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ソイ・チェンが監督を務めた「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」は、1980年代の香港を舞台にした物語。密入国した若者・陳洛軍(チャン・ロッグワン)が、九龍城砦で出会った仲間とともに命を懸けた戦いに挑んでいくさまが描かれる。同作は香港映画の歴代観客動員数1位に輝き、日本でも興行収入3億円を突破した。
日本でのヒットについて、フィリップ・ンは「想像以上だった」と話しながら、「日本のファンに感謝しています。香港のローカルな文化を取り入れた作品なので、異なる文化の背景を持った観客が興味を持ってくれることがうれしいです」と喜びを伝える。ヒットの要因に関しては「スタッフによると日本にも九龍城砦にまつわる資料がたくさんあったそうなので、日本の方も惹かれるテーマなのかもしれません。また、監督の力も大きいと思います。人物描写、ストーリー、シーンごとの映し方、すべてにおいて表現力があるんです。監督は、パンチされて飛ぶときの回転数など、ささいな描写までアクション監督の谷垣健治さんとコミュニケーションをとって相談していました」と振り返った。
フィリップ・ンが演じる王九は、陳洛軍らの前に立ちはだかる最強の気功使い。特徴的な笑い声はソイ・チェンのアイデアをもとに作り上げていったという。「監督から役者1人ひとりに指導があります。王九の笑い声については『最初は少し笑ってみて』と言われ、試したところ『もうちょっと大きな声で』とリクエストがあり、丁寧に笑い声のトーンを調整していきました」と回想する。また王九がたびたび持っている黒い傘について尋ねると「それぞれのキャラクターが独特の武器を持っていて、王九は傘でした。ただ王九は硬気功の使い手なので、結局武器としては使われませんでした。でも個性を出すために、さまざまな場面で傘を持っていますよ」と笑顔を見せる。
彼が特に印象に残っている王九のセリフは、「仕事をしてるのは俺だ」とのこと。王九が大ボスを訪ねてやってきた秋兄貴に告げる言葉だ。フィリップ・ンは「王九はおそらく、このタイミングから心境に変化があったと思う。もともとは手下ですが『もしかしたら自分もボスになれるかもしれない』と考え始めたときだと思うんです」と語る。また大ボスを演じたサモ・ハン(サモ・ハン・キンポー)については「これまでも何度か共演しているので、非常に心強かったです。とても素晴らしい先輩で、自分がアクションの動きを忘れてしまっても自然にカバーしてくれます」と述べた。
取材では「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」をきっかけに香港映画に興味を持った日本のファンに向けてお薦めしたい3作品を質問した。まず挙がったのは、自身の出演作でありサモ・ハンとも共演した「
やがて話題は、AFAで彼がノミネートされた助演男優賞に。フィリップ・ンは「ノミネートされたことはもちろんうれしいのですが、賞が獲れても、獲れなくてもあまり気にしません。撮影中は心から楽しみましたし、監督の情熱も感じられました。目標より、その過程が大事だと思います」と語った。
「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」は全国で公開中。なお3月16日に行われた第18回アジア・フィルム・アワードの授賞式では、「黙視録」のリー・カンションが助演男優賞を受賞した。
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』絶賛公開中 @totwjp
フィリップ・ンの印象に残る王九のセリフとは?お薦め香港映画も明かす
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