ドキュメンタリー映画「正義の行方」プチ鹿島、佐野亜裕美、岩井俊二らのコメント到着

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木寺一孝が監督を務めたドキュメンタリー映画「正義の行方」の本予告映像がYouTubeで解禁。あわせてプチ鹿島、佐野亜裕美、岩井俊二ら著名人のコメントが到着した。

「正義の行方」場面写真

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「正義の行方」メインビジュアル

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本作は、1992年に福岡・飯塚市で2人の女児が殺害された飯塚事件を追ったNHKのドキュメンタリー番組「正義の行方~飯塚事件30年後の迷宮~」3部作を映画化したもの。DNA型鑑定などによって犯人とされた久間三千年は2008年に死刑を執行されたが、冤罪を訴える再審請求が提起され、事件の余波は今も続いている。映画では弁護士、警察官、新聞記者といった異なる立場の当事者たちが語る“真実”と“正義”を通して事件を多面的に捉え、司法の姿を浮き彫りにしていく。

「正義の行方」場面写真

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このたび公開された映像には、事件当時のアーカイブ映像とともに、さまざまな立場の人物が語る証言が映し出される。時事芸人・プチ鹿島は「傑作という表現を使ってよいのか躊躇した。この30年間の『正義』を根底から揺さぶられてしまうのが先だからだ。でもやはり傑作としか言いようがない」と絶賛。ドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」のプロデューサー・佐野は「不完全さを抱えた人間という存在が人の罪を扱うという、非常に複雑で難しい問題であるというそのこと自体を映し出している映画だった」と語り、映画監督の岩井は「多岐に渡る登場人物。木寺演出はその表情を克明に切り取る。どの証言も正しいように思えてくる」とコメントした。

「正義の行方」は4月27日より東京・ユーロスペースほか全国で順次公開される。

※記事初出時、コメント寄稿者の名前に一部誤りがありました。お詫びして訂正します

ドキュメンタリー映画「正義の行方」本予告

プチ鹿島(時事芸人)コメント

傑作という表現を使ってよいのか躊躇した。この30年間の「正義」を根底から揺さぶられてしまうのが先だからだ。でもやはり傑作としか言いようがない。
地元紙が自らを検証する姿に、最後の「エルピス」(希望)を見た思い。

佐野亜裕美(ドラマプロデューサー)コメント

不完全さを抱えた人間という存在が人の罪を扱うという、非常に複雑で難しい問題であるというそのこと自体を映し出している映画だった。昔取材で刑事事件専門弁護士から聞いた「真実は人間の数だけある」という言葉を思い出す。自らの真実、自らの正義に寄りかかって進まざるを得なかった事件関係者たちの証言の先に見えるものを、私たちは目を凝らして見つめなければならないと思う。

岩井俊二(映画監督)コメント

死刑囚の遺族、元捜査一課の刑事たち、弁護士たち、新聞記者たち。多岐に渡る登場人物。木寺演出はその表情を克明に切り取る。どの証言も正しいように思えてくる。飯塚事件という迷宮に迷い込んだ彼らの葛藤はきっと永遠に終わることはないのだろう。司法の女神は瞑った眼で今なお沈黙を守っているかのようである。

青木理(ジャーナリスト)コメント

歪み切った「正義」を振り回す警察捜査に、司法も科学もメディアも跪き、追随してしまった。結果として私たちは、取り返しのつかない過ちを犯してしまったのではないか──そんな鋭利な刃を、この国に生きる同時代の者たちすべてに突きつける秀逸で、しかし残酷なドキュメンタリーである。

武田砂鉄(ライター)コメント

怖い。
このやり方を怖いと思わなかった人たちがたくさんいたことが怖い。

上西充子(法政大学教授)コメント

これは冤罪事件なのか? 真実はどこにあるのか? そんな目で見ているうちに、だんだん見方が変わって他人事ではいられなくなってくる。自分が捜査する立場だったら、報じる立場だったら、どうするだろう、と。立ち止まれるだろうか、向き合えるだろうか、と。

長野智子(キャスター / ジャーナリスト)コメント

飯塚事件に関わったメディア、警察、検察。それぞれの「正義」が暴走する様子を当事者たち自らが証言する衝撃のドキュメンタリー。
最前線にいた元警察官たちが語る捜査の実情や裏側はあまりにも生々しく、それをどう受け止めるのかが観る者に委ねられる。
無実を訴え続けた久間元死刑囚の死刑執行はなぜあんなに早かったのか。突きつけられる多くの示唆とさらなる疑問から目が離せない。

高橋ユキ(傍聴人 / フリーライター)コメント

「死刑」は取り返しのつかない刑罰だ。決して誤りがあってはならない。
だが、人間はときどき間違える生き物であり、そして裁判官も人間である。

ISO(ライター)コメント

題名は「真実の行方」ではなく「正義の行方」。
証明する手段のない事件を取り囲み、複数の関係者が持ち寄るそれぞれの真実。
二律背反する証言はやがて観る者を底の見えない螺旋へと飲み込んでいく。

問われるのは“何が真実か”ではなく、“何を信じ正義とみなすか”ということ。
私たちが思うより真実はずっと脆い。これは、もう一つの「落下の解剖学」。

久米宏(フリーアナウンサー)コメント

32年前、福岡でこの事件は起きた。
容疑者は逮捕され、16年前に死刑が執行された。
ところが、最近、目撃証言のひとつが訂正された。
そう、裁判はまだ生きているのだ。
担当刑事や弁護士、取材を続けた新聞記者たち。
彼らの話を聞いていると、心拍数が上がってくる。
あと、裁判官の話と死刑執行を決定した人の話が聞けたら、
この国はずいぶん良くなる。

林香里(東京大学大学院情報学環教授 / 東京大学理事・副学長)コメント

登場するのは、現場の警察官、地元新聞記者、DNA鑑定研究者、弁護士たち。それぞれの現場で、それぞれの正義を真摯に追求する人たちだ。そこに覆いかぶさるのは、正義の行方を判断し、死刑という凶器をもった国家。今の日本の司法制度に、死刑宣告の権限を委ねることの無謀さと不条理を知るために、多くの人に見てもらいたい映画だ。

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(c)NHK

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Ko-Z @particolare1964

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