映画「
真藤順丈の同名小説をもとにした「宝島」は、アメリカ統治下にあった戦後の沖縄を舞台に、米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれた若者たちを描いた物語。妻夫木が過渡期を全力で生きたグスクを演じ、広瀬は幼なじみのヤマコ、窪田は兄を見つけるためヤクザへの道を選んだレイ、永山はレイの兄で突然失踪するリーダーのオンに扮した。
妻夫木は「この映画の企画が立ち上がったのは2019年。コロナの影響、2度の撮影延期を経て、6年越しにこの日を迎えることができました。それも、皆さんの一途な思いがあってこそ」と、公開を迎えた今の喜びをあらわにする。大友は「企画が成立するかしないか、そういう局面に何度も陥ってきた。きわきわの挑戦を全部ぶち込んでたどり着いた映画。今日集まっていただいた皆さん、1人ひとりの顔と名前を覚えて帰りたいくらいです」と続けた。
妻夫木と大友は、宣伝アンバサダーとして3カ月以上にわたり全国20都市以上を巡った“全国キャラバン”に参加。ステージには、全国キャラバンを通して観客から集められたメッセージボードが。妻夫木は「うれしいですね。いろんな場所を訪れるたびに家族が増えていくような感覚があった。本当に皆さんに感謝しています」と笑顔を浮かべる。大友は「皆さんの言葉に何度救われたか。この映画を観たお客さんも『宝島』チームの一員です」と感慨深い様子だった。
本作のプロモーションで沖縄を訪れた広瀬は「現地の方々が『ありがとう』と言ってくださった。これ以上の言葉はないです。熱い気持ちになりました」と回想。窪田は「(観客と)直接お会いできることの大切さをすごく感じました。上映後、皆さんの目がキラキラしているのを見て、この仕事をしていてよかったなと思えた」と明かす。永山は沖縄での撮影を振り返り、「オンを演じていて内側から燃えるようなものがあった。原作を読んで感じたこと、当時を生きた人たちの気持ち、それをぶつけるような思いでやっていました」と語った。
栄莉弥は物語の鍵を握る謎の孤児・ウタ、栄莉弥の実の弟である光路はウタの幼少期を演じた。栄莉弥は「とにかく18歳のウタを生きることだけを考えて撮影に臨みました。現場の空気と、監督の言葉を全力でアウトプットしました」と述べる。光路は「すべてが初めてでした。監督から教えてもらったことに対して、ひたすらに向き合いました」と続けた。大友は彼らについて「一番難しいキャスティングでした。ウタを探すために日本全国を回らなければと本気で思っていたほど。でもある日、栄莉弥くんと会って『いた!』と。さらに弟がいると聞いて……光路くんもバッチリでした」と明かした。
またMCから、長きにわたってともに歩んできた「宝島」チームの一体感について尋ねられた妻夫木は「すずちゃんと窪田くんの長いシーンがあって、その撮影はおそらく3日くらい掛かるだろうと言われていたんです。でも、1日で終わったんですよ。そのときみんなで『2日休める!』って歓喜しました(笑)」と告白。親睦を深めるためにスタッフも交えてバーベキューをしたそうだが、着火剤もなく火を起こすのに悪戦苦闘したという。広瀬は「そのときも一体感がありましたよね!」と笑みをこぼした。
最後に妻夫木は「この映画を観て、思いの力ってすごいなと改めて思いました。皆さんの心に何か少しでも変化があったらうれしい。全国キャラバンを通して、宣伝って映画に栄養を与えることなんだと気付きました。『宝島』は僕たちにとって子供のような存在。皆さんに育てていただいて、立派な大人になるように『宝島』をかわいがってくれたらと思います」とメッセージを送った。
「宝島」は全国で上映中。
映画「宝島」本予告
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妻夫木聡・大友啓史ら「宝島」封切りに万感の思い、宣伝は映画に栄養を与えること
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