1995年3月25日に封切られた「Love Letter」は、キャストや映像美、北海道・小樽のロケーションなどが話題を呼び、国内外の多くのファンから熱く支持されてきた。第19回日本アカデミー賞では優秀作品賞に加えて、豊川が優秀助演男優賞と話題賞(俳優部門)、酒井と柏原が新人俳優賞、REMEDIOSが優秀音楽賞を受賞。1人2役を演じた中山もブルーリボン賞など数々の主演女優賞に輝いた。日本公開後は20カ国以上の国と地域で公開され、1999年に韓国で初公開された際には140万人を超える動員を記録し、2025年1月に行われた計9回目となるリバイバル上映では10万人を超える観客を動員した。
劇中では、事故で命を落とした婚約者に向けて送った1通のラブレターがきっかけで、2つの恋が浮き彫りになっていくさまが描かれる。中山が神戸と小樽に住む2人の女性・渡辺博子と藤井樹を演じ分け、博子を見守る秋葉茂を豊川、同姓同名の男女・藤井樹の少女時代と少年時代を酒井と柏原が演じた。
4Kリマスター公開に際して、岩井からコメントが到着。「『手紙』という題材がとても難しく、脳みそをくたびれさせながら悪戦苦闘して創りあげました。うまくいっているのか最後まで不安でしたが、初号を観た中山美穂さんが涙を流してくれた時に、やっと映画が完成したのかなとホッとしました」と当時を振り返り、2024年12月の中山の訃報に触れ「中山さんとは、30周年にあわせてロケ地の小樽に行こうと話していたところだったので、突然の報せを受け、とても驚き言葉になりませんでした」とつづっている。また「そんな時に公開30周年を記念して4Kリマスターを劇場で上映していただけると聞き、改めて『Love Letter』が永く愛されていることを感じました」と感謝の気持ちを伝えた。コメント全文は後述の通りだ。
「Love Letter」4Kリマスターは東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー。なお映画公開30周年を記念したTシャツがオンラインショップ・円都市場で販売される。受注期間は本日3月11日正午から4月11日正午まで。
岩井俊二 コメント
劇場公開から気づけば30年。当時、テレビドラマはいくつかやっていましたが、長編映画は1作目。35mmフィルムで撮影するのもはじめてということもあり、ビデオカメラとは違う集中力が必要でした。「手紙」という題材がとても難しく、脳みそをくたびれさせながら悪戦苦闘して創りあげました。うまくいっているのか最後まで不安でしたが、初号を観た中山美穂さんが涙を流してくれた時に、やっと映画が完成したのかなとホッとしました。中山さんとは、30周年にあわせてロケ地の小樽に行こうと話していたところだったので、突然の報せを受け、とても驚き言葉になりませんでした。そんな時に公開30周年を記念して4Kリマスターを劇場で上映していただけると聞き、改めて「Love Letter」が永く愛されていることを感じました。今でも、若い方や世界各国の方たちからSNSを通じて「『Love Letter』を観ました」というコメントをいただきます。4Kリマスター化にあたっては、フィルムでは細かい調整が効かなかった部分に手を加え、音声はドルビーSRから5.1chのデジタルサラウンドに変更しているのですが、センターはフィルムの音を残しています。30年の時を超えてスクリーンに蘇る「Love Letter」を、ぜひ劇場でご覧いただければと思います。
atsuco@明石昌夫プロデュースTOKYO DE'RACINE' @fantasticatsuco
名作✨またスクリーンで観れるのね😌
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