カメラ裏はバタバタ、広瀬すずと木戸大聖が「ゆきてかへらぬ」長回しシーン語る

映画「ゆきてかへらぬ」公開御礼舞台挨拶が2月27日に東京・TOHOシネマズ 六本木で開催され、キャストの広瀬すず、木戸大聖、監督の根岸吉太郎が登壇した。

大正時代を舞台に、実在した女優・長谷川泰子、詩人・中原中也、評論家・小林秀雄による壮絶な愛と青春を描く本作。広瀬が2人の男に愛される泰子、木戸が中也、岡田将生が小林に扮した。

イベントでは、Xで一般募集した質問に広瀬たちが答えていく。長回しで撮ったファーストシーンについて聞かれた根岸は「本番は2回やりました。広瀬さんがいなくなってまた出てくるところは難しかったけれど、木戸さんが歩くタイミングなどさまざまなことがうまくいった」と答え、広瀬は「私たちは必死に階段を降りて急いで装備してと、カメラの裏側は戦争のようにバタバタ。そして凛とした顔で出てくる。撮影中はあまりにも必死だったけれど、完成したものを観て私自身もゾクッとしました」と話す。木戸は「セットも1つの街のようなものができていたし、いいタイミングで狙えたと思いました」と振り返る。

また、劇中で泰子と中也が取っ組み合うことにちなんで、広瀬はきょうだい喧嘩について振り返り「取っ組み合いというか、上の2人にまず勝ったことがない。けちょんけちょんにされていました。でも私も必死で」と照れ笑い。広瀬が「中也と泰子みたいな激しい喧嘩シーンは……いやですね。取っ組み合い経験はこの作品で十分！」と苦笑いすると、木戸も「僕もいやです！」とうなずいていた。

人生を翻弄された出会いは？という質問には、広瀬が「事務所の社長さん」と答えて、なかなか仕事に前向きになれなかった時期があったことを述べつつ「でもいろいろなことを経験させてもらっていまだに続けている。マイナスな感じでこの世界に入ったけれど、言葉や人柄、与えてくださったものを含めて、結局は楽しくて。今の仕事がもはや人生になっています」と伝える。木戸は「僕の場合は、今の事務所に出会うきっかけを与えてくれたクラスメイト。その子に足を向けて眠れません」としみじみ感謝の思いを口にした。

どのような人に惹かれる？と尋ねられると根岸は「映画を撮るときは、劇中のキャラクターの強さに必ず惹かれます。そもそも登場人物に惹かれないと撮っていてつまらないから」と回答。木戸は「僕は年齢に関係なく遊び心のある人に惹かれるし憧れます。そういう人はワクワクやドキドキを表に出しているイメージがあるし、失敗したり怒られたり、負けている姿を正直に出していると思う。そこにかわいげを感じます」と述べる。「面白い人」を挙げた広瀬は「頭の回転やセンス、そういう感性を貫いて表に出せる人は見ていて面白いと思います。惹かれますし、私も面白い人になりたい！」と願いを明かす。

最後に広瀬は「この作品は泥臭く、人間臭く、一生懸命あの時代を生き抜いていた3人の、言葉では言い表せられない関係性を描いています。私自身とても面白い作品に出会えてよかったなと思っていますので、1人でも多くの方々に届いてほしいです」と挨拶してイベントは終了した。

「ゆきてかへらぬ」は全国で上映中。

映画「ゆきてかへらぬ」予告編