映画「
本作は新人賞を受賞したにもかかわらず、未だ単行本も出ない不遇な新人作家が文豪に愛された「山の上ホテル」で“文壇下剋上”を仕掛ける物語。のんが主人公の中島加代子、田中が加代子の担当編集者・遠藤、滝藤が大御所作家の東十条宗典、高石が東十条の娘・美和子を演じた。
堤は「柚木さんの原作があまりにも面白く、私に演出できるのか不安でした。しかしキャストの皆さんが本当に素晴らしく、撮りながらどんどんワクワクしてきました。観客の皆さんに楽しんでいただきたいです」と笑顔を見せる。のんは「加代子はどんな状況でも屈せずに立ち向かっていくかっこいい人。これまで私が演じた役の中で、一番性格が悪いと思います(笑)。それがすごく気持ちよかったです」と述べ、笑いを誘った。
田中は「加代子が気持ちをぶつけるシーンがあるのですが、かなり長ゼリフだったんです。セリフだけではなく、動きもあって大変なところ、堤さんが『全部ひと息で言って』とお願いしていて。難しそう!と思ったけど、のんちゃんはすぐに対応できていて、みんなで拍手をしました。いい意味で演出家と主演の高め合いを見させていただきました」と述懐。このエピソードに対し「すみません!」と謝る堤に、のんは「台本を読んだときから好きなシーンだったので、思いっきり演じられました。堤監督が演出してくださって、一生懸命がんばりました」と伝えた。
滝藤は自身の役柄について「(東十条は)十分嫌なヤツなのですが、それ以上に加代子がすさまじい。“男尊女卑クソジジイ”の東十条も、少しかわいく見えてしまうと思う(笑)」と口にする。高石は「短いシーンだったからこそ、美和子の怒りの目線は鋭さが増したと思います。キャストの皆さんはいつかご一緒したいと思っていた方々だったので、ぜいたくな時間でした」とほほえんだ。
本作で初共演したのんと田中。田中はのんについて「普段はおっとりしているから、加代子になった瞬間、ワーッ!と弾ける姿を見て、どこにそのパワーをしまっているのかと思いながら眺めてました」と語る。一方、のんと3回目の共演となった滝藤は「(のんは)生まれたばかりの赤ちゃんのような、汚れなき目が『あまちゃん』のときから変わってなく、驚きましたね」とコメント。その発言を受け、のんは「そんなことあるんだ……。目を守っていこうと思います」と笑いながら返答した。
本作を鑑賞した感想を尋ねられた柚木は「大好きな作品になりました。最初は、国民的人気者ののんさんが演じるんだから、加代子はちょっといい子になるんだろうなと思っていて。敵たちとも、擬似恋愛みたいな空気が出るのかな?と想像していたんですけど、最後まで1回も恋愛の要素がなく、うれしかったです!(笑) 加代子は遠藤先輩と二人きりでもずっとにらみ合ってるし、自分のことしか考えず最後まで反省しないのがとてもよかったです!」と力強く語る。堤は「最大の褒め言葉です」と感謝を述べた。
イベントでは、キャストが“下剋上したこと”を発表する一幕も。のんはフリップに「中島加代子」と書き、「ずっと性格が悪い役を演じてみたくて、でも誰も気付いてくれなかった。今回『やっと来たか!』と思いだったので、これからは悪い役で天下を取っていきます!」と意気込んだ。
「私にふさわしいホテル」は12月27日より全国でロードショー。
※高石あかりの高は、はしごだかが正式表記
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