「香港-アジア映画共同製作助成制度受賞プロジェクトの成功事例紹介」と銘打たれたセミナーが、第37回東京国際映画祭に併設されるビジネスコンテンツマーケット・TIFFCOM内にて10月31日に東京・東京都立産業貿易センター 浜松町館で開催。映画監督の
セミナーには、香港映画育成ファンド「香港―アジア映画共同制作助成制度(HK-Asian Film Collaboration Funding Scheme)」で受賞し、約900万香港ドル(約110万米ドル)の助成金を獲得した映画2作品の製作チームが参加。「酒色男女」(洋題:All the Things We Have Done Wrong That Led Us to This)をプロデュースするスタンリー・クワン、監督を務める松永、脚本家の李駿碩(
ジュン・リーいわく「酒色男女」は香港人と日本人の恋物語。ジュン・リーが英語でシナリオを執筆し、松永と意見交換しながら練り上げていったという。「ルージュ」「ロアン・リンユィ 阮玲玉」などの監督として知られるスタンリー・クワンは「主役2人が魅力的で、エンディングも涙がにじむぐらい感動しました」と脚本を絶賛する。
「エゴイスト」のヒットが記憶に新しい松永は、「酒色男女」の撮影を来年に控える中、「文化の違う人たちと映画を作るのは大変だけど、アジアの素晴らしいフィルムメーカーたちと出会い、新しい可能性を探していきたい。今回みたいに最初からスタンリー・クワンさんと組んだりするのは難しいけど、こういう映画の作り方もあるんだと示していかなければならない。新しい可能性を見出すことが、自分の世代がやらなければならないことの1つ」と使命を語る。また香港映画「離れていても」でスタンリー・クワンと共同プロデュースの経験があるジュン・リーに対し、松永は「ジュンは助成金の制度とかに詳しくて本当にすごい」と言及。「日本のフィルムメーカーは僕も含めてもっと勉強したほうがいい。映画作りにはお金が絶対必要なので。資金を集めて、映画を作って、お金を生み出すという構図は無視できない。このプロジェクトは僕に取っては大きな挑戦ですし、今回に限らずこういう試みを続けていきたい」と日本のインディペンデント映画の発展へのヒントを口にした。
「38.83」はヴィンシー・チュクが自身と祖母の関係性を題材にした作品。東京国際映画祭の出品作でもある「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」など数多くの作品にプロデューサーとして携わってきた古賀は、合作における課題点を「国が違うと育ち方も学び方も違う。映画に限らずどんな業界でも、掛け違いがたくさん起きると思います。でもそれは重要なこと。いいところだけ採用して、それをアジアの撮り方として成立させられたらいい。お互い新しいチャレンジに挑むのはハードルが高いが、それを越えるためのスタッフィングや仕組みを整えていくのが我々の立場です」と語り、来年の撮影に向けてこれから本格始動することを伝えた。
なお映画ナタリーでは後日、より詳細なレポートを掲載する。
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【イベントレポート】松永大司ら日本と香港のフィルムメーカーたちが映画共同製作に向けてトーク
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