松たか子は「隙」がいい、松村北斗が「ファーストキス」共演で知った魅力語る

映画「ファーストキス 1ST KISS」の初日舞台挨拶が本日2月7日に東京・TOHOシネマズ 日比谷で行われ、キャストの松たか子、松村北斗（SixTONES）、リリー・フランキー、監督の塚原あゆ子、脚本家の坂元裕二が登壇した。

同作は、結婚15年目に夫を事故で亡くした硯（すずり）カンナが、第2の人生を歩もうとしていた矢先にタイムトラベルする術を手に入れる物語。15年前に戻って自身と出会う直前の夫・駈（かける）と“再会”し、恋に落ちるさまが描かれる。松がカンナ、松村が駈、リリーが駈の大学の教授・天馬市郎を演じた。

映画の上映後、余韻に浸る観客を見渡す松は「こうして観た直後の皆さんにお会いできて……（余韻を）ブチ壊したらいけないな、みたいな。（自分に）モザイクかけてほしい感じです（笑）」とおどけつつ、「とても感激しています。この映画のスタートを迎えられて幸せです」と笑顔。松村は「最初に台本を読んだとき、客観的に感動してました。撮影をするうちに主観となっていきましたが、皆さんの表情を見たら、最初の自分の気持ちとリンクしているのかなと思って。今わくわくしています」と穏やかな口調で述べた。本作を観て涙したというリリーは「ジジイはジジイなりに思い出すことがあったんですけど（笑）、皆さんの中にもあるんでしょうね。『わー！ 北斗！』みたいな感じでもない。感動してくださってるんだろうな」と、じっと耳を傾ける観客たちに驚く様子を見せる。

公開前から試写会などで評判を呼んでいた本作。坂元は「（作中で）松村さんが老けメイクをしたり、おなかを出したりしているから、ファンの方が怒ってるんじゃないかと心配になって『ほっくん』で検索したら、『ほっくん魅力爆発』と書いてあり安心しました」と報告する。試写会には松村の両親も参加したそうで、松村が「『面白かった、感動した』という感想じゃなく、『靴下の片方はいつかなくなる。ただ、うちの夫婦はなくなった片方がお互いの棚から出てきたりします』と母親から届いて。ただの夫婦がロマンチックになる映画なんだなと思いました」と明かすと、リリーは「お母さんも映画に影響されて、坂元さんになった気分だったんでしょうね」とほほえましそうに笑みをこぼした。

映画のプロモーションで、さまざまな雑誌や番組出演をともにしてきた松と松村。松は「もともとわかっていたんですけど、私のダメなところを……人間的欠陥をどんどん引き出していく方なんです。これはどういうことだろうって（笑）」と松村とのトークを不思議そうに振り返るが、「でもそれすら楽しめました」とポジティブに締める。松村も「思ったより隙のある方だなと、日に日に……」と松への印象を告白。「松さんからしたら欠陥なのかもしれないし、僕からしたら……下の者から言うのはおかしい表現ですけど、愛嬌のある隙のある方だなって。半分いじりの会話ができてしまうんです。たまにですよ。『松さん、聞いてますか』とか言えちゃう」と続ける松村に、松は「その通りです。こんなリラックスしていいのかっていうくらい（笑）」と自然体でいられたことを感謝する。塚原は2人のやり取りに大きくうなずきながら、「ツッコミが撮影のときより激しくなってるのを、先日のラジオで確認して。撮影後にも仲良くなったんだなとほほえましく思いました」とうれしげな視線を向けた。

司会者から「またこの座組みで作品を撮るなら？」と質問されると、坂元は「タイムトラベルという定番をやったので、今度はまた定番で、松さんと松村さんの中身が入れ替わるっていうのはどうですかね」と提案。松村は「年齢設定も変わってくると思うと緊張しますね……あれ、自分のままでいいのか？ あ、違うか？ ん？」と混乱するも、「僕は“松たか子”をやるってことですね」と期待をのぞかせる。一方、坂元から「SixTONESになるってことです」と促された松は「東京ドーム4日間でしょ？ いいですね」とまんざらでもない様子を見せた。

「ファーストキス 1ST KISS」は全国で上映中。