ジブリの世界が目の前に!「ジブリの立体造型物展」東京で開幕、真っ赤な飛行艇も登場

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「ジブリの立体造型物展」が東京・天王洲の寺田倉庫 B&C HALL / E HALLで本日5月27日にスタート。一般公開に先立ち、プレス向け内覧会と開会セレモニーが行われた。

「ジブリの立体造型物展」にて、「紅の豚」の飛行艇「サボイアS-21」©1992 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NN

「ジブリの立体造型物展」にて、「紅の豚」の飛行艇「サボイアS-21」©1992 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NN

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「崖の上のポニョ」のオブジェ ©2008 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDHDMT

「崖の上のポニョ」のオブジェ ©2008 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDHDMT[拡大]

80を超える国や地域で公開された「君たちはどう生きるか」をはじめ、世界中で親しまれているスタジオジブリ作品。その背景には作品を愛し、世界各地へと届けようと尽力してきた人々が、それぞれの国や地域にいた。本展では海外のパートナーがどのように作品を届けてきたかをたどりながら、映画の名場面を立体造型物で紹介していく。なお「立体造型物展」は2003年に始まった本格的なスタジオジブリ展の原点であり、進化を遂げて22年ぶりに東京に帰ってきた。

スタジオジブリ作品が次々と立体化

「となりのトトロ」より、緑あふれる展示 ©1988 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

「となりのトトロ」より、緑あふれる展示 ©1988 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli[拡大]

来場者を出迎えるのは「崖の上のポニョ」の巨大オブジェ。足を踏み入れると猫のバロンが優雅に佇み、ジブリの世界へ来場者たちを誘う。その先には、うろの中に横たわるトトロと、そのおなかに乗るメイの姿が。まるで本当に風が吹き抜けるような緑あふれる空間となっている。

「ハウルの動く城」より、ハウルとソフィーの空中散歩 ©2004 Diana Wynne Jones/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDDMT

「ハウルの動く城」より、ハウルとソフィーの空中散歩 ©2004 Diana Wynne Jones/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDDMT[拡大]

さらに「もののけ姫」の犬神モロやヤックルに乗るアシタカ、「ハウルの動く城」のハウルとソフィーの空中散歩、「魔女の宅急便」のキキとジジが肩を並べるグーチョキパン店、「平成狸合戦ぽんぽこ」の万福寺などもリアルな立体作品として表現。会場内では各シーンの音楽や環境音も流れ、来場者を物語の世界へと没入させる。

物語の主人公になりきれる体験も

「耳をすませば」のフォトスポット ©1995 Aoi Hiiragi, Shueisha/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NH

「耳をすませば」のフォトスポット ©1995 Aoi Hiiragi, Shueisha/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NH[拡大]

「君たちはどう生きるか」のフォトスポット ©2023 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

「君たちはどう生きるか」のフォトスポット ©2023 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli[拡大]

フォトスポットも充実しており、「耳をすませば」のコーナーでは月島雫になりきって電車のシートに腰掛けられる。「コクリコ坂から」の松崎海さながらに国際信号旗を掲げるポーズや、「君たちはどう生きるか」のサギ男と2ショットを撮れるコーナーも用意された。

世界各地のパートナーとジブリの軌跡

今では世界中にファンを持つスタジオジブリ作品だが、かつては今ほど知られておらず、海外公開も簡単ではなかった。本展では、北米・欧州・アジアなど各地でジブリ作品を紹介しようと尽力した海外パートナーたちにリスペクトを込めて、その功績や施策を紹介。中国のデザイナー・黄海によるポスターの数々も展示され、各国のローカルな取り組みにも光が当てられている。

コラム
コラム

「千と千尋」「ラピュタ」のシーンは迫力満点

「千と千尋の神隠し」より、暴走したカオナシ ©2001 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDDTM

「千と千尋の神隠し」より、暴走したカオナシ ©2001 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDDTM[拡大]

「天空の城ラピュタ」より、パズーがシータを救出する様子 ©1986 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

「天空の城ラピュタ」より、パズーがシータを救出する様子 ©1986 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli[拡大]

これまでの明るいムードから一変、薄暗く緊張感のある空間が広がる。「千と千尋の神隠し」では油屋のシーンが。床には食い散らかされたごちそうが散乱し、奥の壁には暴走したカオナシの影が映し出される。さらに「天空の城ラピュタ」でロボット兵に抱えられたシータを、パズーが火の海から救出するシーンの表現も迫力満点だ。

「紅の豚」真っ赤な機体が出現

後方から見た「サボイアS-21」©1992 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NN

後方から見た「サボイアS-21」©1992 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NN[拡大]

「紅の豚」の飛行艇「サボイアS-21」のそばに佇む2人 ©1992 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NN

「紅の豚」の飛行艇「サボイアS-21」のそばに佇む2人 ©1992 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NN[拡大]

最後は本展示の目玉のひとつである、「紅の豚」に登場する飛行艇「サボイアS-21」。美術制作会社マーブリングファインアーツの伊原弘が中心となり、木製のアート作品として作り上げた。天井まで見上げるほどの真っ赤な機体が鎮座しており、360度どこからでも眺められる。また展覧会のテーマ“海を渡った熱風”にちなみ、6分の短編アニメーション「空想の空とぶ機械達」の特別上映も。同作は宮崎駿がかつて三鷹の森ジブリ美術館の展示用に制作したもので、19世紀の人々が思い描いた未来の様子が描かれる。

小泉孝太郎「操縦席にポルコ・ロッソがいそう」

「ジブリの立体造型物展」開会セレ
モニーにて、左から福田博之、伊原弘、小泉孝太郎

「ジブリの立体造型物展」開会セレ モニーにて、左から福田博之、伊原弘、小泉孝太郎[拡大]

開会セレモニーには伊原、スタジオジブリ代表取締役社長であり日本テレビ代表取締役社長の福田博之、そしてゲストとして俳優の小泉孝太郎が出席。伊原は「100年前の技術で美しいカーブを作る手法に挑戦しました。難しかったけれど、昔の人と同じ方法で挑戦し、ようやく形になりました」と振り返る。福田いわく、宮崎がサボイアS-21を見学した際には、自ら操縦席に乗り込み「美しいですね」と静かに感想を口にしたという。伊原は「感動しました。自分の挑戦が間違えではなかったんだと思いました」と語った。

小泉は日本テレビ系の番組「オー!マイゴッド!私だけの神様、教えます」でサボイアS-21の制作過程を取材。「設計図は頭の中にしかない。それをスタッフの皆さんがあうんの呼吸で形にしていくのは、まさに神業ですよね。プロフェッショナルの領域を見せていただきました」と目を輝かせ、「美しいフォルムに赤い機体……まるで操縦席にポルコ・ロッソがいそうで。こうして想像力を掻き立ててくれるのが本当に素晴らしいです」と感嘆した。

「ジブリの立体造型物展」は9月23日まで開催。本展は東京展のみで巡回は予定されていない。

※宮崎駿の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記

ジブリの立体造型物展

2025年5月27日(火)~9月23日(火・祝)東京都 寺田倉庫 B&C HALL / E HALL
9:30~20:00 ※最終入場は19:00
通常チケット料金(税込):大人 1900円 / 中・高校生 1600円 / 小学生 1200円
※日時指定予約制

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俵屋年彦 循環をすすめる会 @tawarayat

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