映画「
本作は、夫を事故で亡くした硯(すずり)カンナが、第2の人生を歩もうとしていた矢先にタイムトラベルする術を手に入れ、自身と出会う直前の夫・硯駈(すずりかける)と“再会”して恋に落ちる物語。松がカンナ、松村が駈に扮した。
本作について松は「カンナと駈のお話ではありますが、観ていくと取り巻く人々にも想像が膨らんで、やがて自分自身に返ってくるような作品だと思います」、松村は「2時間という長さをまったく感じさせない映画です。その中にたくさんの人生を見たし、メッセージを受け取りました。密度のある作品です」とコメント。初共演となった松村の印象を尋ねられた松は「思っていたよりシルエットがちゃんと見える方でした」と独特な表現をし、松村を困惑させる。そんな松村は「松さんは初めてお会いした日から今日まで、距離感が変わらないんです。初対面からずっと知っていたかのように振る舞ってくださったので、少しずつ夫婦を演じることができました」と伝えた。
山田は「坂元裕二さんと『怪物』でご一緒した際に、また新作を作らせていただきたいとお話ししました。誰しも“生涯の1本”という映画があると思いますが、そんな作品を作りたいと話し合いました。まさか、世界一感動する“餃子と靴下の物語”を紡いでくださるとは思いませんでした」と回想する。坂元は「山田さんがよく家族の話をされていたので、いつかこの方と夫婦の物語を作りたいと思っていたんです」と明かし、「餃子をよく焦がしてしまうので、それを映画にできたことがうれしいです。また松さんと映画を作ることは念願だったので、1本できあがってよかったです。松村さんは29歳と45歳の駈を演じられており、多少のCGはありますが、ほぼご自身のお芝居で演じ分けていてびっくりしました」と口にした。
台本を読んだ際の感想を質問されると、松は「面白いと思いました。どう演じるの?って感じでした」と回答。松村は「坂元さんがタイムスリップを題材にしたことが衝撃的でした。台本を読んでいる時間が楽しくて、早く皆さんに観てほしいと思っていました」と述懐した。坂元が脚本を手がけたドラマ「カルテット」で松と共演した吉岡は「坂元さんの脚本(のセリフ)を話す松さんがすごく好きなので、台本を読んでいると飄々としているけど切なさを含む松さんの声が再生されて。ミューズってこういうことなのかなと思いました」と伝える。森は「もともと高校生のときから坂元さんの作品が大好きでした。『カルテット』のシナリオブックを買って皆さんが演じてきたセリフをたくさん読んでいたので、(『ファーストキス 1ST KISS』の台本は)誰もまだ声にしたことのないセリフだ!と思い、感動しました」と言葉を紡いだ。
劇中でカンナは、2024年から2009年にタイムスリップする。松は「2009年は仕事の環境が変わった時期だったようです。さびしい環境になりつつ身軽になった時期だったのかな。(そのときの自分に)がんばってればいい出会いがあるよと伝えたいです」、松村は「2009年は芸能活動を始めた年です。ここまで来れたという奇跡が待っているので、アドバイスは正直ないです。だいぶたくさん間違えたけど、それがあっての今だと思います」とそれぞれ約15年前を振り返った。
塚原あゆ子が監督を務める「ファーストキス 1ST KISS」は、2月7日より全国でロードショー。
ろくろう @mcz_orz
【イベントレポート】松たか子×松村北斗が2009年を振り返る、「ファーストキス」は “餃子と靴下の物語”(写真11枚) https://t.co/DF9wSvYEoW