イギリスの文豪ヘンリー・ジェイムズによる小説「密林の獣」を翻案し、100年以上の時を超えて転生を繰り返す男女の運命を描いた本作。AIが中心となった2044年の社会では、人間の感情は不必要とされ、有意義な仕事を得るには“感情の消去”をしなければならなかった。孤独な女性ガブリエルは疑問を抱きながらも、仕事に就くために浄化を決意する。そこで彼女は、前世から続くトラウマを消すため1910年、2014年へ転生。それぞれの時代で青年ルイに惹かれていく一方、“何かが起きる”という恐怖に苛まれるのだった。
エンドクレジットがQRコードという演出は、2023年の第80回ヴェネツィア国際映画祭での初上映の際にも大きな話題に。ボネロ曰く「世界初」だそうで、「一般的に言って、エンディングクレジットが流れる時間は感動的な瞬間だ。音楽があり、それに沿うようにして俳優やクルーの名前が現れては消えてゆく。観客は次々と立ち上がって、再び外の光を見いだす準備をする。この映画は、感情が追放された世界を描いているのだから、エンディングクレジットの時間から感情が排されているのは理にかなっていると思う」とその意図を説明。なおQRコードを読み取ると、クレジットだけでなく特典映像も観ることができる。
このたびYouTubeでは、共同プロデューサーの
ボネロはドランの出演について「『感情のない声』が必要だという話をしたら、最初は『僕はそんな声は無理だ!』と彼は言っていたのですが、結果的には引き受けてくれました」と述懐。ドランが「Mommy/マミー」、ボネロが「SAINT LAURENT/サンローラン」を出品した2014年のカンヌ国際映画祭での出会いを振り返りながら、「私と彼は長い付き合いで、お互いに評価し合っている関係です。何か一緒にしたいとずっと思っていました。本作はカナダとフランスの共同制作になったので、彼に声を掛けました。ですので、それは友情から始まったと言えます」と語っている。
「けものがいる」は4月25日より東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開。
映画「けものがいる」本編映像 <面接編>
ベルトラン・ボネロの映画作品
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DVDだと解像度が低くてQRコードを読み取れないとかありそう…(訳:Blu-ray化をよろしくお願いします) @Kemono_movie https://t.co/2rlYAtuaqv