1978年3月、キリスト教民主党の党首で首相経験もあったモーロが、極左武装グループ「赤い旅団」に誘拐された同事件。「夜よ、こんにちは」では赤い旅団側から同事件を描いたベロッキオは、「すでに語られた物語には戻らない」という自身のルールを破り、史実にフィクションも織り混ぜながら、再び映像化した。
「夜の外側」ではモーロ、救出の陣頭指揮を執った内務大臣フランチェスコ・コッシーガ、モーロと旧知の仲である教皇パウロ6世、赤い旅団のメンバーであるアドリアーナ・ファランダ、そしてモーロの妻であるエレオノーラという6つの視点で事件の真相を映し出す。
2022年の第75回カンヌ国際映画祭で初披露されたのち、イタリアでは前後編に分けて劇場公開。その後、国営放送RAIで3夜にわたってオンエアされ高視聴率を記録した。第68回ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で17部門18ノミネートを果たし、監督賞、主演男優賞など4部門に輝いている。日本ではイタリア映画祭2023で上映された。
ティザービジュアルには、赤い旅団を彷彿とさせる真っ赤な背景に、モーロが誘拐される瞬間をデザイン。YouTubeで公開された特報には、モーロが「死にたくないことの何が狂っていますか?」と問う様子などが収められている。
ザジフィルムズが配給する「夜の外側 イタリアを震撼させた55日間」は東京・Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国で順次ロードショー。
河添 誠 KAWAZOE Makoto @kawazoemakoto
マルコ・ベロッキオがアルド・モーロ誘拐事件を再び映画化、「夜の外側」8月公開(特報あり) https://t.co/79hYevYP1g