本作の主人公は、美大卒だがアートで身を立てられず、人気現代美術家のアシスタントをしている沢田。彼は独立する気力を失い、言われたことを淡々とこなすことに慣れてしまっていた。ある日沢田は通勤途中で事故に遭い、腕のけがを理由に職を失う。部屋に帰ると床には蟻が1匹。その蟻に導かれるように描いた◯(まる)をきっかけに、日常が◯に浸食され始める。
荻上と企画プロデューサーから、2年にわたって熱烈なオファーを受けたという堂本は「自分が必要とされている役なら」と心を動かされ、沢田役で主演を務めた。荻上とは今回が初タッグとなる。
堂本は「まるという言葉や文字を皆様はどう捉えてこの作品を楽しんでいただけるか興味深いところです。劇中でもたくさんまるを描きました。細部に渡る隅々まで。たくさんたくさん描きました。世の中が平和を諦めずに平和を作ることへ時間や命を繋げてほしいと想いを込めて『。』」とコメント。荻上は「撮影中の1ヶ月間、純度の高い無色透明な塊、みたいなもののそばにいるような気持ちでした」とつづっている。
ティザービジュアルはデザイナーの大島依提亜が手がけ、メインVer.とキャラクターVer.が用意された。メインのティザービジュアルには、沢田が住む町を背景に撮り下ろした写真が使用されている。YouTubeで公開中の特報には「ある日突然、◯が迫ってきた」というナレーションが収められ、◯にとらわれ始める沢田の姿が映し出された。
映画「まる」特報
堂本剛 コメント
主演でお芝居させていただくのは久しぶりです。寝不足で誰のために何のために働いているのかも考えられない毎日を過ごしている主人公の沢田。だから顔色も良くはない、目の下にはクマ、顔の筋肉も動いていない。自分本来の心で人生を柔らかく生きて描きたいままに画を描くこと。これが叶えば良いだけなのに、人は自分を誰かと比べ、審査し、点数のようなものを付ける。孤独だということをそれこそ理解できずにそうしてしまう人も多いのだろう。
孤独を感じていなければ人はそうならないだろう。頼んでもいないのに人は人の生き方や道にそうする事で我が身や我が心が安心するのだろう。ならばそれに付き合うこともまた人生か?と、沢田なりに人々の孤独に漂ってみている。きっと正しくないしもはや楽しくもない事はわかっているが、いらぬ優しさがそうさせてしまうのかも知れない。そんな沢田を演じるうえでいろいろを整えることをやめて崩すイメージで演じさせていただきました。
共演者の皆様がとても優しく接して下さいました。荻上監督をはじめスタッフの皆様も大変優しく接して下さいました。そのことがいちばん嬉しくて幸せでした。「人は人に優しく生きることができる」を叶え合い大切な一日を繰り返し完成した作品「まる」。
まるという言葉や文字を皆様はどう捉えてこの作品を楽しんでいただけるか興味深いところです。
劇中でもたくさんまるを描きました。細部に渡る隅々まで。たくさんたくさん描きました。世の中が平和を諦めずに平和を作ることへ時間や命を繋げてほしいと想いを込めて「。」
荻上直子 コメント
撮影中の1ヶ月間、純度の高い無色透明な塊、みたいなもののそばにいるような気持ちでした。もし彼のタマシイが見えたら、きっとそんな感じなのだろうと思う。混じり気のないどこまでもどこまでも透明な珠(たま)。
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