を描いています。語彙力が無い表現ですが…そういう事なんです。
僕は、お父さんを介して信介さんの存在を感じたのです。
毎朝、通学・通勤している中で、僕も含めて皆さんの隣にいる人には、その人の人生があり、大切な誰かがいるはずです。この映画の主人公・ナズナは、“誰にでも当てはまる誰か”という存在として描きました。
なぜ、そうしたのか? 突然の別れ、意図せぬ別れは、無念と後悔と悲しみを生みます。残念ながら、望んでいなくても“誰にでも起こりえる事”です。でも、悲しいだけじゃない、未来を生きる為に、今どうすべきか、という前向きな映画にする為です。
多くの方のご協力を得て、この映画は完成しました。ありがとうございました。この映画が、悲しみを少しでも減らして、希望に繋がる一助になれば幸いです。
映画ナタリー @eiga_natalie
綾瀬はるか×石井裕也の映画「人はなぜラブレターを書くのか」4月公開🎞️
2000年3月に発生した地下鉄事故が題材の物語
共演に當真あみ、細田佳央太、菅田将暉、妻夫木聡、佐藤浩市ら
▼予告・コメントはこちら
https://t.co/CTNGYpdD9t
#人はなぜラブレターを書くのか https://t.co/Ob1DTRas1L